French curve--The sky is clear--

優舞は今【るんるん♪らんらん♪リンリン♪】な気分♪

novel..3057年の犬と猫

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

 ふわり、ふわりと着地した。
 
 で。
 
 
「結局、あなたたちは何? 頭についてるのは何? あれ、はずれない!」
 
 頭についているものをひっぱったら、はずれなかった。
 
『あんたは馬鹿なの? さっきのあたしたちの話聞いてた?』
 
 また、猫みたいなのがしゃべった。
 
「聞いてたけど、意味わかんないし、支離滅裂だし、3057年? 何? 犬と猫? 何でしゃべってるの? ていうか私、今やっと死ねそうだったのに……」
 
 でも、今、ちょっとだけ、安心した、自分がいる。
 
『あぁ、もう……あんたはそのいっぺんに訊くくせやめたらどう? あと、支離滅裂の使い方間違えてないかしら。』
 
『いや、でも気持ちは分かりますし、普通はこうでしょうね……』
 
 今度は犬みたいなのもしゃべった。よかった、こっちは意外と常識的……
 
「って、犬と猫のくせにしゃべったり、立ったり、何なのよ?!」
 
『ここの世界は、今21世紀ですからね、無理もないです。』
 
『とりあえず、場所を改めましょうか。』
 
「ちょっ、本当に、何?!」
 
 
 ひゅん、とか、音が鳴って。
 
 
 気がついたら、よくわかんない空間にいた。イス……みたいなのと、テーブル……みたいなのがある、真っ白い空間。
 
「どこ、ここ……?」
 
『あぁ、ここは3057年だよ。さ、そこのイスに座って。』
 
「はぁ?!」
 
 というかこれ、やっぱりイスなんだ……
 
 イスもテーブルも、脚がなくて浮いてる。イスはソファーみたいな素材で、テーブルはよく分からない素材でできている。
 
『じゃぁ、説明させてもらいますね。』
 
 犬がそう言うと、目の前に映像が映し出された。スクリーンカメラもスクリーンもないのに、そこには映像がはっきりあった。
 
3057年の技術……?」
 
『その通りです。』
 
 犬がそう答えた後、スクリーンに2匹の映像が映し出された。
 
『えっとまず、僕は犬のケンです。』
 
 ケンで犬って……
 
 ケンは、真っ白い犬で、首にスカーフを巻いている。そして2足歩行だ。尻尾の先にはピンク色の丸い物体がついている。
 
『博士に育てられている犬です。』
 
『で、あたしは猫のネコよ。』
 
 博士のネーミングセンスをちょっと疑う。
 
 ネコは、ケンとは対照的に真っ黒で、右耳に黒いリボンがついている。もちろん2足歩行。尻尾の先には黒いデビルのような三角形の物体がついている。
 
『僕たちは、人を幸せにするために育てられたんです。』
 
『だから、博士に教えられて作った道具であなたを絶対に幸せにするわ!』
 
 ありがたいのかよくわからないけど、もうちょっと生きてみようかな。
 
「……えっと……でも、何で、私?」
 
『博士の地図の、ここにマークがあったからです。』
 
『実際、死のうとしてたじゃない。』
 
 それで、か。
 
『僕の道具は見た目は微妙だけど、中身は最高なんです!』
 
『あたしのは見た目もいいし、中身も最高だしなのよ! さらに誰かを不運にさせることもできるわ! それで、ケンと、どっちが幸せにできるか勝負するの!』
 
『でも、ネコの道具は、かわいそうです!』
 
『この子がいいって言ったなら、いいじゃない?』
 
 この子達、どっちも私を助けてくれるいい人(動物?)みたいだけど、聞いた感じじゃ天使と悪魔みたい……。
 
「でも、何で助けてくれるの?」
 
『『勝ったほうにはお菓子がもらえるから!』』
 
 あー……
 
 原動力はお菓子な、3057年の犬と猫。
 
『『そういうわけで、よろしく(お願いします)!』』
 
 そう言って微笑む君たちは、本当に幸運をもたらしてくれるの?
 
 
                              ⇒続く

小説【3057年の犬と猫】

―――今日は4月18日。
 
この日で私の人生は終わるだろう。
 
学校の屋上で飛び降り自殺しようとする私。止める人は誰もいない。ただ、1人で死んでいく。
 
 
始まりは、4月7日の入学式の日だった。
 
 
突然、親友の引越しの知らせを聞いた。本当に、突然だった。ショックとか、もうそんな感情には収まらないような出来事だった。外国へだから、きっと前から言葉の練習や知識なんかも入れていたのかもしれない。「親友だから、いえなかった」ではなくて、「親友だからこそ、1番に知らせた」だったら、心の準備が出来ていたのに。
 
さらに、4月9日、両親の離婚が正式に決まった。私の目には、仲がいい夫婦にうつっていたのだが、前から決まっていたらしい。両親は別居をし、優しかったお父さんと、元気でかわいい優宇も、出て行ってしまった。
 
 
そんな、何もかもが崩れていった世界。何もかもが灰のような色をして見える。
 
 
6年生。あの頃で、私の世界は終わったのかもしれない。友達と楽しく遊んで、家族で楽しい会話をしていたあの頃。
 
幸せだったな。楽しかったな。戻りたいな。
 
でも、過去を思い出したところで何もならない。
 
―――モウ、過去ニハ戻レナイ―――
 
さようなら。私はこの世界から消え去ります。目を閉じ、私は飛び降りた。
 
 顔に、風が当たる。本当に、死ぬんだなぁ。
 
ふいに、体が軽くなり、宙に浮いたような感覚になった。
 
これってもしかして、天使が私を迎えに?でも、私のこの死に方だと、悪魔なのかもしれない。
 
ちょっと、見て見たい。そう思って、そっと、目を開けてみた。
 
「…って、えぇぇぇーーー!!!!???」
 
目の前にいたのは、天使でも悪魔でもなく―――……
 
「…………犬…と、猫……!!!??」
 
『お、気付いたのね。』
 
『そうみたいですね。』
 
 あれ……? 犬と猫がしゃべってる。やっぱり、夢?
 
『夢なんかじゃないわよ。』
 
 うわぁ、また猫みたいなやつがしゃべった……!?
 
 それにしても、夢じゃ、ない?
 
 そう聞いて、足元を見てみると、いつの間にか着地していた。まだ、宙に浮いたような感覚がある。何故?
 
『ちょっと、あんた自分の頭上のこともわからないの?』
 
「頭?」
 
『そう、君の頭の上には3057年の博士の発明品、「ソラモトベル」がついているんだよ!』
 
あ、浮いた感覚はそれのおかげだったんだ。
 
……じゃなくて!
 
「あなたたちは何? どうしてしゃべっているの? これは何?」
 
『そんなに一気に聞かれてもねぇ……』
 
『でも、とりあえず。僕達は、君の幸せをプロデュースしにきた、』
 
『『3057年の犬と猫』』
 
 
 全く、理解が出来なかった。
 
 
 
                  続く⇒

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事