軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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 イギリスのEU離脱の国民投票がキャメロン首相の思惑通りに運ばず、世界の混乱の原因になっている。イギリス人の身勝手さがこれまで、常に世界に混乱と戦争をもたらせてきたが、今回もこれが同じような結末になることを恐れている。
 産業革命後に国内の森林を切って大船を建造し、その船で交易先を求めてインド、さらには中国にまで勢力圏を拡大したイギリスは、緑がなくなって荒廃した国内を立て直すために、ヨーロッパの大陸内でもインドにいたるルートを伸ばし始めた。イギリスで放牧地が増え、木材がなくなったためにインドで行われていた煉瓦造りの家が多くみられるようになったのはそのためであろう。結果として鉄道を利用して陸地の輸送路を確保するためにイギリスは、中近東に進出した。海路だけでなく陸路からもインドと結ばれるルートを確保する意図があったからである。こうしてインドだけでなく中近東も彼らの欲望の犠牲になった。真っ先に狙われた中近東の土地が、トルコが支配していた地域である。第一次世界大戦はイギリスがトルコ支配地域を奪い取るための戦争であった。アラビアのロレンスの活躍はその戦争の中で行われたものである。イギリス政府の方針に従ってロレンスは、アラブ人をトルコ支配地で反トルコ行動をさせ、イギリスが中近東の支配地域を広げるのに貢献した。その戦いの最中に、戦場で兵器の燃料として中東の石油が役立つことが認識され、ロレンスの活躍でイギリスの勢力圏に入ったイラン・イラク・サウジアラビアなどが石油の産地としてイギリスにとって大切な土地になった。
 一方でイギリスは、戦争の費用をヨーロッパやアメリカの金融界を支配しているユダヤ人たちに提供させようとした。そのために将来、イスラエルという土地を彼らに与えるからという約束をして、戦争費を提供させるのに成功した。この約束のためにイスラエルという国が誕生し、裏腹にその土地に長い間暮らしてきたアラブ人が住処を失ったのであり、中東の戦乱の原因を作ったのはイギリスだといって差し支えない。イギリス人は第一次世界大戦にアメリカも引き込んでいて、のちに日本の占領軍総司令官になったマッカーサー元帥は、このときに旅団長として参戦している。そのような過去があったためにイギリスは、ドイツと第二次世界大戦を始めたとき、アメリカを参戦させようと策を練った。ドイツの潜水艦による無差別攻撃をやめさせるという名目でアメリカから駆逐艦を提供してもらうなど、少しずつアメリカを参戦の方向に引きずって行った。
 フィリピンやグァムを支配していたアメリカは、太平洋で力をつけてきた日本海軍を敵視していた。一方イギリスはインドやシンガポールを軍事的な拠点にして日本と対立していた。当時中国大陸で蒋介石軍と戦っていた日本軍を追い出すことができれば、これに越したことはない。イギリスのチャーチル首相はアメリカのルーズベルト大統領をたきつけて、裏で空軍の義勇兵を中国に送り込み、さらに政策的に日本を経済封鎖させるのに成功した。石油を輸入できなくなった日本は、追い詰められて米英に大東亜戦争を仕掛けたのである。
 第一次世界大戦のときイギリスは、日本に対しても参戦要求をしている。日英同盟を盾にして青島のドイツ軍基地を日本軍主力で攻撃占領させ、また地中海での駆逐艦による英輸送船団の護衛も実施させた。大戦末期のシベリア出兵も、ロシア革命の影響がヨーロッパでの戦闘に影響しないように日本に出兵を要求した結果、実現したのである。
 第二次世界大戦前にドイツのナチスが勢力を伸ばし始めたとき、外交的にこれを抑え込むのに失敗したのは、イギリスのチェンバレンであった。自国に影響が及ばないように一時的な融和政策をとったのである。
 このようにイギリスは、常に自国のことだけを考えて行動するのが習性になっている。今回のEUからの離脱の結果についても同じであり、キャメロン首相の身勝手な判断で国民投票に持ち込んだのが原因になっている。これで世界経済は戦争と同じように混乱し、当分その状態が続くであろう。日本は過去の経験を活かして、アジアの国民と連携し、中国やアメリカ、イギリスとも一線を画した外交政策をとっていくより方法がなかろう。アメリカ大統領が共和党のトランプになったとしたら日本の困難は加速されるだろうが、民主党のクリントンになってもやはり問題が残る。歴史をみると女性のトップは戦争という選択をとりやすい。平和の使者のように思われていたインドのネルーもパキスタンとの対立を深めた。イギリスのサッチャーもフォークランド領有権問題でアルゼンチンと戦った。世界では女性政治家が頭角を現しつつある。
 問題はイギリス関係だけではない。イメージイメージ中国という共産党政権の存在が、世界の問題をより複雑にしつつある。ロシアも実際はソ連時代と変わっていないし、アフリカの独裁政府も厄介の種をまき散らしている。その中で日本は、沖縄の一部の人たちのように被害者意識だけを強調する人とも付き合っていかなければならない。相手がどのように出てくるのか、見極めが必要であろう。なお中国が大東島付近にまで調査船を派遣している状況を見ていると、太平洋西半分をわがものにしようとしているのは明らかであり、外交の世界では言うべきことはきちんと主張し、場合によっては力を行使しないと、日本という存在が消えてなくなる恐れがあることは、今回のイギリスの事態にも鑑み肝に銘じておきたい。

転載元転載元: 軍事評論家熊谷直の社会評論

 イギリスのEU離脱の国民投票がキャメロン首相の思惑通りに運ばず、世界の混乱の原因になっている。イギリス人の身勝手さがこれまで、常に世界に混乱と戦争をもたらせてきたが、今回もこれが同じような結末になることを恐れている。
 産業革命後に国内の森林を切って大船を建造し、その船で交易先を求めてインド、さらには中国にまで勢力圏を拡大したイギリスは、緑がなくなって荒廃した国内を立て直すために、ヨーロッパの大陸内でもインドにいたるルートを伸ばし始めた。イギリスで放牧地が増え、木材がなくなったためにインドで行われていた煉瓦造りの家が多くみられるようになったのはそのためであろう。結果として鉄道を利用して陸地の輸送路を確保するためにイギリスは、中近東に進出した。海路だけでなく陸路からもインドと結ばれるルートを確保する意図があったからである。こうしてインドだけでなく中近東も彼らの欲望の犠牲になった。真っ先に狙われた中近東の土地が、トルコが支配していた地域である。第一次世界大戦はイギリスがトルコ支配地域を奪い取るための戦争であった。アラビアのロレンスの活躍はその戦争の中で行われたものである。イギリス政府の方針に従ってロレンスは、アラブ人をトルコ支配地で反トルコ行動をさせ、イギリスが中近東の支配地域を広げるのに貢献した。その戦いの最中に、戦場で兵器の燃料として中東の石油が役立つことが認識され、ロレンスの活躍でイギリスの勢力圏に入ったイラン・イラク・サウジアラビアなどが石油の産地としてイギリスにとって大切な土地になった。
 一方でイギリスは、戦争の費用をヨーロッパやアメリカの金融界を支配しているユダヤ人たちに提供させようとした。そのために将来、イスラエルという土地を彼らに与えるからという約束をして、戦争費を提供させるのに成功した。この約束のためにイスラエルという国が誕生し、裏腹にその土地に長い間暮らしてきたアラブ人が住処を失ったのであり、中東の戦乱の原因を作ったのはイギリスだといって差し支えない。イギリス人は第一次世界大戦にアメリカも引き込んでいて、のちに日本の占領軍総司令官になったマッカーサー元帥は、このときに旅団長として参戦している。そのような過去があったためにイギリスは、ドイツと第二次世界大戦を始めたとき、アメリカを参戦させようと策を練った。ドイツの潜水艦による無差別攻撃をやめさせるという名目でアメリカから駆逐艦を提供してもらうなど、少しずつアメリカを参戦の方向に引きずって行った。
 フィリピンやグァムを支配していたアメリカは、太平洋で力をつけてきた日本海軍を敵視していた。一方イギリスはインドやシンガポールを軍事的な拠点にして日本と対立していた。当時中国大陸で蒋介石軍と戦っていた日本軍を追い出すことができれば、これに越したことはない。イギリスのチャーチル首相はアメリカのルーズベルト大統領をたきつけて、裏で空軍の義勇兵を中国に送り込み、さらに政策的に日本を経済封鎖させるのに成功した。石油を輸入できなくなった日本は、追い詰められて米英に大東亜戦争を仕掛けたのである。
 第一次世界大戦のときイギリスは、日本に対しても参戦要求をしている。日英同盟を盾にして青島のドイツ軍基地を日本軍主力で攻撃占領させ、また地中海での駆逐艦による英輸送船団の護衛も実施させた。大戦末期のシベリア出兵も、ロシア革命の影響がヨーロッパでの戦闘に影響しないように日本に出兵を要求した結果、実現したのである。
 第二次世界大戦前にドイツのナチスが勢力を伸ばし始めたとき、外交的にこれを抑え込むのに失敗したのは、イギリスのチェンバレンであった。自国に影響が及ばないように一時的な融和政策をとったのである。
 このようにイギリスは、常に自国のことだけを考えて行動するのが習性になっている。今回のEUからの離脱の結果についても同じであり、キャメロン首相の身勝手な判断で国民投票に持ち込んだのが原因になっている。これで世界経済は戦争と同じように混乱し、当分その状態が続くであろう。日本は過去の経験を活かして、アジアの国民と連携し、中国やアメリカ、イギリスとも一線を画した外交政策をとっていくより方法がなかろう。アメリカ大統領が共和党のトランプになったとしたら日本の困難は加速されるだろうが、民主党のクリントンになってもやはり問題が残る。歴史をみると女性のトップは戦争という選択をとりやすい。平和の使者のように思われていたインドのネルーもパキスタンとの対立を深めた。イギリスのサッチャーもフォークランド領有権問題でアルゼンチンと戦った。世界では女性政治家が頭角を現しつつある。
 問題はイギリス関係だけではない。イメージ 1イメージ 2中国という共産党政権の存在が、世界の問題をより複雑にしつつある。ロシアも実際はソ連時代と変わっていないし、アフリカの独裁政府も厄介の種をまき散らしている。その中で日本は、沖縄の一部の人たちのように被害者意識だけを強調する人とも付き合っていかなければならない。相手がどのように出てくるのか、見極めが必要であろう。なお中国が大東島付近にまで調査船を派遣している状況を見ていると、太平洋西半分をわがものにしようとしているのは明らかであり、外交の世界では言うべきことはきちんと主張し、場合によっては力を行使しないと、日本という存在が消えてなくなる恐れがあることは、今回のイギリスの事態にも鑑み肝に銘じておきたい。

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