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東洋経済社などの分析によると、日本の企業の経営者たちの報酬が増えてきているらしい。欧米、特にアメリカのプロの企業家たちが高額の報酬を得ているのに影響されているというが、東芝の歴代社長が不正経理を誘導する上からの圧力をかけていたという事件も、そのような影響を受けてのことだと言えまいか。短期間に業績をあげたように見かけ上の一時的な利益の数字を株主総会で報告することは、公務員が帳簿をごまかして汚職をするのと、思想は同じといえよう。その結果、経営者が受け取る報酬が増えることになるが、その報酬額は公務員が汚職で得た賄賂と性格は同じといえるのではないか。
中国で習主席が汚職の摘発に躍起になっているが、実体以上の見かけ上の経済力があると国民に信じさせる政策をとっていると、汚職がはびこることになるのであろう。
アメリカでは、ロビー活動などによる政治資金の名で議員に吸い取られるマージンとしての金額が大きいので、その分、会社の利益が少なくなる。国民の健康を守るべき健康保険が民営になっているのでマージンとして吸い取られる分が大きく、手術にかかる経費は日本の二倍以上にもなっている。アメリカで手術後の入院の日数が日本の半分以下だというのは、そのような事情も絡んでいるのであり、病院が利益を確保するために早めに退院させているとも言えるのではないか。入院を必要としない歯科治療が目玉が飛び出るほど高いというのもそのためであろう。民営の健康保険料は高いので、低所得者は健康保険に加入しようとはしない。それを修正するという名目で始めたオバマ大統領の国民皆保健制度は、結局はオバマがそこから政治資金を得る手段になっていて失敗だといわれているが、政治と医療の仕組みを変えない限り、日本的な国民の健康を守る制度にはならないのだろう。。
アメリカは一文無しから一気に富豪にもなれる夢の社会だといわれているが、そのような仕組みの裏にはマージンに類する制度がある。司法取引といわれている、共犯者の罪を白状すれば本人の罪を軽くするという制度もそうであり、民営の刑務所に儲けさせるため、何が何でも犯罪者のレッテルを張ろうとする現実もある。開拓時代の名残の保安官の制度が残っているのもそうだろう。銃社会をやめられないのも、開拓時代の名残である。
アメリカとの戦争に敗れて敗者になった日本人は、アメリカの制度や文化を学ぶのに懸命になった。しかしよく観察してみると、アメリカは工業や技術には多くの資金を投じていたのでそこから日本が学ぶべきことも多かった。しかしその裏にある政治の仕組みや普通の人の地方での生活は、開拓時代の尾を引いているものが多い。
このところ報道されている南部地方での黒人蔑視の風習もそうだろう。アメリカの大学で表面的なアメリカを学んで、それをそのまま日本に適用しようとする官僚や学者の主張を鵜呑みにすると、日本の将来は危うい。同じことは共産党独裁の中国にべったりの政策をとろうとしている日本人についてもいえよう。
例をあげると夏時間は、各州が広く分散し、独自の生活習慣をもっているアメリカの制度であって、日本のようなカリフォルニア一州に当たる狭い地域に適用すべきものではない。早寝早起きさえできないでいる最近の日本のサラリーマンにとっては、長時間労働のための制度でしかない。アメリカ流の郵政改革も、郵便と貯金が分離されたために、田舎に住んでいる人がどれほど迷惑しているかを知らない人が政治のためにつくりあげた改革であろう。明治以来の時間が、日本的な郵政をつくりあげていたのに、それを壊してしまった。
占領時代に押しつけられた制度の多くは、少しずつ日本的なものに変えられている。占領中の夏時間はすぐに廃止されたし、教育委員会の制度も変更されつつある。警察を保安官のようにその土地独自のものにする市の独自の警察も、中間的な各県独立の制度に独立回復後に改められた。自衛隊もそろそろ軍隊に衣替えされる時期になっている。ただし徴兵制度復活と結び付けて安保法制反対を唱えている民主党などの的外れの主張は、反対のための反対であって、世界が志願兵制度になっている現状と、小銃が打てるだけの徴兵では現代戦を戦えないという現実を理解していない。いずれにしろ国内が戦場になれば、輸送会社は後方輸送に協力し、病院は官民を問わずに負傷者の手当てを余儀なくされるだろう。徴兵という名は付いていなくても、いざというときは、国民がまとまって行動するのが、東日本大震災のときに見られたような日本人であろう。それができる態勢作りは、安保法制とは別に議論すべきものであろう。ただそれが行き過ぎると、かつて、防空演習に全員参加を押し進めた町内会の有力者たちと同じ人が出てくるのであり、日本人の国民性を考えて政策を進めるべきであろう。
これは軍部が悪かったという表現とは別の、国民性の問題である。80歳近くまで生きてきて、かつ近現代史を学んできた私の所見である。
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