先日、ボランティア学生を交えてのミーティングがありました。
1年生の参加者が多く、ミーティングのあとしゃべっていたら、
ノートの取り方がわからないという話になりました。
高校までは黒板に書かれているものを写しておけばよかったのだが、
大学では黒板に書いてくれる先生が少ないのだと言います。
私の頃もそうだったよ。だから自分でノートを工夫しなくっちゃ!
そんなエラそうなことを言ったものだから、
「教えてください!」ということになってしまいました。
で、今度の土曜日に「講義」することになりました(汗)
そこで慌てて、おしゃべりする内容をまとめてみることにしました。
本屋さんに行き、かつてベストセラーになった「東大ノート」
の本を探しました。
でも、見つかりませんでした。
しかし、図書館にあったので読んでみました。
確かに美しいです。
でも、いきなりこんな風には書けないのでは?
そう思ってしまいましたヨ、正直・・・
彼らには悪いけど、そこのレベルまで達していないような気がしました。
やっぱり、自分で考えるしかないな。
そこで考えた「講義内容」が以下のとおりです。
黒板に書くのを「板書」といいますが、
これは普通、高校までの教員であれば、
教職の技術として身につけています。
みなさんも高校まではたいていノートは
板書の内容と若干のプラスアルファ程度だったかと思います。
しかし、必要なことは黒板に書くというスタイルは高校までで、
大学ではほとんどありません。
なぜなら、大学の先生の中で板書の技術を意識している教員が
少ないからです。もっと言えば基本的に必要ないのです。
大学というのは本来、
そのみちの専門家に教えを乞いにくるというスタイルです。
つまり、学生であるみなさんが、
たとえば経済について勉強したい、
そして、この先生の講義を聞きたいということで入学して、
その先生の講義を聞きにきます。
教授は、その学生に対して自分の研究を、
たとえばケインズ経済学の発展史といった
その教授の研究領域について、とうとうとしゃべるわけです。
言い方をかえれば、その先生に弟子入りする
というようなかたちです。
ですから板書の技術は必要なく、
おもむろにその先生が時折説明を補足する図のようなものや、
キーワードになるようなものを書く程度になります。
今の学生にそういう教授法が適当かどうか
という問題はありますが、
たいていの先生はそのクラシカルな教授方法だと思います。
ですからみなさんは、板書だけをノートに書いたところで、
その授業がわかるはずがないのです。
先日驚いたことがありました。
私のところに訪ねてきた大学生のA君。
たまたまかばんからルーズリーフのノートが落ちてしまって、
私がそれを目にするようなかたちになりました。
そこには、10月12日経済学概論とあって、
○に女という文字ともマークともつかないものが
書いてあって・・・。で、それでノートは終わっているんです。
「えっ!!」。「これだけ?」「はい。」
私は男女雇用機会均等法やジェンダーの話をされたのかと思いました。
でも、遅刻した彼には、
何のことやらさっぱりわからなかったらしいです(笑)
同級生のBさんに聞けば、その先生が授業のはじめのころに余談で、
「今日電車に乗っていたら、私の前に女性が立っていて・・・」
というエピソードのときにこの○に女を書いたらしいんです。
授業とはまるで関係ないこのエピソードの○に女、
これを板書だとしてノートに写したんですね、彼は。
でも肝心の授業内容については先生は、
テキストに沿って説明されたから板書はありません。
で、ノートはまっしろという結果なんです。
みなさんはそんなことはないと思います。
教員が強調したところや、
自分でここは大事だなと思うところは
きちんとノートにメモしてくれていると思います。
またわからないまでも、
あとで調べるのに役立つようにキーワードとなるものを
書いてくれていることだと思います。
そしてこの書くという動作が眠気防止にも役立つのです。
ただし、自分のためのノートですが、
読みやすいことも意識してください。
あとから自分が読んでもわかる字を書く
ということを心がけてください。
意識するだけでも違ってくるはずなので、
よみやすい字を書くぞと意識することが大事なのだと思います。
だけど、一字一句書くことなんてできません。
要点をいかにつかむかということです。
たとえば自己紹介の場面があって、
「わたしのなまえはかんなおとといいます。
よろしくおねがいいたします。」というときに、
文字でいうと30字ほどです。
これに対して書くのが早くて9割程度書けたとしても、
「わたしのなまえは・・・です。よろしくおねがいいたします。」
では意味をなさないことがわかるでしょう。
それだったら、すべては書けないで、
極端な話、1割程度しか書いていなくても
「かん(なおと)です」と書けば内容は伝わると思うのです。
そこでは、自己紹介では何が重要か、
それを見極め、要点をつかむ、
そういう練習をしておいてほしいと思います。
そしてそれは日々の練習です。
いきなりうまくできないと思います。
毎日意識して少しずつ努力していきましょう。
だって、話しことばの速度は
アナウンサーなどで1分間に350文字ぐらい、
これに対して書く早さはせいぜいおよそ70文字程度なんです。
単純に考えても、5分の1程度ですから、
すべてを書き写すことが無理なわけです。
パソコンなどで慣れてくると、この倍以上が望めますが、
変換などで手間取ると、
それほどの文字数を打つことができないと思います。
また聞き取りにくかったことや、
はっきりわからなかったことなどは、
その箇所をノートにわかるように、
たとえば大きく○印をつけるとかして、
あとで遠慮せずに教員など発言した人に確かめておいてください。
では具体的に、どのように書いていくべきか考えてみましょう。
私は、以下の8カ条というものを考えてみました。
1.筆記用具とノートを準備する。
これって当たり前のことのようですが、
ルーズリーフなどで科目がごっちゃごちゃになっている人が
多いように思います。
本来なら科目ごとにノートを分けることをお勧めしますが、
せめて曜日ごとに区分するなど、
自分が混乱しないための工夫をしてほしいです。
そして筆記用具です。
シャープペンシルの替え芯もしっかり用意しておいてください。
ボールペンも黒と赤は筆箱に入れておいてほしいと思います。
あとで説明しますが、項目による色分けなども
記憶には有効だそうですので、
必要に応じて青や緑などがあってもいいと思います。
ただし、6色以上になると、
「何色で書こうか」というところに意識がいくので、
ノートを取る効率は大きく下がります。
散漫にもなりますから、
必要以上の色は持たない方がいいでしょう。
2.いつでもメモができるようにスタンバイする。
先日のミーティングのときのみなさんを見ていると、
必要事項だと気がついてメモを取るまでに
非常に時間がかかる人がいたように思います。
その間にもどんどん説明が進み、
最初の方の記録を取っているうちに
肝心なことを聞き忘れることが多いように感じます。
3.最後まで一生懸命聞くこと。
メモに気を取られていたり、筆記具を落としたり、
シャーペンの芯がなくなったり、書き間違えに気づいたり、
周囲からの妨害(「消しゴム貸して・・・」など)
があったりすると、集中して聞くことができなくなります。
「すみませんが、もう一度言っていただけますか?」
と言える勇気をぜひ持ってもらいたいと思います。
また、授業の後半の「まとめ」の部分に差し掛かると、
学生たちは時計を見て、
バタバタと終わる支度をすることがあります。
しかし、ここは教員にすると、
重要なことを繰り返し説明したり、
次回に向けての課題や持ち物などをアナウンスしたりと、
非常に重要な場面です。
教員がウエイトを置いている時間帯に、
学生は気を抜いてしまっているのではないでしょうか。
先日は最後の教頭先生の話を誰も聞いていないように思いました。
何度も教員が言うことは何の意味があるのでしょうか?
そういう大事なことをメモしないで、
要点がつかめないと思います。
そして、起立・礼が終わったあと、
教員が慌てて何かを言い出すこともあります。
実はここが一番大事なアナウンスです。
肝心なことを言い忘れたことを教員が思い出しています。
別に来週でもいいような、
聞く人だけが聞けばいいようなことはほとんどありません。
すべての学生に「今・ここで」伝えなければならない
重要なアナウンスです。
それを思い出していますから、
最後の最後まで気を抜かずに
教員の話に耳を傾けておいてほしいと思います。
4.日付やテーマを必ず書いて、あとで検索しやすくする。
テキスト参照ということについては、
テキストのページ数も書いておいてください。
ルーズリーフの人はバラバラになっても整理できるように
ナンバリングをつけておいてください。
5.ノートは大胆に余白をとる。
行間がぎゅうぎゅうに詰まっているノートほど
読みづらいものはありません。
適度に行間をあけてほしいし、
あとで書き込みが少々できるように余白部分も
用意しておいてほしいと思います。
なぜなら、授業時間内だけで理解が十分できるとは限らず、
キーワードをもとに辞書で調べたり、
教員に質問したりする中で理解できることも多いと思うからです。
別に付箋を張り付けたりすることも可能ですが、
最初から適度なスペースがあるに越したことはありません。
6.ポイント部分に色をつける、囲む、印をつける。
教員が強調したところや、
自分でここは大事だなと思うところや
キーワードとなるものには、
それがわかるように、自分で工夫してください。
自分なりのノートのルールを持ってほしいと思います。
7.図式化してみるクセをつける。
介護方法や保育のリズム遊びなどは、
文章化してもピンと来ないこともあります。
そこで図を活用します。
図が書けなければ、図が書いてあるテキストのその部分を
コピーして貼り付けることもできます。
視覚的に記憶するということも、
記憶においては重要なことだと思います。
8.読み返して修正したりつけ足したりする。
ノートにとるときに漢字が思い出さないこともあります。
残念ながら私も多くなってきています。仕方がないことです。
その場はひらがなやカタカナで書き込むことになります。
しかし、それをそのままにしていたのでは、
いつまでたっても漢字が書けるようにはなりません。
休憩時間や自宅に帰ってから
必ず正しい漢字に修正しておいてください。
これはのちの実習日誌を書くにあたり、
いい習慣づけになると思いますよ。
今のところ以上です。
また思いついたら書き足してみたいと思います。