|
衆議院議員総選挙の結果が出た。麻生首相の軽率な発言と古い体質の政治屋議員たちが首相の足をひっぱり党内の不統一が表に出てきたことが、自民党の大敗の大きな原因になったといえよう。ただ私は軍事評論家であり、政治的な評論は別にして、この結果が日本と日本周辺の国防関係に及ぼす影響について考えてみたい。
アメリカの民主党政権は、民主党の小沢元代表が、日本の国防上、アメリカべったりの姿勢を取らない意見を述べていらい、民主党が政権をとったときの日本政府の将来の態度に危惧をもつ発言をしてきた。アフガニスタンの内乱状態に対応するテロ対策に日本が協力するかどうか、またイランの反米行動を抑え込もうとする米政府の長年にわたる反イスラム政策に、日本も具体的に協力するかどうかは、米民主党政権の大きな関心事である。これはイスラム世界とキリスト教世界の対立に、宗教上は第三者的な日本がどちらに味方するかの問題ともいえよう。
それとの関連で中国や北朝鮮のような共産党による独裁政権との対立問題が絡んでくるが、ソ連の共産主義体制が崩壊して以来、アメリカは、共産主義の脅威はほとんどなくなり、中国や北朝鮮に見られる特殊な独裁体制は、宗教と同一視できるマルクス・レーニンの思想とは無縁のものと考えているようだ。中国や北朝鮮については、アメリカは単なる東洋的な独裁国家への対処として行動しようとしているように見える。経済的なアメリカの国益を損なうことがない限り、言い換えると自由貿易体制を維持してアメリカに経済的な利益をもたらしてくれる限りは、アメリカは中国や北朝鮮とは、武力衝突に至るほど大きく対立することはしない姿勢をとっているようである。このことは、戦前の日本に対する姿勢と同じとみることができるのではないか。
戦前の日本はあらゆる面で、アメリカとの関係を比較的良好に維持していたが、米英の中国での経済的な利権を損なうようなシナ事変を始めたために、アメリカと対立することになり、いわば経済制裁を受けたために対米戦に追い込まれた。その前の満州事変だけでとどめておけば、アメリカの態度はそれほど強硬にはならなかったといわれている。
北朝鮮が核開発やミサイル開発の関係でイランやシリア、パキスタンなどのイスラム国家と協力関係を続けていると、アメリカが米軍による北朝鮮船舶の臨検などで対抗し、日本にも協力を求めることはこれからもしてくるであろう。拉致問題や在日朝鮮人の存在など、朝鮮半島との関係が深い日本がその要求を頭からはねつけることは難しい。民主党政権は、インド洋での自衛艦による給油を拒否することはできても、日本近海で自衛隊が米軍と協力して行動をすることを拒否することはできないであろう。
経済的に今の日本は、中国市場との関係が深くなっている。アメリカもそうである。しかしこれまで軍備を増強し、台湾攻略が可能な兵力整備ができてきている中国が、もし台湾に対して実力行使に出たとしたら、中国と台湾でのアメリカの経済的な利益が損なわれる。この場合はイスラム国家は直接の関係はないようにみえるが、新疆ウィグル族などムスリムを通じて間接的に、イランやアフガニスタンとの関係が生じてくる。そこで、最終的には中国と急進的なイスラム国家が連合し、これと米英が戦う第三次世界大戦が起こる可能性が全くないとは言い切れない。民主党政権はそのような事態にどのように対応するのだろうか。また中国とアメリカの勢力の間に挟まって動きが取れなくなっている間に、日本が経済的な利益を大きく失ってしまうことは確かである。
沖縄の米軍基地の移転問題の処理は、急がねばならない。アメリカは世界規模で、着々と現在の世界情勢に応ずる米軍配置を進めているからだ。それに対応する情報網や兵器の開発も進めている。沖縄の人たちは琉球王国の時代の延長か、自分たちの得るものを多くしようとして、ずるずると引き延ばし戦術を取ろうとしている。しかし王朝が滅びた時も最後は、江戸初期には島津家の武力に屈し、明治には日本政府の武力を背景にした政策に屈している。引き延ばし戦術で得たものはなかった。同じ愚を現在でも行おうとしている。せっかくアメリカが沖縄からグァムに兵力の一部を移転しようとしているのに、その流れにうまく乗らないと、米軍基地はそのまま残ることになる。日本の民主党の左寄りの人々は、基地全面返還を言う現地の一部の人々の主張をそのまま受け入れようとしているが、その結果は好ましいものにはならないであろう。米軍の情報システムや兵器の開発更新の状態から言うと、沖縄の基地を縮小することはできても基地全部を廃止することは絶対に不可能である。離島の沖縄県では、大衆に情報が入るのも出るのも限られている。そのような土地の人々の為政者たちが述べる、表面的な主張を鵜呑みにして沖縄政策を進めると、現地にとってマイナスになり、日本全体にとっても好ましくないものになるだろう。
民主党はまず、日本の現状掌握から始めなければならない。そのあとで好ましいと思われる方針を集約して、首相の強いリーダーシップのもとで、政策を実行していかねばならない。そのとき、いわゆるマニフェストといわれている選挙向けの対策を修正して適正なものにすることがあっても、やむを得ないのではないか。シナ事変の解決にあたった近衛文麿首相が、「貴族の世間知らずであった」と、いわれているのと同じように、「鳩山由紀夫はやはり、日本を『売り家と唐様で書く三代目』(実際は4代目)のお坊ちゃん政治家であった」と、いわれることがないように望みたい。
|
おめでとう。民主党政権。
鳩山由紀夫党首の包容力、小沢一郎氏の選挙戦略、議員を鍛え現代政党に育てた菅直人氏の三位一体が日本を救い出しました。みんなで感謝し、支えましょう。
民主党政府は、大きな困難に立ち向かわなければなりません。
しかし、支配するために作られた行政組織を、国民を支援する組織に変えなければなりません。官僚や公務員を守る法律や制度を、国民を守る法制度に変えなければなりません。
地方議員や首長の利権を排除し、市民を支援する自治体に作り変えなければなりません。
愚民化の学校を、国民を懸命にする学校にしなければなりません。「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望日新報道)から、子供を救う必要があります。
大変な大仕事です。
そのためには、国民が強く支えて、政権を「ならず者」から守らなければならないのです。
無責任な評論家、外国政府の謀略、時代錯誤の保守勢力から守る必要があります。
民主党政権の成功は、国民の賢明さにかかっています!
2009/8/31(月) 午前 11:59 [ N.M ]