軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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オリンピック聖火リレーはいよいよ中国国内に舞台を移すが、これからが問題であろう。長野では漢民族の愛国心とチベット人の独立心の衝突の形になり、日本人のお祭り気分に冷水を浴びせたが、これではどちらも、日本人の共感を得ることはできない。西洋人の人権問題への過剰反応は、捕鯨反対運動に似ていて自分たちの感情だけを国情が違う他国にぶっつける形になっている。これもお祭り大好きの日本人とは、考え方の根底が違うので、多くの日本人の共感を得ることはできないだろう。過去の政治的なデモや捕鯨反対運動の裏では、目的をもった金銭が動いていたといわれることがあるが、もしオリンピックをそのような金銭で汚すことがあれば、問題である。できるだけ商業主義に汚されないオリンピックをしたいと、過去の主催者は努力してきている。オリンピックには商業主義も政治的な主張もいらないというのが、多くの日本人の気持ちではないか。ただこの場合、日本人は目先のお祭り気分は大切にしても、将来の自分たちの生活を想像して、それを自分たちの主張や行動にあらわすということはできない面をもっているので、その点は反省が必要なのではないか。
 さてイランであるが、アフマディメジャド大統領がパキスタン、スリランカ、インドの諸国巡回外交を終える。中東の産油国としてのエネルギー外交をしたのである。それぞれの国にエネルギー上の便宜を供与する約束をしており、アメリカは神経を尖らせている。イランは石油で外貨を稼ぐいっぽうで、石油が枯渇したときに備えて原子力発電を盛んにするとして、核開発を進めている。イスラム革命以来イランと対立し、革命政権を倒すためにイラクのサダム・フセインを支持したこともあるアメリカは、イランのそのような動きを抑えようと躍起になっている。特にもともと石油商人であったブッシュ米大統領は、常に中東で、石油とのからみで政策を決めてきた。イランのそのような動きに反発するのはとうぜんである。インドもパキスタンも核開発では一応のレベルに達している。その技術でイランを支援されたのでは困る。石油資源の開発と輸出で所得が伸びているロシアも、インドやイランとのつながりを深めている。かつての冷戦が、エネルギーの供給問題を中心にして中東からインド亜大陸ではじまっている。
 エネルギー資源を持たない日本はその中で、どう対処していくべきなのか。ガソリンがいくらか安くなれば、それでよいという目先の反応しかしないようでは、やがて現在の2倍もの値段のガソリンを買わせられることになるだろう。ブッシュはガソリンの値上がり対策として、国内では余っているとうもろこしなどの食糧を石油に変換して売る政策をはじめた。おかげで世界の農産物の値段が上がり日本人も困っている。早く石油に代わるエネルギー、それもとうもろこしなどではない、例えば地熱利用のような開発が遅れている分野の技術に資本を投下するなど、アメリカ一辺倒の経済政策から抜け出さないと、いつまでも景気は横ばいのままになり、何十年か先には、中国の経済圏に飲み込まれてしまうことになるのではないか。聖火リレーやガソリンの一時的な値下げのような目先の現象だけに目を奪われていると、しっぺ返しを食うのは自分たちである。

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2008/4/30(水) 午後 0:24 [ りすさん ]


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