軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 新聞にも報道されている日韓関係の日韓共同世論調査に応じた。日韓それぞれ約1000名の識者の反応として発表された結果を見てみると、日韓関係は昨年よりもいくらか改善されてきているということになっている。ただ韓国側が、たとえば竹島問題などで日本が40パーセント台の良い方向の賛意を示しているときに韓国側は10パーセント台という根本的な意識の違いからくる程度の差が大きく縮んだわけではない。日韓ともに、今後数十年は相互の現感情はそのまま続くという人が40パーセント台であるのもうなずける。日本が明治期に朝鮮半島を支配する政策をとったのは、否定しようがないからだ。日本としては当時の世界情勢からみて、朝鮮で侵略的に行動しないと日本がロシアなどの大国に飲み込まれるので、やむを得なかったといえるにしても、李朝の支配者の流れを引くインテリたちが多い彼らが、民族意識を払しょくして日本の行動を認めるのは難しかろう。
 姜在彦という在日関係で昔日本の大学教授をした人が書いた『日本による朝鮮支配の40年』という古い本を繙いてみると、朝鮮半島全域が中国に支配されたことは一度もないと強調している。しかし日本的な感覚でいうと、李王朝などが中国皇帝に貢物を捧げていた時期が長かったことは、事実ではないとは言えない。
 現共産中国政権は、琉球王国が明国や清国に二年に一度の貢物を捧げ、見返りにそれ以上の品物を貿易的に毎年のように琉球に持ち帰っていたことに触れて、これを、琉球が中国に服属していたからだと強弁している。その結論として琉球はもともと中国のものであり、尖閣諸島などが日本のものであるはずがないと主張している。しかし他方で琉球が薩摩に服属していたのも事実である。中国皇帝の代替わりの時に、何十年かに一度だけ中国使節の中国船が琉球を訪問するのと、薩摩の武士がずっと那覇に駐在していた薩摩と琉球の関係を比べてみると、琉球は薩摩、ひいては江戸幕府との関係のほうが中国との関係よりもはるかに密接であった。
 朝鮮半島と中国の支配被支配の関係は、陸続きであるだけに琉球と明国や清国との関係よりももっと密接であったといえよう。それに清国はもともと満州族という朝鮮族と一衣帯水の地に住んでいた人々に起源がある政権であって、漢族が多い共産中国の政権とは別ものであった。それゆえに漢族に支配されたことはないと主張するのなら、それはそれで受け入れることができる。しかし清国時代の朝鮮李王朝が、清国皇帝に服属していたのは、漢族に服属していたのではないからという理由で朝鮮半島が一度も外国政権に支配されたことがないと主張するのであれば、これには無理がある。民族主義に凝り固まってしまうと、話が難しくなってしまうのである。
 日本人も決して単一民族ではない。 北海道アイヌは別にしても奥州は縄文人の血が濃い所のようであるし、青森人は遺伝的には琉球人のほうに近いらしい。京都から西の人々には朝鮮系の弥生人の血が濃く混ざっているらしい。出雲大社に関係する人々や金沢や諏訪大社系の信濃の人は早い時期に朝鮮半島から渡来した人の血が濃いようだし、石器時代から縄文時代以後に、北から南から日本列島に入り込んだ人が複雑に混血しているのが今の日本人といえよう。最近はこれに、欧米人の血も入り始めている。
 民族主義は時空を超えた次元では、意味がない。ヘイトスピーチなどは論外だし、宇宙人とも交流せねばならなくなるこれからは、極端な民族主義は人類の破滅につながるといえるのではないか。日本人も朝鮮人も中国人も民族だけでなく、個人の利害を強く気にする生活から抜け出すことが、将来のために大切になりつつある。

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