5年以上前、黒猫3匹と白い子猫1匹という奇妙な一家が自宅庭に頻繁に現れるようになった。
やがて白い子猫が一番乗りで破れた網戸から侵入してきた。
私はそのまま自由にさせておこうと思った。
帰宅すると居心地が良いのか4匹はいつも家の中に居た。
それ以来私は帰宅時に猫たちの餌を買って帰り朝晩は必ず用意した。
お恥ずかしながらこの珍客のため仕事の出張を断ったりもしていた。
やがて黒猫たちがそれぞれ家出、行方不明、死去で次々去っていき、数年前よりこの姫(元の色は白猫)だけとなる。
| 昨日まで何事もなかった |
| 私の娘 |
| いつも別れは |
| 突然やってくる |
| でも私は |
| 昨日を信じていたい |
4匹の中で♀の黒猫と姫はとても仲がよく一緒に居ることが多かった。
ある日の帰宅中、家の100mくらい前に差し掛かった時、小高い丘にこの2匹がいるのが見えた。
2匹が私のほうを向いた瞬間、一目散に私の車をめがけて駆け寄ってきた。
私は驚いた!
明らかに猫たちは私自身だけでなく私の車までも認識していると分かった瞬間だった。
2匹が転がるように駆け寄ってくる姿は無邪気にとても喜んでいるように見えた。
その愛くるしい様子が忘れられず私はこの2匹に魅せられていった。
私が休みの時、庭に出ると余程嬉しいのか私にピッタリくっつきまとわりついて鳴きまくる。
あげくの果てにはなぜか道路ど真ん中に寝転んでゴロンゴロンと寝返ってしまう。
危ないので私はいつも慌てて抱きかかえて家の中に放り込んでいた。
仲間の黒猫たちが消えて以来、普段いつもひとりぼっちなので寂しかったのか・・・
私の家の前の三叉路は小高い丘があるため死角となり猫にとっては危険な場所。
私がいつも心配していたのは外に出て行く時の飛び出し事故でした。
家路に着き車庫入れの時、姫が斜め前の家のブロック塀に座っている事が度々あった。
姫は私をめがけて鳴きながら走ってくるのだけど、そこは危険な三叉路。
しかし私の心配をよそに、なんと人間並みに左右確認するかのように振り向きながら走ってくるではないか・・!?
猫の骨格は原始の形質を今なお維持し、しなやかな体型で尾が長いほど原始的だといえる。
野良猫の場合、他の動物と異なりたとえ単独でも決して野垂れ死になどしないという。
昔飼っていた♀のシャムも狩猟名人だったが、この姫はそのはるか上をいく。
狙った獲物は逃がさず一発で仕留める。
セミ、バッタ、トカゲ、ヤモリ、鳥etc・・・
トカゲ、ヤモリは今年だけで100匹は獲ってきている。
家に持ち帰って頭だけ残し食べる。
部屋にトカゲの頭があちらこちらに転がっているのはとても不気味でした。
スズメも同様、これまで確認しただけでも10匹以上は仕留めて家で捕食している。
猫が分類学上トラやライオンと同じ猛獣科に属するのも充分うなずける。
エピローグ 全ての終焉 姫が残していったもの・・・
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