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先週、アメリカ議会の公聴会で、一連のリコール問題に絡み、豊田社長が証言した。 そもそも、公聴会に(たとえ世界の大企業のトップとはいえ)日本人が発言すること自体が珍しいことだったし、米政府の政治的プレッシャーは行き過ぎた印象を拭えないものの、今回の問題の背後にある製造業のグローバル化の課題を垣間見た気がした。 私には、2008年に起きた金融業界のグローバル化の課題からやや遅れて、製造業のグローバル化の課題が浮き彫りになった感がある。 2008年の金融問題は、サブ・プライムローンを証券化し、それを細分化して世界中にばら撒いたものが、ローンの返却が見込めなくなった時点で証券が焦げ付き、問題が拡大した。 今度のリコール問題は、グローバル化を進める中で、効率化と利益の最大化を追い求めるあまり、設計・部品の共通化の結果、一部部品の不具合ですら、全世界に波及するかもしれないという規模のリスク(サブ・プライムローンの「細切れ証券」と同様)と、その対応如何で世界的に批判を浴びかねないという評価低下のリスク(=Reputation Risk)の可能性を浮き彫りにしたと考えている。 今回のリコール問題については、既に対処済みのアクセル・ペダルの不具合の問題が蒸し返され、また、技術的に不具合と確認されていない電子制御装置がやり玉に上がるという、恐らく当事者(特に関わったエンジニア)からすれば、やりきれない想いであろうと思う。 ただし、顧客から問題が指摘された時に、例え技術仕様では問題ないとしても、迅速、かつ、適切に対応しようという姿勢が足りないと、業界トップの会社といえども、一気に足元をすくわれてしまうことを示唆している。 まして、不適切と思われた対応の裏に、会社が利益を第一にした形跡がある、または、社内の体制維持を優先したと捉えられる形跡があると見られれば、なおさらである。 トヨタの品質への取り組みに関する評価は高く、ほかの企業が学ぶくらいだし、かくいう私も、大学院時代にはトヨタを日本の製造業のベンチマークとして研究したこともあったので、トヨタの取り組みが中途半端でないことは想像がつく。 ただし、そんなトヨタがリコールに端を発し、お家芸としてきた品質について、昨年、破綻の危機に直面し、品質ではトヨタに劣るとの評判だったGM、Ford、Chryslerを援助しているアメリカ政府から攻撃を受けるとはなんとも皮肉である。 ただ、最強とも思えたトヨタにも弱点があったのかと改めて思わせたのは、豊田社長の次の発言である。 「事業拡大のスピードに人材育成がついていけなかった」 2008年の金融危機直後の業績悪化の際の問題点として、トヨタが指摘されたのは、事業を拡大した結果生じた製造設備に関する減価償却費負担の大きさだった。 一度、大きな設備を持ってしまったにもかかわらず、想定した売上を達成できないと、売上を費用が上回ってしまうため、無駄遣いをしなくても、損失が自動的に発生してしまうことが起こる。 ただ、それは会計上の数字の課題であるわけだが、今回は、それを運用する人材のこと、いわば「ソフト」の課題があったことを示唆したわけだ。 また、報道では、日本本社に意思決定が集中し、現地でのリコール対応が遅れたとの指摘がされている。 もし、これが事実なら、経営オペレーションの課題を浮き彫りにしており、トヨタが会社として取り決めた様々なルールが、「対応の遅れ」と指摘されていることと同義だ。 だとすれば、厳密な社内ルールを重んじるトヨタにとっては、根本的な課題の修正を検討せねばならなくなるだろう。 また、私が気がかりに思っているのは、これら拡大路線とその弊害は偶然起こったわけではなく、例えば、2004年の製造業派遣などもそのContextのなかに含めて考えるべきで、これら一連の出来事は、金融業界で起きたFRBとWall Streetの関係ではないが、やはり、日本の経団連と政府、そして、トヨタのようなトップ企業が連動して、取り組んだ結果なのではないかと思うのだ。 というのも、2000年になってから、御手洗現会長が就任するまで経団連の会長を務めてきたのは、何を隠そう、トヨタのトップだった奥田碩氏であり、奥田氏の会長就任期間に製造現場への派遣社員採用が可能となったからだ。 裏を返せば、トヨタの内部で、一連の経営を取り仕切り、いわば実質的な経営の実権を握っている経営層や、それまで、トヨタの海外拡大をサポートしてきた政府・実業界の課題を、一手に握って、豊田社長は公聴会に臨んだという言い方もできるかもしれない。 冒頭の会見を見ていただければわかるが、電子制御の欠陥といった技術的な課題は明確に否定しつつ、「TOYOTA WAY」を説明し、今後、その課題の克服に懸命に取り組むことを必死になって説明している豊田社長は、いささか痛々しい印象すらある。 それは、豊田社長のバックには、トヨタ自動車はもちろんのこと、日本政府・自動車業界に収まらない日本の実業界が控えているためだろう。 ただ、私には、この公聴会での発言はもちろん、一連の会見で、豊田社長の創業家ならではの責任感、そして、顧客に対しての謝罪の姿勢が、ひしひしと感じるのだが、いかがだろうか? これは、豊田社長でなければ発することができないメッセージだろうが、本当の課題は、今後、それがどう実行されるかである。 今回の問題は、トヨタ単独や日本の製造業にとっての課題ではなく、製造業全体のグローバル化の課題だと思うので、今後のトヨタの動向に注目したい。 とりとめもなく、気付いたことをまとめたが、皆さんのご意見をお寄せいただければ幸いである。 K
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会社分析
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これまでのIT業界の「勝ち組」企業の業績を振り返って、その強さの秘密を整理したいと思う。 結論から言えば、「勝ち組」企業は、製造業である第2次産業という括りを抜け出し、サービス産業に半歩踏み出した「第2.5次産業」(=「サービス製造業」/「Serviced manufacturer」)ともいうべき事業スタイルを確立しているところに不況に負けない強さの秘密があるといえそうだ。 マーケティングの観点から製造業にサービス的な発想が必要と説いたTheodore Levitt博士の「Marketing Myopia」(=「マーケティング近視眼」)的な発想から、実際にサービス事業を売上・利益に貢献させられる製造業に発展させたとも言えるかもしれない。 業種は異なるが、同様に製造業におけるサービスを模索し、金融事業で底入れしてきたGMやGEが、昨今の金融危機で打撃を受けているのとも一線を画す。 IT業界の勝ち組であり、また、「サービス製造業」として高業績を裏付ける特徴を2点ハイライトしたいと思う。 まず、ひとつ目はサブスクリプション売上の存在だ。 「サービス製造業」とはいえ、IBMとAppleの2社の間でもサービス事業の売上比率は開いており、全体売上のうち、IBMが80%、Appleで 20%前後くらいがサービス事業と想定される。そうした違いがありながらも良い業績が残せるのは、サブスクリプション売上のお陰だ。 先に触れたように、IBMの売上の40%、利益の60%は、ライセンスや契約ベースで定期購入される商品・サービスであり、また、Appleでは売れ筋の iPhone(含むAppleTV)を契約期間に按分して売り上げを計上する「サブスクリプション・アカウンティング」を採用し、2年間に分割して売り上げを計上している。 こうしたサブスクリプション売上が両社の売上と利益を下支えしており、景気に左右されない業績を残せているのだ。 2つ目は、身軽な組織体制で高い収益を上げている点だ。 通常、製造業は工場などの生産設備を使い、商品を製造している。そのため、製造業は、製造設備の分、バランス・シート上のアセットは重くなり、かつ、減価償却費による資産の費用化により、収益も圧迫させられる。また、一度、そういった設備を持ってしまうと、そこで働く人の問題も含めて容易には事業活動を変更したり、やめたりできない。よって、事業を行うにあたっては、それなりのコミットメントが求められる。 その点について、今回の「勝ち組」2社はどうだろうか?下の表をご覧いただきたい。総資産、有形固定資産、純利益の各データは、昨年9月末までの直近4四半期分の数値を平均して算出している。また、ROAについては、昨年末時点の数値を参照した。 総資産に占める有形固定資産の割合はIntelが最も多いものの、ソニーはちょうど、IBMとAppleの中間くらいの規模であるため、総資産に占める有形固定資産の比較では傾向は伺えない(1)。また、総資産の活用の効率度を確認するROAも、この年末時点でソニーは極端に低いが、逆にIntelが「勝ち組」2社を上回っている(2)。さらにもうひとつ突っ込んで、有形固定資産がどれだけ効率的に売上を生んでいるかをみるために、売上を有形固定資産で除した数値も算出した(3)。ここで「勝ち組」と「負け組」の業績を明確に分かれ、圧倒的に「勝ち組」の数値が高くなった。IBMはソニーに対して約3倍、インテルに対して約2倍、Appleはソニーの9倍弱、Intelの5倍強の効率が高いことになる。 ここで触れた2つの観点を基に、さらにIBMとAppleの特徴を分析してみたい。 主たる対象マーケットは、IBMがB2B、AppleがB2Cといえ、違う「土俵」で事業を行っていることになるが、両社ともに好業績を残しており、B2BかB2Cかということは大きな要因にはならないようだ。 次に、サービス事業の比率であるが、先に触れたようにIBMは8割、Appleが2割で大きな差がある。これだけみると、Appleのほうがハードウェア主体のビジネスと言えそうだが、実は総資産に占める有形固定資産の比率でみると、AppleはIBMの半分しかない(IBM:12%、 Apple:6%)。ここから、Appleにおいて製造のアウトソースが進んでいることが伺え、それは有形固定資産に対する売上がIBMの倍以上(IBM:20%、Apple:53%)であることで裏付けられる。いいかえれば、Appleがメーカーでありながら、製造はほかに任せ、自身はデザインやアイディアなど分野で強みを発揮しようとしていることがわかる。Appleとともに、製造業の雄としてマスコミで取り上げられている任天堂も含めて、ここに、メーカーのあるべき一つの理想的な姿があると言えそうだ。 さらにいえば、Apple内でiPhoneやAppleTVが、今後、サブスクリプション売上がさらに伸びていけば、収益の安定化にさらに磨きがかかることになるため、日本の家電メーカーは、一層、差をつけられそうだ。 やや意外だったのが、IBMとIntelの売上:有形固定資産比率をみたときに、IBMのほうの数値が高かったことだ。単純に考えると、IntelのほうがIBMよりも製造自体をアウトソースしている比率が高いともいえそうだが、こちらは、慎重に確認する必要があるかもしれない。 勝ち組企業の特色をハイライトするために下記のレーダー・チャートを作成した。このチャートには、純利益率、有形固定資産に対する純利益率、ROA、有利子負債を営業利益で割って算出する債務償還年数、従業員一人当たり純利益額、ROEを業績指標としており、外側にポイントがあるほど、その指標の業績が良いということになる。 このチャートをみると、勝ち組の特徴として、ROEの高さから株主資本を有効に使っていることがわかる。また、有形固定資産が利益創出に向けて有効に使用されていることも垣間見える。なお、Intelはいくつかの指標では良い指標であるものの、昨年の10-12月期で業績を安定させることはできなかった。 以上、4週間にわたってIT業界の「勝ち組」と「負け組」を分析してみた。皆さんの印象はどうであっただろうか?率直なコメントをお寄せいただければ幸いである。 K
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会社に入社したての十数年前、AppleのMacintoshを持つということはそれなりのステータスで、冬のボーナスと身内から借りたお金で最初にMacを買ったときは、このうえなくうれしかった。 でも、今の20代の方は、Appleといえば、Macというより、iPodやiTuneの印象のほう強いだろうか。これらのポータブル・オーディオ製品とサービスは、若い人の「Way of Life」を変えたと言っていいだろう。そのために、痛手を負った日本の電機メーカーも数知れず。。。 そして、その「i」カルチャーは、ついに携帯電話に進出した。日本でも昨年、Softbankの携帯電話端末としてリリースされた。Mac世代からすると、iPhoneなんて、まだ、「ひよっこ」くらいの印象しかないが、このiPhoneが、今や、Appleの牽引役となっているのだ。 iPhoneは、「Apple computer Inc.」から「computer」が抜け、「Apple Inc.」にさせた象徴的な商品だ。 先のIBMと同様に、Appleの事業内容を商品ごとに見ていただきたい。 <事業別売上構成> <事業別売上成長率> どの商品がどれくらいの割合が占めているか、というのに、サプライズはあまりないであろうが、成長率については、驚かれる方も多いのではないか。実は、Appleの成長を担い、この未曽有の不景気に負けない業績が残せているのは、このiPhoneのお陰といっても過言ではない。 売上高で10%そこそこの商品が、なぜ、そんなに影響力をもっているのか。実は、会計システムが多分に影響している。下記は、CNET News.comのTom Krazit氏の記事。iPhoneを巡る会計処理と、Apple全体における事業インパクトが読み取れる。 「Appleでは、サブスクリプションベースの会計処理方法を使って、iPhoneとApple TVの(将来にわたる)売り上げから売上高を想定している。 (中略) iPhoneのすべての売上高は24カ月間で計上されることを発表し、iPhoneのソフトウェアアップグレードを無料で提供できるようにした。 (中略) この会計処理の問題点は、iPhoneの販売に関連する売上高の大半が先送りにされるため、販売されてからかなり時間が経たないと、そこからいくらの売上高および利益が生み出されているのかを投資家が判断するのが難しいということだ。しかも、Appleは、iPhoneの販売に関連するエンジニアリングおよびマーケティングの費用については24カ月間ではなくその費用が発生した四半期で計上しなければならない。」 (「「iPhone」がアップルの最重要製品になった理由--第4四半期決算を読み解く」よりURL: http://tb.japan.cnet.com/tb.php/20382535) お分かりであろうか?iPhoneの売上は、米国公認会計士協会の意見書「SOP97-2」に従い、契約期間に按分して売り上げを計上する「サブスクリプション・アカウンティング」を採用し、2年間に分割して売り上げを計上している。つまり、2008年2月に399ドルのiPhoneを1台売って、2008年9月期決算で計上できる売り上げは399ドル×8/24カ月で133ドルとなる(引用元:「iPod Touch 有償アップグレードの不思議 経済のサービス化で変わる売り上げの計上基準」杉田 庸子氏 著/URL: http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080221/147767/ 」)。このため、一時的な経済環境の悪化などの外的要因には左右されないしくみになっているともいえる。しかも、SGAとしてカウントされるマーケティング費用は発生月で処理されるのであれば、あらかじめ予測された売上の範囲で、費用をコントロールすることも可能であろう。 対称的に、アメリカでiPhoneを採用している携帯電話会社のAT&Tは、iPhoneを200ドルで支給するために、Appleに支払った補助金が利益を圧迫し、その他の費用も加わって、前年同期比で減益となったと発表している。ただ、これもiPhoneユーザーが、インターネット閲覧などよりデータサービスを利用するという皮算用があってこその支援である。 強い商品力と決算期毎にブレない会計処理・・・他のIT企業との差はこんなところから出ている。Steve Jobs CEOの体調不良のために、今後の同社の先行きを危ぶむ声もあるが、そう容易にAppleの優位性は崩れそうにない。 K
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以前は、パソコン・サーバーを販売するハードウェア・メーカーの代表格だったIBMも、Louis V. Gerstner 元CEOのリーダーシップの下、サービスとソフトウェアに事業の軸足を移す大胆なTransformationを行い、今となっては、第3次産業に属するサービス会社の様相を呈している。Gerstner氏の著書「巨象も踊る」に氏が取り組んだTransformationの模様が生々しく描かれているので、興味のある方は、お読みになられるのがいいかもしれない。サービスとソフトウェア事業を推進する一環として3年前に行ったLenovoへのパソコン事業売却のニュースは皆さんも記憶に新しいところであろう。 さて、まずはIBMの事業別売上構成と事業別売上成長率をご覧いただきたい。 1) Global Technology Services: アウトソーシング・サービス、インフラ・サポートサービス、メンテナンス 等 2) Global Business Services: コンサルティング、パッケージ・ソフトに関するアプリケーション開発・サポート 等 3) Systems and Technology: サーバー、ストレージ、セミコンダクター 等 4) Software: WebSphere(ミドルウェアソフトウェア)、Tovoli、Lotus、データベースソフトウェア、OS 等 5) Global Financing: 販売店向け短期在庫、売掛金の短期ファイナンス、クライアント向け中期リース・ローン 等 <事業別売上構成> <事業別売上成長率> 全体の売り上げであるが、前回のブログの表では、270億ドルと、前年同期比6%減となっているが、為替変動を調整すると減少幅は1%だけだという。この混乱のさなか、売上が落ちていないといっても過言でないだろう。 それを実現するのは、同社の約80%の収益を支える、サービスとソフトウェアのビジネスだ。New York Timesはその内訳について以下のように報じている。 「売上の40%、利益の60%は、毎年更新される、ライセンスや契約ベースで定期購入される商品・サービスからなる」 About 40 percent of its revenue and 60 percent of its profit come from products and services sold on a subscription basis as licenses or contracts that are renewed every year or so. 顧客業務をそのまま請け負う、アウトソーシングが代表例であろうが、そのようなサブスクリプション契約であれば、売上がブレることもなく、高収益が期待されるというわけだ。 そのように無敵にみえるIBMも弱みがなくはない。上記のグラフのSystems and Technologyという部門は、サーバー・ストレージなどのハードウェアを扱う部門であるが、前年比20%の減少である。おそらく他のハードウェアメーカーと同様、顧客の意向に沿ったスポットでの販売が主な販売形態と思われ、今回のような経済環境では他のハードウェアメーカー同様、一気に売上が落ち込む。 そういう事情もあり、好業績を残したIBMといえども、「Resource action」という人員削減策(16,000人規模とも言われている)を通じて経営レベルでの「グリップ」を利かせることも忘れてはいない。 世界経済の回復には早くても1年、遅ければ2年くらいかかるという経済専門家の声が大勢であるが、IBMは自社の業績にかなり楽観的である。2009年の一株利益は、2008年の$8.93から、少なくとも$9.20になるという予想をしている。Wall Streetの$8.80という予測も上回っており、かなりの強気予測であることが伺える。今年もIBMの動きには目を離せない。 次回は、もうひとつの「勝ち組」 Appleに注目したいと思う。 K
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今週発表されたマクロ経済指標はどれも悲観的なものばかり。中国の経済成長率は現在の雇用維持に必要な8%達成は容易ではなさそうで、イギリスは金融業界の業績悪化でしばらく落ち着く兆しを見せず、お隣韓国も見通しは明るくなく、日本のGDPも向こう2年はマイナス成長・・・しばらく好転しそうがないのは明らかだが、マクロ指標だけではどうすればよいかの目星がつかない。 そんななか、今週、アメリカでIT業界の主要企業による昨年10-12月期の決算発表が相次いだ。先行して発表されたIntelの業績悪化のインパクトが大きかったので、こちらもあまり期待できないかと思いきやそうではなかった。以下に主要な業績結果と前期比をまとめる。 売上・純利益の単位: 億米ドル 金融危機のなか、最もハードルが高いであろう、純利益が前期比からプラスとなった企業を「勝ち組」、それ以外を「負け組」(そう呼ぶには少し酷な環境かもしれないか・・・)としてまとめた。 まず、「負け組」からハイライトすると、Microsoftは高い利益率ながら、その成長率に陰りが見られ、先に発表された5,000人規模の人員削減策発表と関連づけても、ビジネスの成熟度が進んでいる様子が伺える。また、Googleは、売上高が7社中、唯一2ケタ成長しているが、純利益の急減から、これまで享受してきたネット広告頼みの収益構造に限界を露呈した格好といえそうだ。Intel、ソニー(正式な決算発表は来週)、Samsungの製造業3社の業績は見ているだけで痛々しく、miserableとしかいいようがない。製造業特有の課題として在庫リスクも抱えるだけに、今後、一層、厳しい対応が迫られるだろう。 これに対して、「勝ち組」2社の強さが際立つ。純利益ベースの増加、高い利益率・・・こういう厳しい環境に関わらず、目を見張る実績である。 次回以降、この「勝ち組」2社の売上構成と事業別の売上成長率から、「負け組」と異なる業績を生む特徴を考察してみたいと思う。 K
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