軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 衆議院の選挙結果が示しているだけでなく、民主党の参議院での優位も崩れつつあることが、補正予算の成立状態を見ているとわかる。数の優位が絶対だと思っている人は反省が必要だろう。選挙がそのときのムードで決まることは、過去の選挙を見てみると分かる。無党派層といわれる若い人たちが増えてきた今は、若くて世の中を知らず現在の政治への不満だけで判断するそのような人たちに、ジャーナリストがどう働きかけたかで決まる世論で、選挙結果が左右される。野田前民主党総裁はそのような世論を見極めずに解散総選挙に打って出たわけではあるまい。人柄から考えて、民主党政権発足時から続く民主党内の対立内紛を治めきれなくなり、政治的に行き詰ったので、国家国民のことを考えて国政をまともにするためには、民主党敗北もやむをえないと考えて解散総選挙を決心したのではないかと思っている。本人は政治家としてそのような決心の筋道を口にすることはしないであろうし、選挙の結果、自民党が政権に復帰しても、世界情勢が変わらない限り自民党も行き詰ると思っていたのではないか。
 日本のネット上で政治的世論らしきものを見ると、子供世代のための原発反対、農民のためのTPP参加反対のような下からの目線のものや尖閣問題を発端にした感情的な中国批判のようなものが目立つが、多くの人の書き込みは、平凡な身の回りの幸せを基にしたものや生活や趣味の関係の話題提供が多い。そのため一時的な感情で津波被災者に義捐金を贈ったり、被災地で後片付けを手伝ったりすることはあっても、ていどが低い放射能廃棄物を自分の住む地域に受け入れるといったことには、理屈はどうあれ反対ということになってしまう。多くの人はそのような感情に支配されている人たちであり、そのような人たちに選挙を頼っている政治家の多くも、合理性よりも住民の感情と地域の利益によって行動する。
 しかし政府の国家施策は国家国民全体のためのバランスが取れた施策であることが必要であり、感情に流されたものであるべきではあるまい。どこがバランス点であるかは、そのときの日本の状態を基礎にした議論の結果決まる。その議論の裏づけは学者や官僚が組織的にまとめた現状についてのデータや分析論議に頼ることになる。それが民主主義というものであろう。
 それなしに感覚的に、地震で被害を受けたから原発反対とか、日本の農産物生産が被害を受けることは明らかだからTPP反対というていどの理由で施策行動を妨げるのは好ましくない。ただ官庁はこれまで、天下り先の確保行動のように官僚自身の利益のために動いてきた一面をもっていることは否定できない。かれらが国家国民のためという意識を刷り込まれる可能性がある若い時代の研鑽はないに等しく、政治家の多くも、自分の立身のために選挙を戦ってきていて、それと似たところがある。このことは会社に忠誠心を持たなくなった企業勤務の若い人にも共通すると感じている。行き着くところは、過去の占領時代に形成されたマルクス主義に根がある自己中心の教育ではないかとも思っている。現在の教育界も歴史的に形成された教育思想の範疇で動いており、たとえば私が専門としている軍隊の専門家養成教育のような思想は、頑として受け付けない。私は努力してそのような教育についても本を書いてきたが、異質のものから新しい思想を形成してみようという積極性がないのが、日本の教育界だと思っている。
 政治家が日の丸、君が代の教育や修身教育の大切さを主張しても、実行は形だけにとどまっている。もっとも国旗・国歌を大切にするのはアメリカから入った習慣であり、まとまりがない国民を和合させるためのものであった歴史を考えてみる必要はあろう。革命的な発足の経緯をもっているフランスや中国でも、革命の団結の象徴として国旗・国歌が大切にされているが、日本には武家の家紋や菩提寺の宗派独特の声明(しょうみょう)などが大切にされた歴史しかない。日の丸は船旗として幕末に幕府や薩摩が西洋式の船に掲げたものに起源がある。イギリスの国旗・国歌も元は軍艦旗が王室海軍所属を示すものであったように、武士の家紋的なものから起こっている。日本の政治家も教師もそのような歴史を認識した上で国旗・国歌を論ずべきであったが、戦前の短い期間の状態だけが全てだと勘違いして、精神の教育の観点からは悪い結果をもたらした。
 人々の心理を読み歴史を知ってことを論ずることは大切だ。それなしに目の前の現象と自分の感情・損得だけで政策が決定されてはたまらない。民主主義は幅広い観点から事象を分析し、合理的に判断し、施策を決定して国歌国民のためにバランスがとれたものとして実行されるべきであろう。
 
 
 

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