|
シェルターの運営に人権侵害があるのかないのかは難しい問題です。大阪市は、シェルターは野宿のとき襲撃を受けたり、夜露にぬれたりしないための「夜間緊急避難所」と規定しています。それを批判している人たちの多くは生活場所として規定し、大阪市を批判し議論がかみ合わないようにしています。
我々釜日労・反失連ではセンター夜間開放闘争の代替え処置としてあったシェルターに憲法25条、生活保護基準をクリアする内容を求めていません。何よりも就労自立、居宅保護が必要であり、一刻も早くシェルターを廃止(当初予定3年)できるようにすること、それにそった支援策の強化を要求してきた歴史があります。実際、行政施策とは別に、我々反失連やふるさとの家、NPO釜ヶ崎などの支援団体の独自な取り組みが進められてきました。しかし、その利用者数が激減しているとはいえ「仮住まい」も10年を超えてしまっても今だシェルターに定着している層がいることからも支援策の多様化・細分化が求められ、行政の施策もそのような方向に転換してきています。
シェルターの設備を生活保護基準をクリアーする内容にすることは居宅保護以上の費用が掛かるのは明らかで、プライバシーの問題などを考えると生活保護への移行がはるかに合理的です。しかし、シェルターがセンター夜間解放闘争の代替え措置であっても、より快適であることとは矛盾しません。利用者数の減少に伴ってベッドの配置の変更など改善できることもあるでしょうし、冷房は当然必要だと思います。
「冷房については低額所得家庭や生活保護家庭にも無いところが多いので社会的コンセンサスが取れない」というのが大阪市の表向きの見解らしいですが、一般の住宅用の建物と屋根も壁も鉄板で囲われ夏場は室温が40度を超えるような建設現場用のプレハブの建物を一緒にしてはいけません。噂によると毛布代など使用している毛布の三分の一の予算しか出ていないという話があります。
大阪市は3年でシェルター(野宿者)をなくすことができず、センター夜間解放闘争の代替え措置から「当面する施策」にした以上、常識的範囲でシェルターの整備を見直す必要があります。
そして何よりも野宿からの脱出のための支援策をさらに充実させる必要があります。いまだに存在する、夏場で400名弱、冬場で600名弱のシェルター利用者をなくす努力をしなければなりません。それを怠り、失業し野宿をせざるを得ない人々を放置するのであれば人権侵害といわれても仕方ありません。
それをしないのであれば、釜合労‐稲垣氏や人の尻馬に乗って評論家を決め込む人の「ノミ、しらみ批判」のようなイチャモン付けに付け込まれるでしょう。
彼らは「極悪非道なXX」と闘っている「正義の味方」という演出でオノレを見せたいがために一部を取り上げ誇張し、批判のための批判をします。この街で生活する者ならだれでも知っているがそれを知らない市民社会の人たちが驚くような問題の出し方をします。ノミ・シラミがどこから誰によって持ち込まれるのかとか野宿をする者は盗難防止で靴や荷物を枕にして寝るので枕は使わない(これはアメリカでも同じです)とか語らずに、シェルターからノミ・シラミが発生するとか、枕もないから人権侵害だとか言っています。
彼らは実際にそこで寝泊まりせざるを得ない人々のことなど眼中にないのです。ノミ・シラミが誰によって持ち込まれるのかは誰もが知っています。だからと言って戦後さながらに入り口でDDTを頭から振り掛ければいいのか。虫を持っていそうな人を入り口でチェックして利用させないようにすればよいのか。彼らは解決策を考えることもせず、行政当局が絶対に飲めないハードルを高く儲け自分たちが「闘っている姿」を描き出そうとしているのです。
彼らが声高に騒げば騒ぐほど一見して虫を持っている仲間はシェルターを利用できなくなる。限られた条件の中でもスタッフが毎日清掃し点検して、虫の寄生した毛布を処分しているにもかかわらず...。そして多くの利用者が心配しているのは彼らが騒ぐことによって大阪市がシェルターをなくしてしまわないかということです。もちろん我々は今のままでそんなことはさせませんが。
彼らの「労働者のための活動」は何もシェルターを利用せざるを得ない労働者のことなど考えていないのです。
ヤカラたちの批判が正当かどうかは別として、10年たってもシェルターを利用せざるを得ない人たちが多数いる現実を前に大阪市が胸を張って「人権侵害はない」と言えるかどうかは『言わずもがな』というやつです。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用






