読書・『銀河宇宙観測の最前線』

イメージ 1

 久しぶりに天文学の本を読んでみたら、ダークマター(暗黒物質)分布の3D画像が得られており、その画像が載っていてびっくりしました。

 一応、天文学の基礎を独学で読んでいましたが、それ以後登場した、インフレーション、ダークマター、ダークエネルギーなどの宇宙論の新しい概念は、なかなか難解なものがありました。なんとか追っかけているうちに、画像の登場ですから進歩の速さに驚きます。専門的には公表されていましたが、一般向けの本書は今年四月の発行ですから、まあ一般人としては古い情報ではないようです。

 この本は、COSMOSプロジェクトという、宇宙の一方向の広さが縦横とも月3個分、つまり月約9個分に当たる部分を、ハッブル宇宙望遠鏡、すばる望遠鏡(ハワイ・マウナケア山頂にある国立天文台のもの)など、電波からX線まで、広い波長帯で詳しく観測し、宇宙の大規模構造について解明しようとするプロジェクトについてのべています。
 縦横月三個分の視角というと、全天のごく一部ですが、詳しい画像を撮ろうとすると、ハッブル宇宙望遠鏡では625枚、すばるでも36枚の画像をつなぎ合わせてつくります。
 すばるではまず5種類のフィルターで撮影、さらに二十種類以上の狭帯域フィルターで撮影しましたから、膨大なテータになります。

 これらのデータを得る観測の臨場感あふれる描写から始まり、得られたデータの分析から明らかになった新しい知見が紹介されていて、興味がつきません。

 ここでは、私にとっていちばんインパクトが強かったダークマター分布の3D画像についてふれます。
 ダークマターというのは、観測できる物質では理論的に物質量が不足しているということから始まりました。観測できる物質量だけでは計算してみると不安定になり、観測されない物質が存在しているので安定していると考えないと辻褄が合わないのだそうです。
 ところが宇宙観測の主な手段である電磁波では直接観測できないので、ダークマター(暗黒物質)とよばれていました。ここまではあくまで仮説でした。
 しかし、電磁波では直接観測できない質量の存在が、今度の観測で得られた各種の画像データの分析から導き出され、その分布の3D画像まで得られたのです。
 これは一般相対性理論が明らかにした重力レンズによって、曲げられて進む電磁波の解析から、直接観測されない質量の存在を導き出したのです。それを画像化するのが、たとえて言えば宇宙のCTスキャンとでもいうべき、重力レンズ・トモグラフィーというテクニックでした。

 臨場感に富んでいて、宇宙論についてもやさしく解説しているので、最新の宇宙の解明の姿にふれられます。

その他の最新記事

すべて表示

 大正末期から昭和初期にかけて、投稿詩人として多くの童謡を発表し、戦後全集が編まれて全貌が知られ再評価が進み、多くの人に愛誦されている金子みすゞ(1903-1930)の伝記小説です。  この本の特徴は、実弟・上山雅輔の日記 ...すべて表示すべて表示

読書 江戸のパスポート

2017/2/7(火) 午後 10:04

久しぶりに面白い本を読んだ感じがします。 『江戸のパスポート』柴田純著・吉川弘文館歴史文化ライブラリー432 です。江戸時代は1800〜1840年ころが一番盛んだったそうですが、往来手形(これを著者はパスポートとよぶ)の交 ...すべて表示すべて表示

スズメのヒナ

2017/1/13(金) 午後 6:00

 スズメのヒナが巣箱からくびを出してエサをもらっています。

ブログリンク

更新

鳥撮り見鳥デジカメ散歩

バン巣作り中

睡蓮池で、バンが巣作り中です。 せっせと葦の茎などを運び、巣は完成間近のよう。。 何度も行ったり来たりしながら、巣材を運ぶ様子が見られました。...

カメラ修理屋のぼやき日記

暑中お見舞い申し上げます

いやぁ、暑いですね・・・ 関東地方は一昨日梅雨明けしたらしいのですが、 今年は梅雨らしい日が少なくて、 既に猛暑の日々が続いています。 関...

〜未知なる城を求めて〜城郭研究ノート

★ 城郭探訪 山上城その2 ★

山上城、続きです。 本丸と北郭の間の堀。 北郭西側の堀のはず。 で、北郭と笹郭の間の堀のはず。 ...


.


みんなの更新記事