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朝日新聞が従軍慰安婦問題の過去の記事を撤回したと報道されている。中心になるのは、吉田清治の誤った証言により、朝鮮で強制連行が行われたということを事実として報道したことについての撤回であり、朝日が慰安婦問題の発信源になったことの取り消しまたは謝罪ではないらしい。当時そのような研究者は少なく、事実は分からなかったと言っているが、慰安婦問題の誤りを報道直後から疑問を持ったり否定していた人は学者の中にも多かった。しかし朝日から見ると右寄りに見える公正な学者の言は、取り上げる価値がないと判断したということであろう。私も照会を受けて否定発言をした一人だが、防衛研究所の保管資料を調査し、戦地で兵士の間の性病の蔓延を防ぐために、出入り業者に働きかけて軍医に婦人たちの検診をさせたことがあったことまでは否定していない。軍としては、兵士が強姦の犯罪を起こしたり、性病で戦力を失ったりすることが怖かったからであり、その程度の関与は、現在、厚生労働省の関係の保健所などが、風俗営業の関係者を取り締まっているのと同じで、当然というべきであろう。
読売がこのような戦争関連問題の編集方針を、社会が反戦平和の風潮改めてきていらい、それに従うように改めてきたので読者を増やしてきており、朝日は、朝日の読者がそちらに移り減ってきたことへの対策として今回の撤回をしたのではないかと、私は勘ぐっている。もともと知識人が多く朝日をとっていた自宅の周辺で、読売に切り替えた人が多いのは、配達のバイクの音を聞いていると分かる。しかし読売に限らず経済関係紙は問題を比較的正面から受け止めて事実の追求をしてきているので、大企業サラリーマンの読者がそちらに流れた面も大きいのではないか。世界の紛争は経済に反映されるので、経済関係紙は戦争や紛争の事実と正面から向かい合おうとするからだ。
このようなジャーナリズム傾向は、慰安婦問題だけではない。靖国問題など中国が外交政策上の主張としてとりあげている問題について中国寄りの主張をする新聞や放送は、日本国民から嫌われ始めているし、教育の現場でも戦後から続いてきた左傾化した教師に支配されている日教組に加入しない教師が増えてきた統計に現れている。
しかしそれとは別に、新聞や放送の関係者が、売らんかなの姿勢で週刊誌的な記事や放送を重視する傾向が強くなっていることが、最近の問題として浮かび上がっている。小保方博士のSTAP細胞の問題は、学会がジャーナリズムに巻き込まれたか逆に学問の世界の対立を関係者が記者たちに売り込んだのではないかという現象がみられる。結果として理化学研究所の副センター長であった笹井氏を、自殺に追い込んでしまった。自殺の責任の半分は、ジャーナリズムにあるといえよう。しつこく追い回して小保方博士を怪我させた記者の、背後にあるNHKや新聞その他のメディアの責任は、いうまでもない。
記者たちやメディアの責任者たちが報道の節度をわきまえていたら、このようないろいろな問題は起こらなかっただろう。また中国、韓国、北朝鮮との外交交渉の問題とこれに密接に関係する安全保障関係の問題について、国益よりも記者個人の名誉心や対抗心、会社の利益で報道がなされると、日本国民の立場を悪くする。朝日の従軍慰安婦の誤報は、誤報で片づけてすむ問題ではあるまい。
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