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庭にふきのとうがちらほら
今日の夕食に天婦羅とするとしよう
もう3月、春も近いというべきか
ヒミズ
を見たのは2月だった
これ、今年の日本映画のBest 1ではなかろうか。
まだ3月であるにもかかわらず、だ。
園子温の映画の中でも一番好きだ
パンドラの匣の時から気になっていた染谷将太も素晴らしい
(カンヌで賞をとる前から、
彼と共演した市原悦子さんが「変なコなの、でもあのコすごくいいわ」といっていたっけ)
そうそう、こう書きながら
市原さんが母親役をやった長谷川和彦監督の
「青春の殺人者」をふと思い起こした
どこか通ずるところは、あるな。
テーマもタイプも時代もゼンゼン違うのだけれど。
あの映画もいつまでも心に残っているが
この「ヒミズ」もそうだ
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」と自らの必死な姿と重なるような画面を撮っていた園子温が
必死さは映画そのものにまかせ画面から自らは少しひいた距離感をもって撮りあげたといっていい
その距離感が、パワフルに迫ってくるだけでない静かにしみこむようなよさをも身にまとって
観客の前に立ち現れた、そんな感じがした。
震災の傷痕生々しい風景をなんどとなくさしはさみ観客に提示することについては
ともに観た仲間の意見感想はまちまちだったが、
私はあれでいいと思った。あの荒涼とした風景は、
見つめざるを得ない、映さずにはおれない、伝えずにはおられない園子温のやむにやまえぬ強い思いが伝わってきた。それでいて
その映し方伝え方はけっして激しい身振りをともなったものでなく
静かに抑えたものだった。
私はむしろそこにも共感した。
剥きだしのものを叫びとして発するのでもなく、本質を抉りだして目の前に突きつけるだけでもなく
痛みやつらさうちに潜む悪を乗り越えて強く生きようとする、これはやはり一つの青春映画かもしれない。
「恋の罪」で引用されたカフカが変に理屈っぽいだけで、カフカの迷宮の入り口にさえ至っていなかったのにくらべ
褒め過ぎた表現でいえば、ヒミズにはドストイェフスキー的なものがそこにはあって
見る者の魂を甦らせてくれる、そんな気がした。
なお、物語の主脈ではない部分で登場する窪塚洋介が、これまたロシア文学の一エピソードに登場する人物を彷彿させてやけに魅力的だった
「ヒミズ」公式ホームページ
水谷豊と原田美枝子がむきだしで魅力的だった「青春の殺人者」。市原さんの母親役もギリシャ悲劇のような恐さでよかった。原作は中上健次
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