軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 韓国で李明博大統領への政権交代があったが、ロシアでもメドベージェフ次期大統領が決まった。どちらも日本の隣国の政権交代であり、我々は深い関心を持ってそれぞれの国の先行きを見通す努力をすることが必要であろう。なかでも領土問題の先行きは重要である。
 韓国とは竹島問題、ロシアとは北方4島という領土問題が日本にとっての懸案であることはいうまでもない。どちらの問題も前大戦での日本敗北後に、日本が占領下にあって身動きが取れないでいるあいだに、韓国やソ連の力による占領という既成事実がつくられ、領有権を主張するために必要な実効支配という、国際法の要件を半ば満たす状態にされてしまったことが問題である。歴史的にみて、力には力で対抗することが、領土の権利を守るために必要であるが、日本国内には力の行使を認めようとする雰囲気はない。武力の行使なしにこの問題を日本に有利に解決するためには、日本は島の周辺での経済的な優位を確立する施策をすることが望まれているが、これまで海底資源の調査など日本ができることまで実施せずに放棄していたことが問題であろう。民間は経済ベースに乗る見込みがなければ事業に手を出そうとしないが、長い目で見て国益になることは、目先の成否は度外視して政府が行うべきことであろう。政治家の票になる道路開発に廻す資金の何分の1でもよいので、すぐには票にならないこのような事業に投資すべきであろう。竹島周辺での海底調査や北方4島周辺の調査などは武力衝突にならない程度で、積極的に行うべきであろう。すでに日本は中国に、沖縄の西の日中中間線海域での海底開発に先べんをつけられ、日本政府は、ガス田の権利を、手遅れになってから主張している。
 世界のあちこちで、自分たちの存在や主張をを守るための内戦的な武力衝突や民族・宗教の違いによる準国家的な団体間の争いが起こっているが、最近の日本にそれがないことは、平和な生活をするためには好ましいことであろう。しかしそのために我々の権利が、世界の無法な人々によって侵害される状態にまで政府が手をこまねいていることは認められるべきではあるまい。
 同じ伝で、捕鯨反対運動の人々が日本の調査捕鯨船に対して暴行を行い、軽いにしろ傷害事件を起こしたことは、許されるべきではない。鯨を殺すことへの反対運動をしている人々は、自分たちの主張が絶対に正しいとする確信犯として傷害事件を起こしても許されると思っているのかもしれない。しかし鯨を殺すことは世界の多くの国で許され認められている行動である。これに反してこのようなかたちで傷害事件を起こすことは、一部の人々の間では許されているにしても、一般には正しい行為だとは認めないのが普通であろう。その立場で日本政府は、もう少し犯人に対して強硬な態度を取ってもよいのではないか。 ビデオという証拠はあるのだから、犯人の属する国に要求して日本の法律で裁くために、犯人引渡しを要求するぐらいのことは当然行うべきではないか。
 ついでにいうと、燃料として石油が広く使われる前までは米国を始めとする欧米の捕鯨船が、燃料にするためという目的だけで多くの鯨を殺し油だけを絞って肉は海に捨てていた。その頃日本は、沿岸で取った鯨を肉だけでなく皮や骨まで利用し、ひげと呼ばれる弾力性がある歯の部分をゼンマイ代わりに使うことまでしていた。そうした利用法をした償いとお礼のために、漁師たちは鯨の墓を捕鯨基地に建てて供養していた。この日本人の優しさに比べて、現在の捕鯨反対派は、自分勝手な主張だけで行動しているとしか言いようがない。そのような、油を取るための米国捕鯨船の基地として日本を利用するために、力で日本を開国させたのが黒船のペリーであった。日本人が、牛を食べる彼らの習慣を輸入したのはそのときからであり、最近は、必要以上に牛肉を生産した欧米人が、自分たちの牛肉を日本に輸入させるために、捕鯨に反対している場合もあると聞く。ここでも我々は、自分たちの主張を国際社会で強く訴えていく必要性がある。そのためには弱小国を多く味方につける、武力行使ではない外交戦略が重要になるだろう。

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