軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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  アルジェリア人質事件は、テロ部隊をアルジェリア軍が武力で圧伏させて当面の状態を終結させたようだ。日本人技術者のなかから犠牲者がでたようだが、そのようにして危険地域からも燃料ガスや石油を輸入する権利を確保しないとやって行けないのが日本の経済・エネルギー状態だということを、日本国民は改めて認識したのではないか。原発をゼロにすることなど当面はできないということを、福島の原発事故の当時から主張してきた私にとっては、思いもよらない事態ではない。なお日揮を知る人は少ないと思うが、主として現地でプラントを建設するのが仕事である。
 アメリカは、国内でシェルガスを開発したためにエネルギー関連ではアラブ地域から手を引きつつあるが、日本はそうはいかない。テロ活動の危険性がある北アフリカや中東にエネルギーを求めて出て行かなければならない人々の苦労のおかげで、国内では、人々が一応安全でまずまずの生活を送ることができている。イスラエルに隣り合っているシリアでは自衛隊の約50人のPKO部隊が、国連停戦監視団の支援のため、輸送業務なと゜を担当して17年近く活動をしてきたが、内戦の危険が迫り近くに砲弾が飛んでくる状態になったので、他の国に先駆けて撤退することになった。自衛隊は一応は小火器を持っているが、日揮だけでなく中東の他の日本系企業は、武装している現地人を警備員として雇っている。それでも今回のような事態になると、対応の仕様がなくなる。日本人が企業活動を停止して、日本のエネルギー輸入に支障がでるようになると、日本の国内も安泰ではなくなってくる。このことを日本人はどう考えているのか。
 今回の事件はアルジェリア政府軍の強硬な態度により、テロ部隊を排除することができた。軍事的にみると施設を守ることができたのであるから、それで目的を達したことになるであろうが、安倍首相だけでなく日本人の多くは、人質に危害が加えられることを恐れていたと思われ、その意味では作戦を強行したことに問題があることになる。しかしアルジェリアなどアラブ各国は、キリスト教の欧米各国やユダヤ教のイスラエルと対立関係にある。キリスト教国にたいしては宗教的な意味だけではなく、植民地支配に対する恨みもある。そのため欧米人やそれに次ぐ立場にある日本人の、人命尊重の要求を、現地政府が重視することはしないということになるのであろう。日本人は安全な日本の国内から、現地情勢を考えずに軽々しく現地政府の判断の批判をすることはすべきではあるまい。
 なお軍事的に制圧の経過をみると、政府軍は、軍事的な立ち入り禁止地域に指定されていたこのプラント地域に比較的近いところにいた少数の機甲部隊をとりあえず出動させて、テロ部隊が隣国リビア方面やマリ方面に逃亡する退路を絶ち、そのあいだにやや遠方の国内北部からヘリコプター部隊を現地に移動させて、逃亡しようとしていたテロ部隊5台の車列を空から攻撃したということであったと推測する。これら兵器はソ連製である。残っていた少数のテロ集団は、夜間に移動してきた政府地上軍の歩兵により制圧されたものと思われる。テロ部隊の目的は、騒動を起こすことが第一であり、あわせて欧米人や日本人の人質から身代金を得て自分たちの活動資金にすることも含まれていたかもしれない。
 

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