軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 米海兵隊の一部をオーストラリア北部に展開させることに、米豪政府が同意したという報道があった。日本では沖縄の海兵隊をオーストラリアに移動させるのではないかと賛否両方の立場からの憶測が出ているが、沖縄の海兵隊の展開とは無関係だと考えるべきであろう。
 アメリカはイラクに駐留している米軍を撤退させている最中である。議会は軍事予算の削減を要求している最中であり、撤退した軍隊を本国に移すと、なし崩しに海兵隊兵力が削減の対象になってしまう恐れがある。しかしアフリカや中東方面への海兵隊の突発的な派遣はこれからもありうる。軍としては極端な軍縮は避けたいし、世界情勢もそれを許さない。そこでアフリカや中東に近いオーストラリアにとりあえず、後退させるということであろう。オーストラリアなら位置的にみて危機に対応することも、砂漠や海がある地理的な関係から海兵隊の演習をすることもできる。
 海兵隊は特殊な部隊であり規模を縮小してしまうと簡単に復旧させることができない。連邦陸軍のほうは、いくらか削減しても州兵である程度補うことができるが、海兵隊や海軍戦力および空軍は、短期間に増員したり艦艇や航空機などの兵器を増強したりすることができないことが、軍縮の対象になりにくい要因になっている。。
 同じことで中国の脅威が増している今、海兵隊が沖縄から撤退することはあり得ない。すくなくとも突発的な危機対応が可能な部隊や補給施設は、どこへも移動しないだろう。垂直離着陸が可能な輸送・攻撃機オスプレイを海兵隊用に沖縄に配備する計画は前からささやかれているが、嘉手納基地も、発展しつつある中国海軍の艦隊を攻撃できるだけの空軍攻撃機部隊を配置する増強の方向に向かう可能性があることは、米大統領の談話などから読み取ることができる。沖縄は夢を見ることなく、少なくとも普天間基地の返還だけでも可能になる政策を考えるべきではないか。

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