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大震災の結果として原発廃止についての意見が強くなっている事は自然の成り行きであろう。しかし核燃料リサイクルのホープとして期待されていた福井県敦賀の実験炉「もんじゅ」の廃炉について細野担当大臣が発言し、政策仕分け委員会が廃炉とも思える方向に動き出そうとしていることについて、意見を述べておきたい。
高速コンピューター京(ケイ)が、「世界一にならなくてもよいではないか」という蓮舫仕分け人の発言で開発予算が削られ、関係者だけでなく科学者から大きな反発が出たことはついこの前のことであった。それでもつい先日、京が世界一になったと発表された。世界一という評価は、目先の実利だけではなく国民の能力についての世界の評価にもなる。たとえばノーベル賞受賞科学者が多いことは、世界に日本の力が認められることでもあり、間接的に車など技術力が関係する製品の輸出にも影響する。単なる目先の予算削減の問題ではない。
高速増殖炉「もんじゅ」は、この開発に成功すればやはり世界で初めてということになるのであり、エネルぎー対策としての面だけではなく日本の技術力を示し、世界のエネルギー対策にも役立つものになる。技術開発は継続と人、物、カネの投入で成功する。なにかあると、日本の研究予算が他国に比べて少ないために開発が遅れている事が指摘される。そのような少ない予算でやりくりして成果を得てきたのが日本の研究であった。それをさらに削減することは、日本の未来の可能性を奪うことになる。原子炉関係についても大地震後であるにかかわらず最近、ベトナムやアメリカからも注文があって、日本の技術や関係部品による原発建設が進められている。そのような進んだ技術を中断してしまうと、日本の技術の範囲を狭め、世界に貢献する度合いも小さくなる。輸出の機会も少なくなる。敗戦後に占領政策上開発を禁止された航空機やロケットは、日本が世界の水準に達していた技術であるが、10年の空白のためにいまだにアメリカに大きく立ち遅れている。その教訓を忘れてはなるまい。
予算関連の政策仕分けは慎重に進めなければならない。国民は一時的な感情で、原発に関係するものをすべて拒否するような雰囲気をつくるべきではあるまい。政党も選挙のことばかり考えて、大衆受けする政策だけを発信すべきではあるまい。国民の半数以上が消費税増税もやむを得ないと考えている状態を踏まえ、未来の日本のことや世界のことを考えて政策を組み立てるべきであろう。仕分けをすべきは真の無駄遣いであり、たとえば各地にできた多目的ホールのような箱モノを活用する施策を民間に任せたり、生活保護費の不正受給をなくしたり、医療費削減のために、無駄な投薬を減らすように健康保険の運用をすることなどである。このようなことを通じて、無用不急の利益を得ている既得権者を減少するような施策をすることは、選挙の票にもつながるであろう。そのような施策の多くは、一部の国民や天下り公務員や議員から反対されるかもしれないが、それでも実行せねばならないことだと思う。
災害復興に名を借りて、研究費のようなもともと多くないものの予算を削減したり、世界に例がない対GDP1パーセント枠の少ない防衛費を削ったりすることは避けるべきだろう。特に防衛費は、PKOの関係や中国の海洋進出への対応、原発のテロ警備などで増やすことは必要であっても削ることは限界にきている。
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2011年11月27日
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