軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 北朝鮮金正日総書記が自分の行動の政治的意図を明らかにしつつある。金英逸首相以下更迭による政府の改造をし、自身が委員長を務め実質的には国家の指導部のようになっている国防委員会の副委員長の首のすげ替えも実施して、義弟の張成沢をその地位に置いた。中央を腹心で固めて、万世無窮の金王朝体制を確立しようというのであろう。最高人民会議の決議を経てというのは表向きであり、事態は金正日総書記の筋書き通りに動いているといってよかろう。
 北朝鮮ではそのための政治外交的な表の工作だけでなく、裏の工作である陰謀や破壊活動も行われているようである。韓国哨戒艦の沈没事件も、国防委員長が命令したかどうかに疑問はあるものの、そのような状況を背景にした工作の中で惹起された事件であることは、疑いようがなくなってきている。張副委員長の政敵であった李済剛党指導部副部長の交通事故死事件も、そのような工作の一環で起こったという見方が一般的になりつつあるようだが、独裁国では過去によくみられた図式である。中国の文化大革命のとき中国共産党副主席であった劉少奇が格下げされたのちに、逃亡しようとしてその途中で飛行機事故で死亡したと発表された事件に共通性がある。この事件は、飛行機が撃墜された可能性があることが重要だ。
 アメリカは国連中心に金正日総書記に圧力を加えているが、もちろん裏では、発表されてはいないもののいつも通り日本海に艦隊を繰り出して、軍事的圧力も加えているであろう。実際に我々の目に入るところでは、在日海兵隊の訓練にも一段と力が入ってきているようである。
 日本はこの状況の中で、一応アメリカに追随する態度を示しており、実務的な菅新首相もその方向で動くことと思われるが、万一北朝鮮内で政争の結果として中国紅衛兵のような暴動がおこったり、それが引き金になって北朝鮮軍と韓国軍との軍事的衝突がおこったりするときにどう対応するのか、対応の方針を考えておく必要がある。すくなくとも周辺事態法の適用はまぬがれない事態に発展する恐れがあるからである。 

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