軍事評論家熊谷直の社会評論

アジアを中心にした社会・軍事の情勢やニュースの分析

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軍事評論家熊谷直の社会評論 できるだけ軍事的な観点を含ませながら、アジアの各国および日本で起こっている社会の状況について分析評論する。
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  昨日は大東亜戦争の名のもとに、日本が米英との戦争を布告した日であった。昭和16年(1941年)というはるか昔のことであり、若い人にとっては私の日露戦争に対する感じ方と同じ程度の戦争であろう。そのせいか、雑誌やテレビでもこの戦争を取り上げることが少なくなった。また大東亜戦争ではなく太平洋戦争が正しいと思っている人が、若い人のほとんどであろう。アメリカにとっては欧州に対する太平洋地域での戦争であったが、日本にとっては、名目的には、日本がアジアの人々を西洋の植民地支配から解放するという正義のための戦争であった。しかし日本が戦争に負けたために、そのような日本の名目名分はしりぞけられ、正義は日独の侵略戦争を排除するための米英を中心にする国際連合軍の側にあるとされた。日本の行動はすべて侵略と決めつけられたのである。そのために連合軍による戦争の責任者探しが行われ、東条英機陸軍大将以下の7人の絞首刑で決着したが、もし日独が戦勝国になっていたら、アメリカのルーズベルト大統領もイギリスのチャーチル首相もソ連のスターリン首相も皆死刑になったであろう。戦争の原因の半分は、経済侵略や植民地支配を継続しようとしていたこれらのヨーロッパの国々にあったことは、歴史家なら肯定できることだからである。
 日本がそのような行動に走った遠因は、米海軍のペリー提督が自国の捕鯨や通商のために日本を開国させたことにある。その後ロシアが中国に進出し朝鮮半島にも手だしをしたので、日本は自衛的に日露戦争に踏み切らざるを得なかった。領土侵略や経済進出をしていた西欧諸国やアメリカも代理戦争的にロシアとたたかう日本を応援した。しかしそのようにヨーロッパ各国の侵略の対象になっていた中国国内では内乱がおこり、孫文などが日本の力に頼ろうとした。孫文の後継者の蒋介石は日本陸軍に留学した関係もあり、日本を味方に引き入れてソ連の影響を食い止めようとした。日本は日本の経済的な利益のため日露戦勝利後の満州に進出したが、それだけにとどまらず、中国本土に進出したために蒋介石軍とも闘うことになったのである。その間に毛沢東などの共産党軍が力をつけ蒋介石軍を台湾に駆逐した。日本はそのような世界の闘争の中で、中国の騒乱にも巻き込まれたといえよう。
 これは歴史の流れの中で起こったことであり、かりに明治維新後の日本が島国に籠っていたとしても、外に出ないと、朝鮮半島を侵略したソ連が対馬から九州に進出してきたことは間違いない。日本の敗戦時には、ロシアは日本人が進出していた樺太と千島にも進出し、日本敗戦の昭和20年にはこれら全域を占領しただけでなく、北海道の半分をよこせと、アメリカと交渉していたのである。幕末の対馬にも上陸していたのであり、幕府はイギリスの力を借りてロシア軍を退去させている。それが世界の力による支配の現実であり、戦後、アメリカが沖縄を支配していなかったら、ここが中国のものになったであろうことは間違いない。今ごろは嘉手納あたりに中国の飛行機が飛びかい、沖縄知事は中国に朝貢をすることになっていたかもしれない。列島に籠っていた日本は領土を侵略される一方になっていたであろう。
 口先だけの平和主義に騙されてはならない。東洋に進出した中世以後のヨーロッパは、まずキリスト教の布教から始めている。心の平安を宗教に求めるという美名のもとに。それを拒んだ徳川家康は偉かった。しかし産業革命で力をつけたヨーロッパの進出を食い止めることができなくなった幕末に、幕府の鎖国政策は成り立たなくなった。今は国連中心で実質的にはアメリカや西欧の力を利用せねば、経済も軍事も成り立たなくなってきている。私もアメリカに支配され続けている日本の現状をすべて是としているわけではない。しかし生きていくためには妥協が必要である。世界を飛び回っている安部首相の行動は、そのためのものといえよう。憲法を後生大事にして、これと心中してもよいと思っている人が、首相に外交をやめて憲法にある臨時国会を早く開けとせっついているのは、国内の勢力争いにしか目を向けていないからではないか。9条だけを大事にして、非武装が生きていく道だと考えている人は、世界を知らない無知を示しているのか、あるいは中国共産党政権のシンパであることを疑われても仕方がない行動をしているといえるのではないか。
 
 
  昨日は大東亜戦争の名のもとに、日本が米英との戦争を布告した日であった。昭和16年(1941年)というはるか昔のことであり、若い人にとっては私の日露戦争に対する感じ方と同じ程度の戦争であろう。そのせいか、雑誌やテレビでもこの戦争を取り上げることが少なくなった。また大東亜戦争ではなく太平洋戦争が正しいと思っている人が、若い人のほとんどであろう。アメリカにとっては欧州に対する太平洋地域での戦争であったが、日本にとっては、名目的には、日本がアジアの人々を西洋の植民地支配から解放するという正義のための戦争であった。しかし日本が戦争に負けたために、そのような日本の名目名分はしりぞけられ、正義は日独の侵略戦争を排除するための米英を中心にする国際連合軍の側にあるとされた。日本の行動はすべて侵略と決めつけられたのである。そのために連合軍による戦争の責任者探しが行われ、東条英機陸軍大将以下の7人の絞首刑で決着したが、もし日独が戦勝国になっていたら、アメリカのルーズベルト大統領もイギリスのチャーチル首相もソ連のスターリン首相も皆死刑になったであろう。戦争の原因の半分は、経済侵略や植民地支配を継続しようとしていたこれらのヨーロッパの国々にあったことは、歴史家なら肯定できることだからである。
 日本がそのような行動に走った遠因は、米海軍のペリー提督が自国の捕鯨や通商のために日本を開国させたことにある。その後ロシアが中国に進出し朝鮮半島にも手だしをしたので、日本は自衛的に日露戦争に踏み切らざるを得なかった。領土侵略や経済進出をしていた西欧諸国やアメリカも代理戦争的にロシアとたたかう日本を応援した。しかしそのようにヨーロッパ各国の侵略の対象になっていた中国国内では内乱がおこり、孫文などが日本の力に頼ろうとした。孫文の後継者の蒋介石は日本陸軍に留学した関係もあり、日本を味方に引き入れてソ連の影響を食い止めようとした。日本は日本の経済的な利益のため日露戦勝利後の満州に進出したが、それだけにとどまらず、中国本土に進出したために蒋介石軍とも闘うことになったのである。その間に毛沢東などの共産党軍が力をつけ蒋介石軍を台湾に駆逐した。日本はそのような世界の闘争の中で、中国の騒乱にも巻き込まれたといえよう。
 これは歴史の流れの中で起こったことであり、かりに明治維新後の日本が島国に籠っていたとしても、外に出ないと、朝鮮半島を侵略したソ連が対馬から九州に進出してきたことは間違いない。日本の敗戦時には、ロシアは日本人が進出していた樺太と千島にも進出し、日本敗戦の昭和20年にはこれら全域を占領しただけでなく、北海道の半分をよこせと、アメリカと交渉していたのである。幕末の対馬にも上陸していたのであり、幕府はイギリスの力を借りてロシア軍を退去させている。それが世界の力による支配の現実であり、戦後、アメリカが沖縄を支配していなかったら、ここが中国のものになったであろうことは間違いない。今ごろは嘉手納あたりに中国の飛行機が飛びかい、沖縄知事は中国に朝貢をすることになっていたかもしれない。列島に籠っていた日本は領土を侵略される一方になっていたであろう。
 口先だけの平和主義に騙されてはならない。東洋に進出した中世以後のヨーロッパは、まずキリスト教の布教から始めている。心の平安を宗教に求めるという美名のもとに。それを拒んだ徳川家康は偉かった。しかし産業革命で力をつけたヨーロッパの進出を食い止めることができなくなった幕末に、幕府の鎖国政策は成り立たなくなった。今は国連中心で実質的にはアメリカや西欧の力を利用せねば、経済も軍事も成り立たなくなってきている。私もアメリカに支配され続けている日本の現状をすべて是としているわけではない。しかし生きていくためには妥協が必要である。世界を飛び回っている安部首相の行動は、そのためのものといえよう。憲法を後生大事にして、これと心中してもよいと思っている人が、首相に外交をやめて憲法にある臨時国会を早く開けとせっついているのは、国内の勢力争いにしか目を向けていないからではないか。9条だけを大事にして、非武装が生きていく道だと考えている人は、世界を知らない無知を示しているのか、あるいは中国共産党政権のシンパであることを疑われても仕方がない行動をしているといえるのではないか。
 
 
    世界はISテロ活動とそれへの対策で混迷している。日本人の反応は、これへの安部政権への対応批判か、反対派の平和主義という反安保的な動きが多くなり、サンフランシスコ講和後のアメリカに抱っことおんぶという身をすくめた状態が思い出される。
 もともと是是非非、中道の無為自然という態度を尊ぶ私としては、自分さえよければというこのような態度に我慢がならない。その思想の中では、善悪の区別なしの無差別のヘートスピーチにも同意できない。
 北朝鮮の拉致事件は、50年前からそのような事件があることは分かっていた。私はレーダー基地という第一線で拉致事件を起こしかねない北の船を見張ることもしていた。その中で情報が入っていたのである。しかし共産圏に近い感情を持つ一般の人々は北朝鮮の宣伝に惑わされて、週刊誌が時たまそのような事実を報道しても、天国のような平等生活をしている北朝鮮の人々が、そのようなばかなことをするはずがないという思い込みで行動し、朝鮮系の人と結婚したご婦人たちは北の船に乗り込み喜んで北に移住する道を選んだ。最近になって北の宣伝が嘘であったことが分かり、いわゆる脱北者になって日本に帰ろうとしても手遅れであり、北の王様は逃げ帰ることを許さない。強制的に拉致された北の王様に役立つ人々に帰国を許さないのは彼らの論理からいうと当然だ。しかしこれは日本人にとってはテロそのものだ。
 南シナ海で、現在の世界で認められている海洋法に反して、暗礁の上に基地を造りつつある中国も同じだ。海軍力が小さいベトナムやフィリピンは、使用権を持ち実効支配している小さな島を中国に奪われても手だしの仕様がない。日本が尖閣諸島を中国に奪われないのは、一応の海軍力や空軍力を持っているからだ。南シナ海では、アメリカや日本、インドの軍事力だけが、そのような彼ら中小国が頼るものになりつつある。可能な範囲で国際的な秩序を守るために、日本がベトナムやフィリピンに力を貸すことが悪いとは言えない。巡視船を贈与したり、偵察活動に力を貸すことは、日本の自衛隊や保安庁でもできる。これは北への拉致者を奪い返すために日本がアメリカの力を借りるのと何ら変わりはない。韓国が虚実が入り混じる慰安婦問題をアメリカで言い立てているのとは、性質が違う。
 アメリカは日本のために日米安保条約を結んだのではない。東洋の安定が経済活動をはじめとする自国の国益になるからだということは、自明のことだし、そのためだ。そのことが同時に日本が、共産国やロシアから、領土を奪われたり戦争をしかけられたりしないことにも役立っている。見返りとして日本はアメリカに基地を提供している。敗戦国の自衛官であった私は、アメリカ人の日本での生活状態や日本人への対応がどのようなものであったかをよく知っている。特に日本軍と戦った経験がある兵士上がりの下級将校の横柄な態度にはさんざん悩まされたものである。しかし世代が変わった現在は、かれらも日本人と対等に近い接し方をしてくる。私も現役中にアメリカ人将校を部下に持ったことがあった。少しは環境が変わったので、真に不合理なことは是正を要求してもよかろう。だからといって、過去をなかったことにすることは不可能だ。国連憲章の上で日本やドイツが旧敵国として権限に制限があることを改正することは不可能に近い。外交活動を通じて少しずつ改めさせるほかない。普天間移設問題も過去が絡むので、いきなり基地ゼロにすることはできない。
 これは自衛隊の海外派遣で世界に貢献していることを示す実際の行動を通じて可能になるのであり、金を出すからテロを防いでくれといっても、国際社会ではだれも信用してくれない。安部首相が海外を飛び回り、自衛隊も海外での活動を増やしてきたのはそのためである。自衛隊が自国内での災害派遣をするだけなら、消防組織と同じだ。だからと言ってアメリカのように世界のいたるところに力を行使できる部隊を派遣することも、行きすぎであろう。
 
 しかしアメリカの軍事力を借りながら基地はいらないというのは、矛盾している。世界で生活していくためには、それ相応の犠牲を払う必要があろう。私は安部総理の経済をはじめとする内政に全面的に賛成してはいない。しかし私の理解の範囲内にある安全保障政策については、賛同する面が多い。自分さえよければという国民の感情を利用して、安保法制審議で、徴兵制がしかれるなどの安保反対宣伝をしたのは、共産圏寄りやロシア寄りの反対派であろう。60年前から同じことは行われていた。その歴史を知らない若い人々が、利用されているのに気付かないままに旗振りをしているのを情けなく思う。歴史を勉強してほしい。
 パリのISテロ事件でロシアも中国も一応IS打倒に西欧と足並みをそろえた形になっているが、主導権争いを加速させただけという見方ができる。日本人はすぐに何かが我が身に降りかかってくるという意識を持っていないためか、警察のテロ対策訓練を傍観しているという感じがする。
 もし日本が今、フランスと同じヨーロッパの一国になったとしたら、人々はどのような態度をとるであろうか。自分だけは安全地帯におりたい、そのためには難民の受け入れはしたくないしIS根拠地の爆撃をするようなことには反対だという逃げ腰が主流になるのではないか。万一徴兵されるようなことになって自分が表に出るのは嫌なので、安全保障体制を整えるのには反対する、中国の尖閣所有権問題は話し合いで解決すべきだ、沖縄の海兵隊の基問題も米軍が出て行けば中国も手出しはしないだろうという楽観論で動きつつあるのが、世論の流れを示しているといえよう。
 そのような流れを造ったのは、2000年にわたる日本の島国の歴史であろう。隣国に侵略された、その結果として人種の混合が起こったというような歴史的に切実な体験がない日本人は、話し合いである程度の解決ができると思い込んでいる。前大戦に負けた日本は、アメリカに半植民地にされた。いまだに、戦勝国連合体が作った国連を主導してきたアメリカ製の憲法にしがみついているのは、半植民地の間にアメリカ的文化を身につけてしまったからであろう。ただ言えることは、もしこれが陸続きであったら、ソ連に取り込まれ共産主義の一党支配体制に組み込まれていたかもしれないということである。少なくとも、表向き民主主義のロシアの現政治体制に近い国になってしまったであろうことは間違いあるまい。
 民主主義体制や資本主義体制、さらにはヨーロッパとは違う政治体制を持つアメリカに支配されたことは、日本人にとっていくらかましなことであった。沖縄が日本に帰って来たのは反軍反米の沖縄に手を焼いたアメリカが、日本政府に沖縄統治をまかせることでこの難問を解決しようとしたことに始まっている。当時朝鮮戦争の後始末の流れや、ベトナム戦とその関係の東西冷戦のさなかで、米軍と密接な関係を保ちつつ日本の防空戦を戦ってきた現場の体験から、そのように感じている。個人としてのアメリカ人は友好的な人が多いのは確かだが、政治の面では日本に対して冷厳である。もしクリントン夫人が次期大統領になれば、日本との関係は今よりもっと冷たくなるだろう。一緒に防空関係の勤務をした米軍将校の中には、戦勝国意識丸出しの人物もおり、対応に苦労したが、それが裏の真実だ。
 日本人はそのような真実を知らずに、アメリカ文化にどっぷり浸っている人も多い。アメリカで勉強するとアメリカ的な政治体制や経済体制が絶対のものに思われてくる。私の次女もカリフォルニア大の研究者として永住権を持っていて現地の白人と結婚しているが、少しずつアメリカ化してきたなと感じている。
 グローバル化というが、世界の人が同じような歴史を持っているわけではないし、民族性も違う。完全に同一化できるわけではない。世界と交わることは大切だが、そのことをよく認識して判断し行動すべきであろう。付けくわえておくと、私の他の娘二人は東北人と結婚したが、その家族と長州人の私とは波長が合わないことが多い。ホッとできるのは山口県の古くからの友人と話をするときである。
 
 夜中のブーンという騒音に悩まされているという書き込みを見た。私の経験では、これはファンの音だ。窓際の特定の位置で強く聞こえる。隣近所の音のように聞こえるので何軒かに聞いてみたが分からないという。自宅でも他の部屋で寝ている孫に聞いたところ、確かに聞こえるという。そこで冷蔵庫を止めるなどして原因を探ったが、自宅ではなさそうだ。
 地下から聞こえる感じもするので水道関係の人に聞いてみたところ、深夜電気など夜間に自動的に回りだすファンの低周波音だろうとのことであった。確かに聞こえ出した時期にそれらしい装置を付けた家もあるので、注意して観察したが、どこのものかはっきりしない。冷え込みが厳しく、放射冷却で地面近くに空気の境界層ができているような明け方には遠くの電車の音がはっきり聞こえるが、そのような条件のときにブーンという音も響いてくる。 比較的遠くから伝わってくるものらしいと考えられたが、それ以上の追求はできなかった。しかしファンの低周波音らしいと分かっただけでも収穫があった。
 いずれにしろ自然エネルギーがもてはやされるようになってから、風車があちこちで見られるようになったが、低周波などの発生源になることもあることを考えて、これまでの自然や社会のバランスを壊さないように十分に事前調査をすべきであろう。原発が危ないと騒ぎ立てている一方で、このようなものには注意がはらわれていないのが現実だ。
 比較的歴史が長く技術も蓄積されている原子力関係は、全面的に否定すべきものではあるまい。福島の津波による原発災害は、外部の反対勢力が強い中で、予備電源などの確保や事故対応訓練が秘密裏にしか行われていない中で発生した。同じことは今予算の無駄遣いの関係で敦賀の高速増殖炉の実験が停止されていることが指摘されているが、これも冷却材のナトリウムの扱いのミスで事故になり、メディアなどがそれ以上の実験を中止させたといえる状況があって、結果的に予算が有効に使われない状況になった。
 一方で宇宙線を利用した巨大装置を利用してノーベル賞に輝く成果を上げた実験には、クレームは付けられていない。コンピューターが世界二位だと悪いのは何かということを理解できない人は、世界が社会的にも技術的にもつながっているのであり、一位を競っていたからノーベル賞受賞者が出たということを理解できない人であろう。科学技術はある程度の失敗を重ねることで進歩する。失敗が公開されて、それを受け入れる社会があれば、人類の進歩につながる。しかし技術者は失敗に慎重でなければならないのは当然であり、今回国産ジェット旅客機MRJが初飛行するまでに何回も初飛行が延期されている。不具合点を注意深く修正したからだ。
 管理学で言われていることだが、議会は自転車置き場の増設のような簡単な問題になると、議論が活発になるが、原子力のような分かりにくいことは、反対派の大きい声が結果を左右する。それでは社会はよくならない。原発だけではなく普天間の移設問題もその例であろう。長い間憲法九条に特別の反応をするように習慣づけられ、安全保障問題を棚上げしてきた日本人は、安全保障の意味を理解できない。そのためこの法制整備が徴兵制につながるという、ありもしない宣伝に迷わされている。表向き国民皆兵の中国でさえも、陸軍の徴兵数を減らして海軍や空軍に振り向けつつある。陸軍の志願兵は、海空技術や核ミサイルなどの先端の職務や、運転手や衛生など後方的な職務を主体にして募集している。
 もう少し国民は、広い視野で世間を見る必要があろう。日本で徴兵制が布かれた明治6年以後も、毎年徴兵されたのは1万人ばかりにすぎなかった。昭和の初めの時代でも10万人程度であり、20歳になった男子の5人にひとりぐらいが兵営生活をするだけであった。銃を持って戦闘ができればそれでよかった時代でも、そのような状況であり、戦争技術が進歩した今は、自衛官の半数以上が専門技術者なのである。主婦であってもこのような事実に目を向け、反対派の小手先の宣伝に迷わされない知識を持つことが望まれている。そのためにはまず真実を知る意欲が必要である。セレブな生活にしか関心がなく、鳩山由紀夫の真実を見極めなかった人たちが、沖縄問題を難しくしている。
 

転載元転載元: 軍事評論家熊谷直の社会評論


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