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野田内閣が発足して識者からいろいろな評論が行われているが、消去法でいくとそれほど悪くない感じだ。菅内閣が愛想を尽かされていたからだろう。
このところ海外の日本政府に対する評価は低下する一方であった。一年おきに内閣が変わり、外交相手にすることに不安があったからであろう。特に普天間問題だけでなく安全保障についての政策が二転三転した鳩山内閣以来の評価は、アメリカにとっては最低であった。尖閣問題などで中国寄りの態度を示した菅内閣は、多くの日本人からは批判されたが、靖国問題を含んで菅首相がとった態度は、中国の国益にかなうものとして中国政権からは好意的に批評された。しかし外交は表向きの批評ではなく国益に沿うかどうかの内に秘められた価値で、歴史的に評価される。イギリスのチェンバレン首相がヒットラーへの融和政策をとったことがヒトラーをつけあがらせ第二次大戦のきっかけをつくったと、後に連合国側から批判されたのは当然であった。同じように鳩山内閣、菅内閣が中国への融和政策をとったことが、日本で、日本の国益にかなっていなかったと批判される可能性は高いと、私は考えている。
野田内閣は中国政府からは中国の国益に反する行動をとるだろうと、警戒されている。そのためか靖国神社には参拝しないと明言せざるを得なかった。アメリカも野田首相は菅首相よりはアメリカに融和的であり、鳩山、菅 時代よりはましだと思っているようだ。現場の日米軍人同士は、政権が変わったからといってこれまでの付き合いや軍事方針を大きく変えることはしていない。しかし長い間には、予算や外交の影響を受けて、日米の安全保障関係が疎遠になることも考えられる。軍備は何年もかけて整備されるものであり、政権が変わったからといってコロコロと方針が変わるようでは、戦力が低下する。昭和の戦前時代には、軍縮で戦力が低下したときに世界大恐慌が起こり、経済回復のための出口を求めて米英も日本も中国大陸に進出したことが、その後の大東亜戦争につながっていった。野田新首相には、日本の歴史を振り返ってみて、誤った道を進むことがないように熟慮断行されることを期待している。
付け加えておくと、中国は日本の保安庁の巡視船よりも大型の監視船を建造しつつあるという報道がある。空母や大型艦、巡航ミサイルを搭載したイージス艦や潜水艦の建造もしきりであり、海洋進出能力を高めている。尖閣諸島問題や東シナ海の資源問題は、軍事力を背景にした中国に押し切られることがないように、日本の力を蓄えておく政策を進めるように期待したい。
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