軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 アルジェリア人質事件を機にして、アメリカ的に、安全保障の措置を即時にとることができる国家安全保障会議を設置しようとして、そのための法令を整備しようという意見がでてきている。しかし日本の政治家の腰が引けているかぎり、いくつ法律を制定しても、「仏つくって魂入れず」ということになるだろう。国家的な安全よりも党利党略のほうが大切という政治家の主張に従っていると、たとえば尖閣諸島に某国軍隊が上陸してきても、あるいは住民多数が住んでいる与那国島に上陸してきたとしても、自衛隊法に基づく防衛出動を発動することが、国会で否決される可能性がある。これまで、それ以前の段階の治安出動を必要とする騒乱事件が起きたときは、「国民に銃を向けるな」という表現で、出動が拒否されてきた。 昭和27年5月1日のメーデー行進で皇居前広場になだれこんだデモ隊と警官隊との流血衝突のとき、自衛隊の前身の警察予備隊もひそかに出動準備をしていた。しかし政治的見地から出動は見送られた。その後もこれが前例になり、安保騒動のときも自衛隊が出動することはなかった。
 憲法で、「そのような事態での反対議決はできない」とでもしていないかぎり、上に示した与那国島などの事例の場合も、「住民が人質になっているから、その生命を大切にして外交で解決すべきだ」という意見、あるいは、「戦争になるぐらいなら、ちいさな島の一つや二つにこだわらず、外交で」という意見が強くなる可能性さえあるのが、これまでの日本ではなかったか。過去にソ連や共産党支配の中国に裏で通じていた政党は、まちがいなくそのように主張してきた。そう主張(プロパガンダ)することが、争いを好まないで自分や家族だけを大切にする日本人の性格傾向に合い、その結果、政治家は党勢を拡張し、ひいては自分たちが利益を得ることになるからだ。無意味なうえに複雑になって、現場での運用が難しくなるだけのあたらしい法制定は無用である。
 現在すでに安全保障会議設置法が定められており、「国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処」を審議するようになっている。これを活用すれば、アルジェリア人質事件での、人質救出のために自衛隊輸送機を運行することはできたはずである。この法律の設置経緯からそのようなことはできないという解釈がでてくるかもしれないが、法律の解釈は時代とともに変遷するのが当然視されている。自衛隊法に自衛隊の行動として、「騒乱その他の緊急事態の際に在外邦人等の航空機による輸送」をする任務が示されており、その面からも法律を新しく制定する必要はない。どうしてもというのであれば、部分的な改正をするだけで対応できると思われる。外地での陸上輸送が必要ならそれを追加改正すればよかろう。要は内閣と政治家の腰と腹の据わり方の問題であろう。
 政治家は、党利党略ではなく、国家国民のために活動してもらいたい。世論がどうであろうと、果たさなければならない責任はきちんと果たしてもらいたい。その結果選挙で落選することになってもかまわないという強い決意をもって行動するのが、真の政治家ではないか。選挙対策のために右顧左眄する、見苦しい名ばかりの議員は、国会の椅子に座っていて欲しくない。

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