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北朝鮮の核開発成功の発表と各国の調査結果によって、日本が核ミサイルによる攻撃を受ける危険性が目の前に迫っているのは疑いがないにもかかわらず、多くの日本人は現在の自分の生活だけを見ている。日本が原爆を投下されてから71年になるが、その間に再び外国から武力による攻撃を受けなかったのは平和憲法があったおかげだと信じ切っているお人よしが多いのはなぜだろう。自分が攻撃行動をしない限り他の国の人々が攻めてくることはないという説が誤りであることは、世界の情勢を見ていると当然だといえるが、かつての敵であった連合国を代表するアメリカのマッカーサーの日本占領軍の占領政策により、陸軍を中心とするかつての日本の指導部が誤った政策により日本を対米英戦争に引きずり込んだと思い込まされたお人よしの日本の大衆は、いまだにそのくびきから抜け出せずにいる。戦後の占領軍による政策によりそのような洗脳教育を受けた私は、この占領政策により周囲の人々が、それまでとは180度違う態度を取り始めたのを観察し、お人よしというよりは、自分さえよければという自己中心で考えがない衆愚の集まりだと思っていた。
そのような人たちは戦争中は声高に戦争遂行のための国民の協力を叫び、隣組(町内会や今の自治会で強制加入)の有力者として行動する一方で、裏ではうまい汁をすすっていた。もちろんそうではなく、心底から日本のためにと思い心身をなげうって行動した人もいたが、そのような人は戦後の占領政策のなかで冷や飯を食わせられることになった。当時の学校の先生の態度を見ていて、そのことがよくわかった。
帝大を出て軍の技術将校になり、戦後には中学校や高等学校の臨時の教員として教壇に立っていた専門の能力が高い先生たちは、たまたま教員養成学部を卒業して正規の教員として教壇に立ちながら労働組合の運動に走っている先生たちの下風に立たされていた。ただなかには戦前に武道専門学校を卒業して体育の先生に衣替えした先生で、体育の授業をすることができないままに、生徒にその時間は自習をさせた人もいたが、さすがに生徒はその本質を見抜いていた。そのような混乱期の教育を受けた私の世代の人たちはその後、ものを考えない問題児たちが平和憲法絶対の衣を引きずって安保反対の運動などの実力行使に走り、学園紛争を引き起こして東大の入試を中止させ、その影響で一生を棒に振った人もいた。そのような騒動に加わった人で、青春時代の思い出として定年後の今になってそのことを誇らしげに語る人がいるが、そのような人は結局、自分中心の一生を送ってきたといえるのではないか。
私自身は戦病死扱いになっている父を小学校5年のときに失い、母のその後の苦労のせいもあって学費無用の防衛大を進学先に選んだ。もちろん安保反対運動などに走ったどちらかというと恵まれていた同級生などの、行動に反発していたせいでもある。かれらは、当時は進学先としては一番高く評価されていた帝大系工学部に入ることをせず防衛大を選んだ私を批判していたが、私自身は自衛官としてのその後の一生を悔やむことはなかった。ただ自衛官としての出世という自己中心的に行動していれば、結果はもう少し変わったものになったであろうと思うことはある。
当時、防大に進学することは人生の賭けであった。大江健三郎と高校同級生であった防大級友の一人が彼を文弱と批判していたが、大江は恵まれた学生時代を送ることができた一人であったといえそうである。安保騒動の中で亡くなった樺美智子なども学者一家の恵まれた境遇にいたので、無思慮に安保運動に加わったといえるのではないか。防大入学者は経済的には恵まれないものが多かったが、たまたま滑り止めで合格したので入学したというものも多かった。それでも入学後の教育によって民主主義のもとでの国防という意識を刷り込まれたので、そのような人物集団によって、いわゆる平和憲法のもとでの安全保障組織の運用がどうにか行われてきたといえよう。
ただそのような組織はあくまで米軍の統制のもとにおかれてきたのであり、日本人自身のための組織とは言い難い面を持っているのは確かである。海自は日本周辺の対中国組織として米艦隊の対潜水艦作戦を補強し、空自は対共産圏(ロシアを含む)の米海空軍の行動を支援するために、日本に所在する基地を守る役割を担っている。特に沖縄の基地の機能が失われることがないようにすることが重要であり、それが失われるときは琉球列島が共産中国の手に落ちたときであろう。そのようなことを無視して本土から来た左翼系の勢力に沖縄統治の能力を渡してしまうことが、日本の滅亡につながることはこれまでも何度も述べてきた。
日本がアメリカの占領体制から完全に抜け出すことは、現状では無理である。安倍政権の政策に全面的に賛同しているわけではないが、安倍総理は可能な範囲で頑張っているというのが私の感想である。外交面、安保面、経済面と東奔西走しながら行動している。もともと健康上の問題がある私が彼の年齢であったとしても、到底真似することはできないといつも感心している。日本人は日本が置かれている現状をしっかり認識して、日本をロシアを含む共産圏に売り渡すことがないよう行動してほしい。それが自衛官や軍事評論家としてこれまで努力してきた老い先短い私の願いである。(左図は演習地鬼怒川)
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