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オリンピックが終わった。日本選手は団体戦で協力して勝利を収めた場面が目立ったが、伝統的な日本人らしさが戻ってきたことをうれしく思う。経済不況や大震災の中で、人と人との関係が大切だということに人々が気付いたからであろうか。話し合い、助け合いの精神は、米作農業の伝統の中で生まれたといわれている。アメリカのように、広い土地で開拓しながら生きてきた国とは違う歴史が日本にはある。人と人の信頼関係で仕事をしているので、トップダウンとは違う話し合い、根回しの精神が政治にもある。そのような政治は決断が遅くなりがちであるが、皆が納得してから前に進むので、実行に入るとそれぞれの個人が持ち味を発揮して結果的にはうまくいく。野田首相が消費税をどうにか法律制定にこぎつけたのは、そのような日本人の性格を知っているからだろう。
ところで竹島問題で、日本と韓国の間がギクシャクして来た。尖閣問題でも共産中国、香港、台湾の跳ね上がり分子が、協力して島に旗を立てるとして漁船を出港させている。 台湾の人は、中華人民共和国の旗を立てるつもりなのだろうか。中国共産党政権が秋に決まる次期政権への平穏な権力移譲をするために、国民の目を外に向けるために行なっている工作の、ひとつの表れと見ることができる。竹島問題も、韓国で大統領選挙を有利に戦うために、現大統領が選挙戦の手段として現地視察を行なったことは明確だ。北方4島問題でロシア首相が現地訪問をしたのは、プーチン氏が大統領に復帰就任した後のことであり、ロシア国内の経済発展のためのひとつの手段として行われたことは確かだ。いずれにしても領土問題は解決が難しい。日本も対応措置を取らずに放置しておくと将来の国益を損なうので、みんな仲良くという態度で、子孫に付けを残すわけにはいかないだろう。主張すべきことは凛然とした態度で主張せねばならない。
特に尖閣や沖ノ鳥島などの無人島に上陸しようとする外国人を、積極的に逮捕できる体勢は整えておくべきだろう。海上保安官が領海内で発生した事件について、公海上で追跡逮捕できるにもかかわらず、上陸してから発見された不法侵入者を逮捕するためには警察との協議が必要ということになっている海上保安庁法の規定はナンセンスだろう。無人島に警察官はいないからだ。陸上でも、緊急追跡権だけでなく緊急逮捕権のようなものを認めるべきだろう。場合によっては、監視のための要員として自衛官を駐屯させることも考えられるが、現在の規定では防衛出動や治安出動などが発令されない限り、自衛官には一般の不法上陸者を取り締まる権限は与えられていない。これも問題だ。
日本的に話し合いで時間をかけて決めるのは悪いことではないが、政治的な妥協の結果、緊急関係法令に緊急時の配慮がない場合は、法が存在しても役に立たない。緊急時には新しく法律を作る暇がないからだ。現場で一定の権限を与えられて行動する公務員には、緊急時に公務員個別の判断で権限を行使できるように、制度を整え態勢をつくっておく必要がある。
(追記 8月16日に魚釣島に上陸した香港の活動家5人が、待ち構えていた石垣島の警察署の警察官に逮捕されたが、不法上陸以外の罪は問えないとして、取調べ後は香港に送還されることになっている。当面は外交的配慮からその程度の処置で済ますにしても、将来エスカレートする可能性があるので、日本政府はそのつど、情勢に応じて対応措置を検討すべきであろう。台湾政府は台湾からの漁船の出動を抑止したが、中国政府の公認の下に行動していると思われる香港からの漁船を、香港政府は阻止しなかった。南沙諸島海域では、中国軍が浅瀬に小屋掛けすることから始め、埋め立てをしてして島をつくり兵士を駐留させて、実効支配の既成事実をつくろうとしている。まもなく、改装全工事が終わり運用試験もしている中国の空母も、南沙・西沙諸島に姿を現そうとしている。そうなると、海軍といえるものがほとんどないフィリピンやベトナムは、独力でそれに対抗することはできなくなる。尖閣諸島のどこかでも、同じことが起こる可能性がある。 注 その後まもなく法改正があり、このようなケースでは海上保安官に逮捕権が与えられることになった。)
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2012年08月13日
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