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1日出張、バイト先の病院でのことです。
30年前に右の脱腸(ソケイヘルニア)の手術をして、
最近、再発した患者さんの手術がありました。
手術の前に話を聞くと、
昨年、反対の左の脱腸の手術をしたんだけどね、
手術したところは問題ないんだよ。
でもね、けどね、
腰の麻酔が入りにくくてさ、
かなり、何度も針を刺されてつらかったよ。。。
7-10回くらいかなあ、数えられないくらい。。。
若い先生がやってたみたいでしたよ。。。
そう、患者さんは話されました。
へえ、誰がやったんだろう???
そう思い、昨年の手術記録を見ると、
なんと、その日も私が、お手伝いにきて、
私が腰の麻酔、そして手術もしていました。
むむ???
若いってところは嬉しいが。。。
これは困りましたねえ。。
さて、どうしたものか。
腰の麻酔とは、腰椎麻酔のことです。
背骨の中の硬膜という、かたい皮の中にある脊髄の周りの水溜りをねらい、
お薬をいれ、下半身だけ麻痺させる麻酔です。
6時間は完璧歩けなくなります。
手術台で卵のように丸くなって、
背骨の隙間を開けて、一気に針を刺す。
脊髄腔に当たったら、脊髄液がぽたぽたおちて、
そこめがけて、薬液注入。
はい、以上が全行程です。
昔は当たり前のようにやった麻酔手技ですが、
最近は、術後の頭痛、術中の血圧低下、脊髄損傷、髄腔内出血、血腫形成など、
トラブルが多く、施行する回数が極端に減っています。
また、同手技を行う際は、
だんだん細い針が使用されるようになり(脊髄液の漏れ防止、頭痛予防のため)、
針先で皮をめりっ、ぺりっと破く、心地よい感触、
そうそう、ちょうど、極ウスのコンドームを使うような。。。
あ、いや、失礼、違いました、不適切なたとえでした。。。
あれ、何の話?
あ、そうそう、腰椎麻酔の皮を貫く官職ですが、
その感触がなかなか感じられなくなり、
穿刺するのも非常に難解になっています。
かつ、高齢者で背骨が潰れてたり、
肥満の人も多く。。。。
と、そういう状況下での話です。
そう、今でも外科の医者が、自分で麻酔かけるんですよ。
どんどん、麻酔科の先生も減ってるから。。。
不思議ですか?
みなさん?
そんな、こんなで、患者さんの入室。
おもむろに体位を取り、背中を触ると、
もう、背骨と背骨の間は潰れていて、
全然隙間すらない。
レントゲンでも同様の所見、
もう、椎間板ヘルニアになりかかっています。
これは、難易度、高いね。
穿刺予定の場所から、二つほど上の合間は結構開いているぞ。
それで、自分の癖は、骨間をまっすぐ刺すから、
それで入りにくいってことは、若干、上目に狙いを定めて、
で、何度も穿刺することを想定して、
今日は初めから、刺すところに十分局所麻酔かけて(局所麻酔しないときもあります)、
思いっきり深めに針を入れて、そこからゆっくりと、ゆっくりと。。。。
ぽた、ぽた。。。。
1回目の穿刺で、見事に命中。
麻酔も十分効いて、手術も再発ヘルニアにも関わらず、30分以内に終わりました。
今日は痛く無かったですよ。
ありがとうございます。
いえいえ。。。
だってね、●●大学の偉い先生が来てるからねえ。。。
上司もにこにこ。。。
出張先の上司の、お褒めとも、皮肉ともつかない、患者への声賭けとともに、
その手術は終わりました。
前の人を手術も含めて、手術記録を二つ書いて、
帰途につきました。。。。
もう、周りは真っ暗です。
敵を知り、己を知らば、百戦して百戦危うからず。。。
たかが脱腸、されど脱腸。。。。
たかが腰椎麻酔、されど腰椎麻酔。。。
自己完結できてこそ、プロ。。。
などと、ぶつぶつ思いながら、ぶんぶん、車を走らせるktでした。
でも、帰りは大渋滞。。。
家に着いたのは午前様でした。。。
しんどい。。。
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最近、この麻酔がきっかけで、カルテが強制連行されてしまいました・・_| ̄|○ ガクッ。。ま、詳しくする話じゃないですね・・。
2007/9/8(土) 午前 0:12
この1年でオペレコに何度か私の名前が載ってます。いつか見る機会があったら懐かしく思うんでしょうね〜。働き出してから関わった患者さんならなおさら…。先生いつもお疲れ様です。
2007/9/8(土) 午後 1:48
kuuさま:そうですね、kuuさま。●察●タってことですかい?
2007/9/12(水) 午後 11:24 [ kt0*041* ]
SHERRYさま:そうですよ。1年生のころの患者さんたちは一生ついて回ります、その記憶が。。。。私もいまだにそうです。
2007/9/12(水) 午後 11:25 [ kt0*041* ]