軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 日本のクーデター 2.26事件が起こったのは1936年であり、一昔前のことになってしまった。その日に当たる今日は、どこかの報道機関が何かの形で取り上げることが多いが、国民主権の民主主義を叩き込まれている自衛隊の将校たちには、同じような動きはない。そうであるにもかかわらず、民主党の鳩山・菅政権時代には、このままの政治が続くとクーデターが起こりかねないと囁かれたこともあった。クーデターを起こしたかつての陸海軍人たちに欠けていたのは、政治や法についての常識であった。かれらは国民の窮乏を救うという正義感は強かったが、政界や官界、特に経済界・財界はそれだけでは動かない。逆に現在の政治家たちや国民には、軍事的な観点や徳義から国家について考えてみた人が少ないようで、そのような人に政治を任せておくと個人の利益だけが優先されるのではないかという危機感を心ある人に持たせる可能性がある。それが続くとクーデター待望論になってくる可能性がある。
 ニュースで見ると、官僚の天下り問題や政治家の汚職事件、さらに国民レベルでいうと生活保護費の不正受給や脱税事件、言論の自由に名を借りた性的なビデオなどの野放しの結果起こる性犯罪など、多くの問題が起こっている。そのなかからもクーデター待望論が生じてくるのであり、それがニュースになるのであろう。
 さて韓国で朴政権が誕生したが、朴クンヘ新大統領の父の朴正煕大統領は満州軍の士官学校から日本の士官学校にも留学した陸軍軍人であったことは前にも述べた。父大統領はそのご韓国軍の陸軍中佐のときに李承晩大統領を倒すクーデターに参加し、やがて自分が政権の中心に座ることになった。李大統領は米軍によってハワイから連れてこられて、朝鮮戦争期を含む長い間、大統領の座に座っていたが、独裁的になり国民から嫌われるようになった。その政府を倒すという大義名分で行動したのが朴中佐たちのクーデターであった。朴は先祖が侍の軍人であったが、子供のときには農村で貧窮生活をし、そのなかでようやく学費無料の師範学校を出て僻地で教師をした経験を持つ。朝鮮半島の戦後の混乱の中でも苦しい体験をしており、経済の回復に強い関心を寄せていた。そのためかクーデター後は、韓国の経済を発展させるのに功があった。かれは、日本の2.26事件にも学んだところがある。しかし最後は国民に長期政権と軍人的な独裁が嫌われて、妻も自分も殺害される結果になった。
 娘の朴新大統領はそのような父大統領の秘書を務めたこともあり、父の功績を胸に秘めて行動するであろう。工学系の大学学部を卒業しているので、日本の民主党の鳩山・菅両元首相と共通する思考回路をもっている可能性もあるが、鳩山氏のように変人ではなく、おだやかな人柄であるようだ。菅氏のように自己主張ばかりが強い人物でもなさそうであり、同じような立場にあるミャンマーのアウン・サン・スーチー氏よりも政治的な経験豊富だといえるのではないか。もちろん田中真紀子氏のような暴走はないものと考える。
 日韓関係は当面は時間をかけて修復するほかあるまいが、このような朴新大統領の人的背景を考えると焦らなければ好ましい方向に進む可能性がある。日本政府も国民も辛抱強く韓国と交渉する道を選ぶべきであろう。

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