軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 普天間の返還移転問題で、沖縄県知事は左右の間に挟まれて苦しんでいるようだ。鳩山総理のときに基地返還の希望を現地左寄りの人々に持たせてしまったため、それまで直接関係がある現地の人々が移転先としてほぼ同意していた辺野古のキャンプシュワープへの移転が白紙に近い振り出しに戻ってしまった。左寄りの人々は、政府がここに新しい基地を造るかのような宣伝をしているが、現地に行くとすぐにわかるとおり、計画は、これまでのシュワーブ基地を海面に拡張して滑走路を造るだけの話である。反対派の稲嶺現市長が民主党政権の誕生で勢いづいてそれまでの賛成派の市長に代わって名護市長に選挙されたが、市役所がある名護市中心街は、キャンプシュワープから山越えしたところにあり、昔からの名護市民は、基地問題について発言権はないに等しい。観光と農業で生きている名護中心街から北寄りの人々は、理念的な基地反対派が比較的多いので、選挙のときはその時の風次第で右に振れたり左に振れたりしている。
 仲井真現知事は元通産省の役人であったので、基本的には政府寄りといえる部分がある。政府からの補助金や投資により県民の生活を向上させたいと考えて過去の政策を行ってきた傾向があるので、普天間移設問題が補助金の削減をもたらさないように、政府にくぎをさすのに躍起になっている。県民の多くも政府の補助金が削減される恐れについて、不況と観光の不振の折から危機感を持っているといえよう。そのためか現地では、一時もりあがった左翼系の基地反対運動に冷淡な空気が生まれてきているようだ。現地の人や最近現地を訪れた人からの情報に、そのような傾向を読み取ることができる。
 防衛大臣も野田首相もアメリカとの関係を考慮して、年内に、環境評価書といわれている辺野古の海への滑走路建設などが現地に与える影響を調査したものを、沖縄県知事に提出する決心をして、知事に直接、そのことを伝えた。この線で進めば、もともと実利にさとい沖縄の何割かの人は、右寄りに傾くであろう。それにしても民主党鳩山政権は、少なくとも3年間は普天間基地の辺野古キャンプシュワーブへの移転を遅らせ、中国に利益を与える一方で、アメリカとの関係を悪化させてしまった。沖縄の多くの人々からも、愛想を尽かされて政権を投げ出した鳩山元総理の責任は、戦前の近衛文麿総理が中国蒋介石政権の日本との関係をのっぴきならないものにして和解の道を閉ざし、さらに日本を米英との戦争に舵を切らせてしまったことと同じイメージ 1と言えるのではないか。野田総理は今後の日本の針路を誤りのないものに戻してほしい。(写真は滑走路予定地)
(注、この記事が、サイト訪問者累計1万人を超す記念すべき記事になった。時間ができたのでブログの設定の整備をしたためか、訪問者が急に増えてきている。訪問員数にはこだわらないが、今後も私の意見が、世論に反映されることを期待している。)

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