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8月23日

鉦叩き大きな闇を響かせて
虫の音や扉ひとつに鍵ふたつ
夏の野へ駆け出す少女今無敵
それぞれに気の向くままに吾亦紅
何時までも家に入らぬ子吾亦紅
父母の墓に経唱ふ法師蝉

虫の音の届くところに灯のひとつ

鉦叩き大きな闇を響かせて

打ち水や風の匂ひのふと変はる

ふと変わる風の匂ひや門火焚く

汗しとどこっぷの水の美味し午後

閂を押し分けてくる虫時雨

送り火の消へて暫しは門に佇つ

閂を開けて早めの門火かな

明るさの残る庭にて門火焚く




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8月5日

青田波当駅五分通過待ち  
ふるさとの短夜刻む古時計
炎天の街を生きてる街の川
晩夏光ソフトボールの土ぼこり
腕まくる浴衣の狙ふ射的かな
帰省の子日付大きなカレンダー
欠席の人幾人や仏桑花
夕暮の眠り始めた目高の子

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7月18日句会 出句

満たされて満ちてをりたる蓮の花
淀みなく高き低きに蓮の花    (由加蓮台寺)


ベランダは海へと向きて夏燕

浜へ出る道はひとすぢ夏燕

真紅なるロングドレスで白日傘
つりしのぶ昼も小暗き漁師町
梔子のかをりに開く楽譜かな   (下津井昔回船問屋)

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7月17日

雨音に和したるピアノ蔵涼し
つりしのぶ昼も小暗き漁師町
着物干す二階の窓や釣忍
梅雨晴れ間初熊蝉の声遠く
雨垂れのまだ降り止まず夏遠し
梅雨しずかピアノに耳を澄ませれば
蔵涼しピアノに風の和らげる
鰊蔵奥の小さきかき氷
遅れ来るバス待つ子らや雲の峰
腕白きショートカットや夏帽子
前傾の空のやんまを風が追ふ  

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7がつ10日

浜に出て素足に風をまとひけり
声たてぬ鳥に揺れをり夏椿
海開風に千切るる祝詞かな
海開待つ子ら沖で立ち泳ぎ
折り返すバスの待合雲の峰
雲の峰海はいつでも境界線
なにもかもそのままにして昼寝かな

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