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国内総生産の数値が日本を抜いて世界二位になった中国は、軍事費も実質日本の二倍になりつつあり周辺諸国に脅威を与える存在になっている。中国は国民一人当たりの生活水準でみると日本の一割以下の層も多いが、金持階級は日本の金持といわれる人々以上の生活をしており、上下の格差がひどい。この状態は戦前の日本以上といえよう。
戦前の日本で欧米に旅行ができる人は、年間数百人から千人台というところであった。片道運賃だけで家が一軒建つような時代であったからだ。彼らの多くは官界や学界、大会社などから派遣された人たちか、そうでなければ、裕福な家庭の子弟であった。しかし先日河口湖に一泊旅行に行ったところ、どこででも中国語が聞かれたのに驚いた。看板にも中国語があふれている。秋葉原に中国人の買い物客が多いのはよく知っていたが、日本の観光客の中心が中国人になってきていることをこのとき実感した。中国の小金持が増えてきているからだろう。
アメリカの大学に留学している外国人は、やはり中国人が突出している。日本は、20年前までとちがって留学することがキャリアー上昇につながらない社会になってきているので、大学の成績上位者にとって留学が、それほど魅力ではなくなってきているためか減少傾向にある。
50年前までは、海軍兵(海上自衛官)になったり船員になったりして外国に行ってみたいという日本人も多く、そのために、この職域への志願者も多かった。今はそのような人はいなくなり、船乗りを養成する商船学校に人が集まらず、商船大学は、海洋大学に看板を掛け替えてしまった。ニュージーランドで語学研修をしていて地震の被害にあった日本人たちは、英語で仕事をしてみたいといったていどの、それほど深刻な意味を持つわけではない研修者が多かったようである。
しかし中国はまたまだこれからである。海外に目を向ける留学生や企業人が増えており、日本の後追いをしているとすると、あと一世代近い20年間は、海外志向の活動が続くであろう。そのころになると上下の格差が狭まり、所得の下層階級も現在の日本の下層階級以上になると思われるので、安定志向が増えると思われる。これは政変があって共産党政権が弱体化したとしても、安定した生活を求める人間の心理として、当然行き着く先なのではないか。
その時代に日本と中国の関係がどうなっているか。軍事的には、空母機動部隊や強力な潜水艦部隊をもち、海洋国家になった中国が、台湾や琉球列島の所有権を主張して日本の沿岸に大きく進出してくることは避けられない。中国内陸部の核ミサイル態勢ももっと整備されている。そのときになって慌ててもはじまらない。韓国やアメリカとの軍事的な関係を密接にして対抗するほかはない。同時に経済面や文化面では、つかず離れずの関係を維持していくべきだろう。台湾との関係も大切である。
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