(この感想は日記の方にも書いたのですがブログはジャンル分けして読み返しやすいのでこちらにも)
今、ドライビング・ミス・デイジーという映画を見ました。
テレビで途中から見たのですが凄いいい映画でした。
差別時代のアメリカが舞台で
黒人の運転手とユダヤ人の気難しいけど優しい元女教師の夫人が主人公の映画です。
すっごいいい映画でした!!!!
この辛い時代を優しく描いている脚本!
気難しいけど優しい白人婦人、
誠実な黒人運転手(でも直の雇人である奥様の息子さんと値段交渉はした)、
気難しい母に邪険にされているから心配しているのを黒人運転手を通じて様子を知るという形でかなえる息子
好い映画でした。
運転手さんを雇ったころの、奥様が若い頃の会話を奥様が老人ホームに入ってからまたしているのが好い締めでした。
素敵な友情でした。
奥様がすっごく気難しくて、認めてもらうために黒人運転手さんが地道に運転をしてなんとか認めてもらうんですが
奥様の台詞聞いて居ると気難しい理由は内気で人目を気にする所だろうなと思いました。
(あと若い頃貧乏で、苦労して、その頃の事を知っている人も多くて、
お金持ちになったのを「お金持ちぶってると思われているのじゃないか」と気にしていました)
奥様が知り合いのクリスマスパーティーに呼ばれていくのですが
その知り合いAのお宅では奥様をお招きする前にAさんがメイドさんを叱っているのです
「なんでメモを取らなかったの!?いつも言ってるじゃない!メモを取りなさいって!おかげでココナッツが無いわ!」
とメイドさんを叱って、底んちの旦那さんが頃合いを見て奥さんをとりなした後メイドさんに気にするなと言うのですが
そのあとシーンが切り替わって主人公の奥さんが運転手さんに
ワタシはクリスチャンじゃないからクリスマスプレゼントなんかじゃないんですからね!
とツンデレな言葉を言いながら本を上げるのです。
ホンなんか貰ったの初めてだと戸惑いつつも喜ぶ黒人運転手さん。
奥様は
「昔ワタシが使っていた文字の書き方の本よ、
きれいな字を書きたいのなら使いなさい」
と言ってくれるのです。
綺麗な文字を書きたいのならというのですが、これで文字の読み書きできるようになる系の本だなとトーク内容で分かります。
これ見て視聴者に
「察してください、この時代、文字の読み書きはお金持ちしかできないし学ぶ機会は少ないのです、
さっきの黒人メイドさんは文字が読み書きできなくて、あのAさん夫婦はそれを知る事も出来なかったのです」
と伝えてきたこの手法!!
(あと贈られる側の大人のプライドを傷つけない奥様のセールス?トークが優しい
ツンデレだからこそのトークなのかもしれないけれど、それが大人のプライドを傷つけない形になっているのは奥様の優しさだと思う)
全体的にこういう間接的な優しい伝え方をしてきます。
辛い現実というか時代を、こういう時代だったんだよ、と、なんか
感想書いてて泣けてきた……。
後驚いたのが奥様が父の誕生日?感謝祭?を祝うために他の州に旅行に行くのですが、
その際ちょっと道を間違えて予定の街に着くのが遅れてしまい、
黒人運転手さんが茂みで用を足してきたいと頼みます。
奥様がさっきのガソリンスタンドでどうして借りて来ないの!?下品だわ!
と怒るのですが
「黒人はトイレを借りられません、ご存知でしょう?」
というので奥様も私もびっくりしました。
え!?黒人限定でトイレ貸してくれないの!?そりゃ酷い!!
(なぜ限定で貸してくれないのか、皆に貸してくれないのなら相互誤解とか生じ難いのに)
いやトイレは貸して!!トイレは!!
(上品な人とか真摯な人ほど大変だ!いや衛生面の為にも貸そうよ!!)
そのシーンであ、差別時代のドラマか、と(途中から見だしたため時代が分からなかったのですが)わかりました。
あとキング牧師(&の時代の人)、こんなことでも苦労したんだな……と気づきました。
そしてそう思ったら後々のシーンでキング牧師のディナー演説会のシーンがありました。
奥様が行きたいと息子をパートナーに誘うのですが息子はそこに参加したのが同業者にバレたら仕事を干される(ユダヤ人の大会社社長なのですが、他の会社に仕事を取られたりまわされたりする、ニューヨークのユダヤ人は頭が良いんだ、そいつに仕事を取られる)と心配していきたがらず、運転手を誘えと母に提案します。
気難しい奥様は彼が行きたがるとは思えないと返し、
当日の運転中に息子がそんなことを言うのよと笑いばなしをしたのですが
運転手さんはションボリモードの半泣きで
奥様は私をなんだと思っているのです?どうして当日に誘うんです?
といきたかったという気持ちを全面に出してきます。
奥様ビックリ、
だってお前(黒人)はいつだってキング牧師(奥様視点ワンダフルな演説をする・黒人)の演説を、私(白人)と違って聞けるでしょう?
と思っていたのです。
でもその演説会、上流階級(お金持=白人)の人達に訊いてもらうための演説会(セッティング)で、キング牧師は忙しくて
黒人だからって生演説いつでも聞ける状況じゃなかったのです。
運転手さんは車の中、ラジオで聞いて居ました。
他にも色々出てきます。
渋滞がひどい、これじゃ教会におくれちゃうと奥様がイライラしていて渋滞の理由を聞くと教会が爆破されたと警察が話していたときいて奥様
なんて酷い、一体誰がそんなことを!
運転手さん、「何故かはわかりませんが犯人に“される”のはだれか解っています。」
と応えて、子供時代の友達の父の話をします。
気難しい奥様、車の中で涙をこらえきれません。私は泣いてなんかないわというのですが。
そんな映画でした。
脚本家凄かったです演出優しかったです。
奥様がボケ始めちゃったシーンの前日、運転手さんが新聞読めるようになっているのです。
さりげなくワンシーン挟むだけで前の方で奥様が読み書きできるようになる本(要するに教科書)をくれた効果が伝わってくる!
奥様がボケ始めちゃったシーン
奥様は教師時代に戻っちゃっているのに当時いなかったはずの運転手さんの事は分かる、「生徒たちに返さなきゃならない答案用紙、お前も探して」とか頼んじゃう。
奥様にとって輝かしい時代は教師時代、信頼できる友達は運転手さんというのが良く分かります。
脳内で奥様にとって都合のいいように時代を切り張りしたらそうなったんだと思います。
途方に暮れて奥様の息子さん(運転手さんにとっては直での雇人)に電話を掛けると丁度良く出かけるところでつながる所が映画だと思いましたがナイスです。
息子さんは息子さんなりに母を心配しているのが(その形がお金と贈り物でしかできない不器用な息子です)よく伝わり、すぐ対処してくれました。
最後に家は売り家になり、次のシーンでは「売約済み」のシールが看板に張られ、がらんとした家の中が時の流れを感じさせました。
そして奥様がまだ生きているのにこの家を売りに出すなんて複雑だと会話する運転手さんと息子さん、
ホームに偶に会いに行ってくれているかと尋ねてもう運転のできない運転手さんを奥様の息子さん(元雇い人)が運転手さんを車に乗せてホームまで行ってくれるのです。
そしてホームで気難しい顔で歩行器使って歩いている奥様の両側で運転の話や政治の話をしているので
運転手さんと息子さんだと思い出して正気に返った奥様が息子さんに看護師と話しておいでと言って
運転手さんに食事を手伝ってもらってというかあーんしてもらっているシーンでエンディングでした。
全体的に静かーで、起伏の穏やかな映画でした。
だからこそ何かありそうになると心配になったり、それが好い素敵なシーンに繋がったりするとすごくほっとしたりします。
女優さんも俳優さんも凄い演技力でした。
若いころから歳をとった頃までの演技分けと外見……どうやったのかという凄さでした。
素敵な映画でした!