軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 香港の跳ね上がり活動家が尖閣に上陸したことで高まった中国の反日デモは、少しずつ下火になってきているようだ。中国政府は共産党政権に向けられた国内問題を解決するためのいつもの手法として、国民の関心を対外問題に向けるため香港の活動家の行動を裏では支援していたようだが、そろそろ騒ぎを収めないと、デモが暴動になり、矛先が自分たちに向けられることを恐れて、取締りを始めたということであろう。これも定石どおりだ。
 中国の新疆ウィグル自治区で暴動が頻発するようになったのは15年前だが、その頃中国は南シナ海の島々の領有権を主張してベトナムやフィリピンと対立し始めている。当時の中国海軍はまだ、南沙諸島を占領する十分な実力をもっていなかったので、ベトナムやフィリピンも対抗できた。しかし今では中国海軍が、この方面の勢力圏拡大にほぼ成功し、国際的な非難を受けることを気にし始めた状況なので、共産党政府は三沙市という名の行政機構を発足させ、現状を固定化するための話し合いも始めている。
 15年前というと1990年のソ連崩壊を受けてロシア周辺の民族がロシア圏から離れて独立色を強めていた時代である。もともとシルクロードのオアシス国家であったウィグル族が住む地域は、その西のカザフスタンやキルギスなどの地域と血のつながりが深い。これらの国が独立しているのに、自分たちが中国政府の支配下に置かれているのは受け入れられないとする機運が生まれるのはとうぜんであろう。しかし新疆独立の運動は中国政府に力で抑え込まれた。言論統制も完全に行われていて、今では新疆の状況が報道されることはまれである。そこから生じるひずみを解消するために、領有権問題でベトナムなどと争い人々の不満解消につなげることをしているという見方をすることができる。もちろん人々の一番大きい不満は、中国国内の貧富の格差と権力者のきままな独裁にあることは、いうまでもない。
 同じように中国は、尖閣問題で日本と争うことで人々の目を外に向け始めた。前の江沢民国家主席の時代に愛国心教育を徹底して行なっていて、その影響を受けた年配者は、香港活動家の行動に拍手しているらしく、尖閣上陸者を歓迎したのはそのような人々であったといわれている。しかしIT時代になり、情報統制は中国でも難しくなってきている。日本で教育を受けた人も増えてきている。今のままの体制がいつまで続くかは保証できない。
 日本としては付け込まれる隙を見せずに、領有権問題では毅然とした外交態度を示すべきであろう。その意味では、東京都関係者の土地売買のための尖閣上陸を許可しない決定は、外務省内のこれまでの外交の延長線上にある意見と民主党内親中派の意見が強く表れた決定だと考えている。 石原都知事が、10月に自分が調査に行くといっているのは、韓国大統領の選挙や日本国内の党首交代、中国の権力者の交代、日本の衆院選挙など政治がらみのスケジュールをにらんでのことだろうが、あえて反対しない。(補追: 都の立ち入り申請文書に地権者の同意文書が抜け落ちていたので、政府は上陸立ち入りを不許可にしたというが、都の担当者と文書受付側が承知の上でそのような申請書を提出したのであろうか。石原知事はそのことを承知の上で、中国を牽制するためにそのような文書を提出させたのであろうか。いずれにしろ国内の政局がらみであろう。)

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