軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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  福島の原発事故のとき、現地の吉田第1原発所長の発言と東電本社役員や菅総理の主張に違いがあることが、調査委員会の調査で明らかになっていて問題になっている。特に所長が、「現地の勤務者を一部を残して避難させると発言し、部下に命じたのかどうか、完全に現地から撤退させる決心をしたのかどうか」が大きな問題になっているが、報道されているものを見る限りでは、どちらが正しいのかよく分からない。
 軍人的な感覚で言うと、菅総理は特攻作戦も辞さないといった感じの姿勢をとっていたように思われる。その雰囲気を作り上げるために、作戦要務令などにある指揮官の心得のように、先の見通しがないにもかかわらず、また現在国家としては何が大切なのかという確信なしに、陣頭指揮をしようとしたとも思われてくる。
 しかし所長は、もう少し冷静に、とにかく燃料のメルトダウンのような絶対的な危機状態を招かないように、一方で部下たちの生命にも配慮しながら最小限の必要な処置を取ろうとしていたと思われる面が見えてくる。東電の本社の責任者たちは、政府や総理など上の意向ばかりを気にして動いていたように思われ、平時からそのように動くことが習慣になっている多くの官僚の考え方と同じように判断をし、真に必要な対策が何かを考えることはしていなかったというよりは、分からなかったのではないか。みなバラバラに動いているのでは、現在必要とされているの真の対処法は分からない。そのような組織や手順が平時から確立していなかったことが問題であろう。
 戦争中の特攻作戦は上官が命令したのであり自分の意志ではなかったとか、志願をしないものは卑怯者と周囲から指弾されるのが嫌さに、手を挙げるものも多かったと戦後の回想にあるが、どちらの見方も、いかにも日本人的である。総理も気にしていたのは選挙人の目ではなかったか。自発性に乏しい。総理に限らず官僚も社長も責任ある地位についているものは、平時から危急の場合の対策について研究し、どうすれば国民の被害を最小限に食い止めることができるのか、現在とりうる手段は何か、それで失敗したときは腹を切れば済むのかといった危機管理の意識を持って行動できるように、平時から準備をし心構えを作っていることが大切であろう。今のままの組織やメンバーとリーダーの心得と決心が大組織や国家を動かしているのであれば、安全保障政策はどうなるのであろうか。特攻作戦を非難してきた戦後の人々の心構えは、戦中から一向に変化していないし、いざとなると自分の利己心だけで動くのではないか。周囲の人の目だけを気にしたり組織の利益や家族の利益だけを気にして動いている人も同じである。
 

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