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北朝鮮の失敗に終わったロケット発射情報は、アメリカの偵察衛星によって瞬時に探知され、日本の防衛省にある中央指揮所のスクリーンに表示された。3年前の前回のときは似たような状況であったが、詰めていた文官が自衛官同士のやり取りを早合点して、 まだ発射していないのに「発射」と、誤った情報を報告したとして問題になった。そのため今度は、同じような状態が起こらないように、完全に確認してから報告するように、申し合わせが行われていたという。
しかし今回は、航空自衛隊のレーダーや海上自衛隊のイージス艦などのレーダーで確認してから、発射報告をするように申し合わせがあったためか、発射23分後になっても確認ができず、「発射を確認していない」という政府の発表が行われている。しかしもし失敗せずに上昇を続けて、発表通り高度100キロメートルに達したとすると、日本のレーダーでも発見できない高度ではなかったと思われる。だがその位置で発見できたかどうかは、秘密にしておいたほうが日本の国益にかなう。探知距離を発表すると、北朝鮮や中国に日本のレーダーの能力を教えることになるからだ。前に私が述べたとおり、多分、発射してから数百メートルの高度にしか達しなかったときに北自身の手で爆破のスイッチが押されたか、あるいはもう少し上昇したにしても軌道の大きな変針があったなど、明らかに発射失敗が明確になり、日本が被害を被るおそれがないと判断されたために、日本側は探知しなかったと発表したのであろう。韓国も、発表よりは発射地点に近いところに落下したことを知っていたので、破片の回収を早々にあきらめたのではないか。前にも書いたとおり、北は記念行事の一環として打ち上げることに重点があり、技術者は失敗覚悟で打ち上げたとも考えられる。
いずれにしろキツネとタヌキのばかし合いが、双方の発表の裏に隠されていると思う。そのような判断が難しい情報をもとにして、田中防衛相の不手際問責決議をすることは、国会の権威にかかわる決議をすることになるのではないか。ただ今度の情報の伝達に関連して問題点は多く指摘されており、それを改める対策をとることが、今後の日本のために大切なことであろう。
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