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7年前から定期的に行われている中露合同海軍演習が、4月22日に黄海の青島付近で始まった。27日までの予定である。中国側は青島に司令部を置く北海艦隊を主力とし、ロシア側はウラジオストックの太平洋艦隊に北極海から回航された少数の艦が編入されているものが参加しているらしい。演習項目には攻撃防御のほか、救難、補給や海賊対処まで含まれているようだ。水上艦艇が23隻、潜水艦が2隻、で航空機やヘリも参加している。
中国は尖閣諸島などで日本と対立し、南海でフィリピン、ベトナム、インドネシア、台湾とも対立している。どうみてもフィリピンのすぐ近くでフィリピンに領有権があると思われる黄岩島と呼ばれている島の領有権を主張するなど、目に余る行動をしているのが中国である。やはりフィリピン寄りに位置する南沙諸島第2の大きさの島にフィリピンが滑走路を建設し実効支配しているのにも抗議をしている。自分たちが岩礁の上に兵舎を建設して支配を始めたところがあることについては正当な権利だと主張し、東沙、中沙、南沙、西沙の岩礁や小島がすべて、中国のものだとする姿勢を示している。中国としては尖閣諸島よりも、資源量が豊富と見られているこの海域への関心が深いようであり、海南島の海軍基地に司令部がある南海艦隊を拡充し、航空機の管制圏も拡充して、南シナ海を完全に支配しようとしている。
その中国が警戒しているのが、日本とアメリカの海軍がフィリピンやベトナムを後押して中国海軍の行動に歯止めをかけようとすることである。それを避けるためには、中国海軍が沖縄の列島線を自由に通過してフィリピンや台湾の東側に出ることができる態勢を整えることである。ロシア海軍との今回の演習にも、その伏線が隠されているように思われる。ウラジオストックのロシア海軍が対馬海峡をとおりぬけて台湾の東で中国海軍と合流できれば、中国にとって強力な支援勢力になる。今のところウラジオストックの艦隊は、海上自衛隊の艦隊に対抗することは容易ではない主力艦10隻程度、潜水艦もそれ以下のものでしかないが、中国艦隊を補給の面で支援してくれれば中国にとってはありがたい。ロシア側も、その見返りとしての太平洋への自由通行への期待がある。
このようなこれから先の中露海軍の動向をにらみながら、沖縄の防衛態勢や米軍の日本への展開態勢について検討していくことが、日本政府に求められている。 (註: 抑止力とは何かという論説がNHKで流されていたが、彼我の戦闘能力や兵器の性能がほぼ同じ時は、ランカスターの定理などにより、相手のほぼ7割と証明されている。これは地理地形、環境条件、連合関係などによりある地域に集中できると見積もられた兵力を計算の基礎とする。私の見積もりでは、沖縄から米軍が撤退すると、現時点で危険な状態になる。)
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2012年04月24日
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