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中国の空母の艤装が進みペイント塗の外観が公開されるまでになった。もっとも艦隊を組み固定翼機を発着させて戦闘ができるまでには、日本的な見方をすれば、少なくとも5年はかかるだろう。この空母はもともとソ連で廃棄されたものを、中国が艦体のみを観光用に使うという名目で購入して、改造したものである。ソ連名ワリヤーグを中国でもそのまま使っていたが、最近、天津と命名するという情報が入ってきている。搭載用の戦闘機パイロットの地上訓練を始めたという情報は一年以上前からあったので、今年中に国慶節などの行事に合わせて、試験的に発進デモンストレーション飛行をするのかもしれない。この空母はあくまで将来の空母機動部隊運用の訓練用であろうが、南沙諸島に出動させれば、ベトナムやヒリピンへの示威行動に使える。尖閣諸島でも同様だ。空母としての使用が不完全な段階でも、ヘリ空母として諸島の占領部隊の支援用に使うこともできよう。
先般の高速鉄道の事故処理に見られるように、人命を軽視し共産党政権の党威発揚のためなら何でもする中国政府なので、安全性は無視して、早めに固定翼機の空母発着艦の試験を開始することは十分に考えられる。23年度防衛白書も南沙諸島方面での中国軍の演習など、日本への示威を含む行動に、日本は警戒を強めなければならないととれる表現をしているが、単に警戒しているだけでは済まされない段階になってきている。
日本的な感覚で先読みをしていると、中国に先を越される恐れがある。たとえば海底の資源開発、石油・天然ガスだけでなく特にマンガン団塊など希少資源の開発は、中国が採算を無視して強引に進めるおそれがある。 中国人一人当たりの生産性はまだ小さくても、日本の10倍の人口が、世界二位の富を生み出しているので、やろうと思えば日本以上のことが何でもできると考えるべきだろう。
5000メートル以上の深海調査潜水艇の開発実験を中国が進めているのは、その一環であろう。この分野で日本を追い越そうとしているのである。日本も国益にかかわる問題は、採算を度外視して国が計画を推進すべきであろう。防衛問題は特にそうだ。コンピューターが世界第二位であって何が悪いかという目先の計算だけで仕分けが行われると、中国にあらゆる面で追い越されて、悔むことになるだろう。
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