軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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  南シナ海のスービ礁、ミスチーフ礁に米海軍イージス艦ラッセンが接近した行動が報道されている。ラッセンは横須賀を準母港にしている空母(レーガン)部隊第五空母打撃軍の一部であり、ボルネオ島のマレーシア領から出港したという情報もあるが、中国艦の行動に備えて、背後に空母部隊が控えていることは間違いあるまい。アメリカではオバマ大統領の弱腰を非難する世論も強く、米海軍は出動に備えて早くから準備を進めていたからである。それがアメリカ的民主主義で動いているアメリカ人が納得する平均的な考え方であろう。
 中国は対抗して駆逐艦2隻を現場に派遣したというが、尖閣で行っているように今後、米中の軍艦によるにらみ合いが続くと予想される。場合によってはこれが、日本の尖閣方面でのにらみ合いの激化につながる可能性もある。日本国民はそのような先を読んで行動すべきだろう。危ないことは保安庁や警察、自衛隊に任せておき、心情的に関係者の強い態度には反対するというのでは、元自衛官の身としてやりきれない。前大戦も、軍人が起こし自分は被害者だという態度を示している人の無知には、軍人の息子として食うに食われない生活をした経験を思い起こして腹が立つ。戦争当時は朝日新聞も戦争賛成であった。
 中国は相変わらず、国連海洋法条約を無視して、この方面は昔から中国領であったと主張しているが、国際法は力比べによって造られると主張しているのであり、ソ連時代からの共産党の主張そのものである。つまり自分の力で暗礁を埋め立てて人工島を造ったのだからそこを自分の土地と主張するのに問題はないというのである。その伝でいくと、日中中間線付近の中国ガス田施設は海底に固定しているのだから中国領土の一部と主張することも可能になる。ヘリコプターポッドも設けてあるそこを起点にして領域を拡大解釈し、琉球列島近くまでが自領だと主張しかねないのが、最近の中国の態度である。
 日本は今後、海軍力を強化しアメリカと連携して、そのような中国の主張を封じ込めないと、やがて琉球列島は中国のものになり、沖の鳥島をはじめとして太平洋の日本の島嶼も中国に奪われることになるであろう。安保法制制定をいかにも戦争を始めるための法制であるかのように宣伝した反対勢力のデモは、そのような中国に取り込まれてしまった人の反対論としか言えない。普天間基地問題も元鳩山由紀夫首相の態度のように、そのような要素がからんでいるのであろうが、起こっている状況の裏を読むことが必要だ。
 キャンプシュワープの前で10数人が現在も道路の一部を占拠して新基地建設反対を唱えているが、シュワープの中では沖合に滑走路を新設するための準備が始まっている。滑走路はシュワープの基地の一部として新設されるのであり、普天間の返還をめざしてシュワープを拡張利用するための工事をするにすぎない。沖縄人かもしれないが10数人の地元とは無関係の反対者のおかげで、地元民は迷惑している。名護市長は多くの賛成派の市長たちからは孤立している。米軍に沖縄本島から出て行ってほしいという願いを持っているウチナンチュは多いにしても、沖縄経済を直視している理性的な沖縄の人は、それだけでは沖縄は生きていけないことを知っている。琉球王国時代の沖縄は、古代から血縁上関係が深いヤマトンチュとの関係を保ちながら、中国やさらに南方とも交易をするために、明国や清国に貢物を捧げていた。その時代に中国からやって来た子孫の大田元知事や中国との関係を大切にしようとする現知事だけの言い分を聞いていると、沖縄は滅びてしまうだろう。沖縄左翼新聞の沖縄タイムスも、独善的な翁長知事を見放しつつあるようで、このところ論調が変わってきている。
  紛争はないに越したことはない。しかしそのような紛争反対、ひいては戦争反対論者は、隣近所や居住地での紛争で、相手が役所や学校など相手が強く出ることができない場合は強腰でも、暴力団が介入してきて脅しをかけると、腰を引いてしまう人であろう。平和主義、自分の身の保全主義、ひいては自己実現第一主義の人は、場合により相手の目的を見届け、先を読んで使い分けて行動する必要がある。相手に対抗できるよう自分の精神を鍛え、体を鍛えることも含めて。
 

転載元転載元: 軍事評論家熊谷直の社会評論

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本人追加 : その後、レーガンの日本海での訓練演習の報道があったが、安倍総理と韓・中のソウルでの三者会談も含めて、米国の無言の威圧が示されている。出動していれば、あらゆるシナ海の事態にもすぐに対応できる。

2015/11/3(火) 午後 4:26 [ kuh*c*i3*4 ]


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