軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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正月のあいだにイスラエル軍が、パレスチナ自治区の過激派ハマスの一掃を企図して、戦車部隊を先頭に地上侵攻をはじめた。ゲリラ相手の戦闘に、正規軍を相手にすべき戦車部隊を持ち出しても、完全制圧をすることが難しいのは、イラクでの米軍の戦闘に見られるとおりである。どこで手を引くかがイスラエル政府にとって難しい判断になるであろう。
 イスラエルも世代交代が進んだので、戦闘体制を長いあいだとりつづけることは難しくなってきている。しかしこれまでのアラブ諸国との戦いの中で拡大してきた占領地を一部ではあっても手放し、そこに入植してきている自国の人々を後退させることは、時間の経過とともに難しくなってきている。かつて日本が満州に移民を送り込み開発を進めて、どうにも動きが取れなくなって、最後は敗戦で全てを失って日本列島に後退せざるを得なくなった歴史が、現在のイスラエルの参考になろう。 
 アメリカの次期大統領オバマ氏は、イラクから米軍を撤兵しアフガニスタンに兵力を集中する方針を打ち出しており、日本もその行動への協力を求められることになるであろうが、日本はどこまでアメリカに協力をすればよいのであろうか。これもうっかりアメリカの言いなりになると、米英の要望と後押しもあって始めた日露戦争とその後の中国大陸での状況を再来することになりかねない。
 石油の代替エネルギーが一般的になり、中東の原油の価値が低下すると、米英が無理をして中東に兵力を派遣せねばならない必要性は薄れる。かつて第1次大戦末期に、米英の誘いに乗って日本政府は、反共政策の一環でシベリアに出兵した。しかしドイツの崩壊で情勢が変わり、米英軍など外国軍が撤兵した後にそのままシベリアに取り残されて、日本は領土的野心があるとして外国から非難された。同じではないにしても、中東にはまりすぎると、ある面ではこの事件の再来になりかねない。
 外国相手の行動は、常に撤退路や別の反撃路を確保してから行なうべきであろう。欧米諸国は長い歴史のあいだにそのことを学んできている。しかし日本は島国であり侵略された経験に乏しいだけに、無防備に行動しがちである。中国や韓国、北朝鮮も周辺地域との紛争を繰り返してきているので、たとえば休戦を態勢建て直しの時間稼ぎに使うことに慣れている。中国共産軍は蒋介石軍との戦いの中で、その方式を頻繁に使っていた。北朝鮮の6カ国協議での態度を見ていると、そのことがよくわかるだろう。やはり正月に、中国が開発を凍結することに日本と合意したガス田の試掘を一方的に進めているという報道があったが、これも共産党政権の中国が、外交にそのような方式を応用していると見るとわかりやすい。
 世界の紛争は、お人よしの日本人にとってわかりにくい。ともすると日本人は、外国人との個人的な付き合いと外交や軍事を、同じ土俵内のものと混同しがちである。個人的な関係は大切にするにしても、利害関係がある事項については用心が必要であろう。「友人でありつづけるためには、金銭関係を作らないこと」という、昔から言われてきている教訓は、特に国際関係のうえでは忘れてはならないことであろう。

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ランダムから・・・恐縮ですが・・・
イスラエルの紛争から、中東の軍事紛争、オイルショックが起きると思う!!!
そうなると、石油製品の高騰、品物が無くなる、経済がさらに冷え込んで・・・大変な事になると思う。
やはり・・・、
どのような理由があっても・・・軍事力、暴力による破壊が強奪、紛争が、人の命が夢が・・・簡単に奪われる事は、絶対に!許せない事です。
侵略を暴力を正当化する事に深い悲しみを覚えます。
何故に人を簡単に殺してて・・・
罪に成らないのでしょう・・・

2009/1/5(月) 午後 3:18 あおい


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