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卑劣で甘く優しくて 大学時代の将孝と絢人のほのぼの中編になります 将孝視点・6話完結 どうぞお目にしてくださいませね(´∀`*) 今日はなんてラッキーなんだ―――と、車のハンドルを握り、将孝は鼻歌を歌いたい気分であった。 サプライズがあるとすれば、きっと、それはこういう日をいうのだろう。 驚いて、ドキドキして、嬉しくなって、そんな自分を戒めながらも、だけど、両手を広げて大声で叫び出したいような。 隣の助手席には大学の先輩の、二歳年上の美貌の男が座っていた。 車窓を眺める汐見絢人の存在に、将孝はニヤつきそうになる己と、必死で格闘する羽目になっている。 絢人はシルバーのベンチコートに、オフホワイトのスリムジーンズというシンプルないでたちであった。 色の白い彼にはよく似合い、もちろん、口にだせば怒られそうだが、そんなこともウキウキする。 車が揺れた拍子に、ふわっと甘い匂いが漂った。 シャンプーだろうか。 いつもはサラサラの髪がしっとり濡れ、洗髪直後と思しき生乾きの髪が、すこぶる色っぽい。 横目で伺い、それだけで、将孝は身体が熱くなるようであった。 長い睫毛に縁どられる切れ長の目は凛と澄み、ほどよい高さの鼻梁からつづく唇は瑞々しい木苺を思わせる。 肌はアラバスターのように白く、シャープな顎も、細い首も、透き通るほどなめらかで……。 しばらく絢人はフロントガラス越しの外を眺めていたが、ふと、コンソールパネルの時計を覗きこんだ。 「間に合うかな」 時刻は午前九時四十五分。 車は東北自動車道を走っていた。 片側三車線の広い高速道路の、埼玉の岩槻インターをちょうど過ぎたところだ。 「十時に佐野は……厳しいか」 言葉と裏腹、口調に慌てる様子はない。 今日、絢人は大学のサークルのイベントで、栃木県の佐野へ行く予定らしかった。 イチゴ狩りのイベントらしい。 絢人と同じ三年生だけが参加するらしく、将孝に同行の予定はないのだが。 ―――寝坊したから送って。 携帯電話で呼び出されたのが一時間半前。 待ち合わせは八時だが、絢人の起きたのがその時間であったらしい。 同級生には現地へ直接行くと連絡したらしく、その送達を仰せつかったわけだが。 もちろん将孝に異論はなかった。 朝食もまだであったが、大至急、芝の自宅から絢人の家へ向かった。 絢人をピックアップして首都高速へ乗ったのが九時すこしすぎ。 順調なら、佐野は都心から一時間強程度で到着するので、若干遅刻でも十時すぎには着くだろう。 「集合が、十時でしたっけ?」 アクセルを踏み込み、将孝は聞いた。 「ん〜、集合は……今くらい。九時四十五分に集合して、ガイドの人の説明があるとかなんとか」 フロントガラスへ視線を移し、絢人がのんびり答える。 涼しげな声が耳に心地よかった。 うっかりドライブを楽しむ感覚に陥りそうで、将孝は慌てて気を引き締めた。 「なら、実際のイチゴ狩りは十時すぎくらいですかね」 「たぶん」 「間に合いますよ、大丈夫」 渋滞はなく、天気もよく、車の流れはスムーズだ。 本当は、このまま二人きり、どこかへ行きたいところであった。 せっかくの栃木なら、宇都宮や那須高原まで足をのばしてもいいだろう。 自分の役目は、あくまで絢人を送ることだが。 それが分かっても、つかのま、絢人とドライブできることが、将孝は嬉しかった。 蓮田をすぎるあたりから、あたりは田園風景にかわっていく。 羽生をすぎ、利根川を渡って、一瞬だけ群馬県へ入ると、まもなく栃木の佐野・藤岡インターだ。 こんもり小高い山が見えてきたところで、出口の標識が現れた。 左折のウインカーを出し、側道のカーブに流れていく。 佐野・藤岡インターは、インター至近に有名なアウトレットモールがあるため、付近の国道はやや混雑していた。 それもアウトレットモールをすぎれば、車は一気に少なくなり、見通しの良い片側二車線の国道は、快適そのものだ。 車道の両側に食べ物屋や住宅展示場がちらほら立ち並び、その奥には住宅街や、はるか彼方に、まだ雪がうっすらかかる山の輪郭が眺められる。 「次の信号、左へはいって」 アウトレットモールからいくつか信号をすぎたところで、絢人が言った。 ハンドルをきって左折すると、広々とする農園があり、ここがイチゴ狩りの目的地らしい。 農園は、敷地の五分の四が畑やビニールハウスになっていた。 残りの五分の一に売店や飲食店が入るログハウスが点在し、そのそばに駐車スペースやトイレがある。 高速道路のサービスエリアか道の駅の豪華版というところだろうか。 「一分前だ」 と、絢人が楽しげに伸びをした。 九時五十九分であった。 間に合ったらしいことに将孝は安堵するが、気分は若干複雑だ。 到着がドライブの終着地点だからだが。 「お前に送迎任せると、確実だよな」 屈託のない絢人の声に、たちまち将孝はニヤつきそうになる。 ―――いつでもあなたの足にしてください。 喉まで出かかる言葉を飲み込むと、車のスピードをゆるめて園内へ入っていく。 車を駐車スペースへ停めた時、園内の一番大きなログハウスから、賑わいを見せる団体が歩いてきた。 そのなかのひとりがこちらへ視線を寄越し、絢人の姿を認めてぶんぶんと手を振った。 にほんブログ村 ランキング参加中です♪ お帰りの際はクリックお願いします♡ 明日もぜひおいでくださいませね(´∀`*) |
卑劣 Strawberry




きゃ〜 将孝さん視点嬉しいです、ありがとうございます❤
絢人さんまさか このまま将孝さんを帰したりしないですよね?
どんな展開だろ 明日まで待てませ〜ん(〃∇〃)
[ マイプリンス ]
2012/3/28(水) 午後 0:53
マイプリンスさぁん♪
こちらこそお目にしてくださり゚.+:。(´∀`)゚.+:。ありがとうございます!
送らせて即バイバイ・・・(*≧m≦*)ププッ はい、たぶんナイと思いマス
待てないなんて、お言葉嬉しいです(∩∀`*)キャッ 夜中に更新予定ですので、またぜひお目にしてくださいネ(b^-゜)
2012/3/28(水) 午後 10:16
いやいや。
帰そうとした絢人の眼の前で将孝のお腹がグゥ〜〜ッと・・・。
朝食は苺大盛り。 なんて(笑)。
きっとこの思い出も、将孝一人で大切にしまっておくんでしょうね。
車でデート。出来るなら地面が続く限り。
[ まさずみ ]
2012/3/29(木) 午前 0:04
まさずみさぁん♪
( *´艸)( 艸`*)ププッ お腹グゥ〜いいですネ♪
苺が朝食がわりになりそうである、というような文言はでてきますデス♪
地の果てまで、宇宙の果てまでデートしたいのかもデス(´∀`*)
2012/3/29(木) 午前 7:12