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十二夜 ケータイ投稿記事

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今年三月、ロンドンはバービカンシアターでの「NINAGAWA十二夜」の凱旋公演
2005年の初演から練り込まれ、役者もそれぞれの役を我が物にして、完成度の高い舞台だった。
鏡を使った装置やハープシコードなど目新しい趣向も、歌舞伎からはみ出すことなく、とても楽しかった。

まずは、小田島雄志の訳が良い。シェイクスピアの言葉の遊びを歌舞伎らしく料理。
シェイクスピア台詞の面白さを損なうことなく、かと言ってあくまでも歌舞伎としての様式を壊さない。

オーシーノ公爵:大篠左大臣:錦之助
襲名後一回り大きくなった。最近とみに兄時蔵と似てきた。憂いに沈むが左大臣の貫禄はなくしていない。

オリヴィア:織笛姫:時蔵
気品あり、恋する可愛さも意思の強さもある。脂の乗った感あり。

獅子丸実は琵琶姫:シザーリオ実はヴァイオラ:菊之介
斯波主膳之助:セバスチャン:菊之介
早変わりの連続だが切り替えがはっきりしていて分かりやすい。
序幕の船から大団円まで主膳之助としての出番はなく、獅子丸の姿で琵琶姫の心を見せる。大活躍!

マルヴォーリオ:丸尾坊太夫:菊五郎
フェステ:捨助:菊五郎
煩悩の塊のような坊太夫と道化の捨助、対極にある二人をこれも早変わりで見せる。さすが!

マライア:麻阿:亀治郎
大胆な動き、本来女形であるが立役の味もあり、生き生きと演じている。かいま見える男臭さが笑いを誘っていた。

サー・トービー・ベルチ:洞院鐘道:左団次
出ているだけで面白い。アクの強さが健在で嬉しい。

サー・アンドルー・エーギュチーク:安藤英竹:翫雀
小さな体で体当たりの演技、存在感は大きい。
一幕最後の、左団次・亀治郎と三人の踊りは見ごたえがあった。

二月花形歌舞伎

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浅草歌舞伎の面々がようやく大阪に登場。

日程が思うように取れず、昼夜通しの観劇
眼の疲れ方が尋常ではなく、もう若くはないのを実感した。

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
   粂寺弾正(獅童) 成田屋の指導のもと二度目の弾正とか。語尾は成田屋の匂いがするが、
           セリフ回し全体はぎこちなさが残り、まだまだ自分のものになっていない。
   小野春道(愛之助) 大きさがあり、同年代の中に入ってもちゃんと父親に見える。
   秦秀太郎(勘太郎) 前髪を意識してか、声のトーンを上げた造りで新しい面が見えた。
   錦の前(壱太郎) おおらかな姫で上品。まだ見ぬ許婚に対する恋心も見せた。
   八剣玄蕃(薪車) これまでと違い大きな悪をしたたかに演じている。上達した。
   小野春風(亀鶴) なよっとした造りだが、若すぎず品があって良い。
   秦民部(男女蔵) 家老らしく思慮深い所を見せた。
   小原万兵衛(亀蔵) やはりうまい!久々に拝見したが、貴重な人材。
   腰元巻絹(亀治郎) もっと芸者っぽくなるかと思ったが、きちんと奥女中だった。


二、鷺娘(さぎむすめ)
   鷺の精(七之助) 鷺は病的に美しく感じたが、童は可愛げが少なく、
           全体的に表情の変化に乏しい。踊りが固い印象。


三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
   河内屋与兵衛(愛之助) どこにでもいる、ちょっと粋がっている権太。
              根っからの悪には造らなかったようだ。
   豊嶋屋七左衛門(獅童) 大阪弁が難しい?台詞が不自然。
   小栗八弥(勘太郎) 短い出だが、若殿様風で周囲を威圧する感もある。
   芸者小菊(七之助) 与兵衛をも手玉にとっているやり手の芸者、それもありか?
   妹おかち(壱太郎) 兄を思う心も表現、上出来。
   父徳兵衛(橘三郎) 与兵衛を主人の息子と思う遠慮を前面に出しても、卑屈にならず、うまい。
   兄太兵衛(亀鶴) 一昨年だったか与兵衛も拝見したが、きっちり演じ分けておられる。
   叔父森右衛門(男女蔵) ニンに合った役で、堅物らしく言葉もしっかりしている。
   母おさわ(竹三郎) お手の物…といったところか?これまでより体を小さく小さくして、
            息子に対する弱さを表現しておられた。
   女房お吉(亀治郎) 二人の子供の母親として筋の通った役造りで、
            最後子供のほうへ向かいながら息絶えるのが哀れを誘う。


夜の部

一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
   直吉(愛之助) 安堵・驚愕・怒り・呆然・悟り…と感情の変化を的確に描いている。
   おえん(七之助) 世話女房らしい造り。助蔵の命乞いから、自分の命乞いに変わるところも自然。
   助蔵(獅童) 台詞の途中で咳になるのも、リアル。しっかり自分のものになっている。


二、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)
   斎藤実盛(勘太郎) 勘三郎かと間違える台詞回し。声もそっくり。
            この若さでこの存在感は大したものだ。
   九郎助(亀蔵) 老けも自然。当時の爺は今の50代だろうし、難なくこなせている。
   小よし(吉弥) 今後この手の役が増えるだろうが、もう少しの間若い役を見ていたいと思わせた。
   葵御前(亀鶴) 女形をしても違和感がない。鄙の普段着ででていても、品があるのにびっくり。
   瀬尾十郎(男女蔵) もんどりうって自分の首を落とすのは拍手!この役は左團次丈そっくり。


三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
  市川亀治郎六変化相勤め申し候

   傾城薄雲 ・ 童 ・ 薬売り・番頭新造・座頭・蜘蛛の精(亀治郎) 
        思いもかけぬところから現れたり消えたり…ずいぶん楽しませてもらった。
        すべての役に妖しさがあるが、雰囲気はすべて明確に異なっていた。
   平井保昌(愛之助) 短い出だが最後を締める力がある。
   源頼光(勘太郎) 上出来。貫禄と品とを持ち合わせている。

まあ、楽しみな若手たち。獅童くんはちょっと現代劇(テレビや映画)に出すぎじゃないのか?丸本物に違和感が生じている。七之助は役に応じた変化が少ない。もっと思い切って表現してほしい。

初春大歌舞伎夜の部 ケータイ投稿記事

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千秋楽の近い、最後の日曜日、行きました。

霊験亀山鉾

関西では77年ぶりの上演とか…

昔の作品は内容盛りだくさんで、一日がかりの通し狂言、「もどり」や「二役」が多く
混乱することもしばしば。
かなりの量のせりふが説明となるがそこはまあまあうまく処理できているといえるだろう。

番付で一応知識は仕入れていったがそれでも、ふと勘違いすることがあった。

仁左衛門の藤田水右衛門と八郎兵衛。色悪水右衛門はぞくっとする魅力。
含み笑いと高笑いがあるが、含み笑いは不気味で(←誉めてます)余韻が残る。高笑いは悪そのもの。
客席を飲み込む勢い。
八郎兵衛は滑稽味も併せ持ち、なかなかの二役。

進之介の石井兵介。昼夜通してこの一役だけ。初役とのことだが、及第点。いつもの首を振るような台詞の言いまわしもなく、真面目で実直な若者だった。

薪車の若党轟金六と大岸主税。
金六は仇討ちで主人がやられるのを見ていなければならない悔しさがよく出ている。
大岸主税は存在感が希薄。

名題昇進の仁三郎が、水右衛門の手下で使われている。キーパーソンとして動くが台詞も明瞭で
小悪党らしく、伺うような眼がよい。

翫雀の掛塚官兵衛。ネチネチといやらしそうで強欲な感のある代官を楽しそうに演じている。
普段、人の良い人物を演じることが多いので、意外な一面を見た。結構似合っている。

愛之助の石井源之丞と袖介。源之丞の妻(お松)の兄が袖介。
舞台上ではこの二人は似ている必要はまったくなく、かえって混乱を招くのであえて二役をさせる必要はないと思う。前半で源之丞は殺されてしまうため、役の配分上のことだろう。
愛之助は袖介の方が生き生きとしている。

孝太郎のお松。町家の娘だが武家の嫁としての覚悟もあり、ニンに合っている。

扇雀の芸者おつま。惚れた源之丞のために仇水右衛門を詮索、敢えて源之丞に愛想尽かしをする。
歌舞伎によくあるパターンだが、結果騙されて殺される。二重三重のうそに観客もおつま同様騙される。
反り返る姿も色気がある。

吉弥が石井六之進の妻で手堅い。もっと色々な役ができると思うのだが、最近ちょっと固定されているようで気の毒。

秀太郎の丹波やおりきと後室貞林尼。水右衛門方おりきと石井方貞林尼。ちょっと混乱させられる。
おりきは思いっきりの悪役でひょっとすると水右衛門よりうわてかな?と思わせる。
貞林尼は腰の立たぬ孫のため自分の肝の生き血を与える。←歌舞伎特有のものですね。

段四郎が袖介お松の父、仏作介と大岸頼母の二役。だんまりの場面では作介で出ているはずだが
区別がつかない。楽近かったが、台詞をはずすこともあり健康面に不安が見えた。

2月3日、ようやく加筆修正終了。
大変お待たせしました。

顔見世夜の部

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顔見世の時のみ飾られる、笊に一封、竹を組んで松を飾ったもの、
これは「竹馬」と言うそうです。

さて、感想。23日です。

第一 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)


又平女房おとく:藤十郎
浮世又平:翫雀
土佐将監:竹三郎
北の方:吉弥
修理之助:亀鶴
狩野雅楽之助:扇雀

藤十郎のおとく、翫雀の又平は今回四度目と。
藤十郎独特の鼻に掛かった台詞も、それほど聞き取りづらくはなかった。
何より気持ちが伝わる。
翫雀は実直で一途な役がよく似合う。
七三での物見で又平の真っ直ぐなところがよく解る。
竹三郎の将監は叱りながらも弟子への愛情がある。
吉弥は落ち着いて、品がある。
亀鶴は、今までに観た修理之助と違い、先輩又平に対して気遣いを見せる。
扇雀の雅楽之助は緊迫感の中にすっきりとした男振り。

第二 大石最後の一日

大石蔵之助:吉右衛門
磯貝十郎左衛門:錦之助
おみの:芝雀
堀内伝右衛門:歌六
細川内記:種太郎

以前幸四郎で拝見したが、さすがに兄弟、よく似ている。
表現に少し差は見られるがら根底は同じだと思った。
芝雀のおみのが一途。『嘘を誠に反すため』と自害するが、はじめから死を覚悟してきている。
やはり、歌六の出来がよく、作品を深くする。
種太郎は口跡良く、しっかりしている。

第三 信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)


鬼女:玉三郎
同:門之助・吉弥・笑也・笑三郎・春猿
平維茂:海老蔵
山神:仁左衛門

前半は能仕立て。紅葉の色違いの内掛けで花道に上臈姿の鬼女達が並ぶと壮観。
海老蔵が思ったよりも上背があるので、玉三郎との並びも美しい。
酔いつぶれた維茂を起こしに山神が来るところは狂言風で以外だった。
わざわざ仁左衛門でなくても・・・と少し期待はずれ。若手にさせてもいいのでは?
後半隈取をして鬼女達が登場。六人六様の隈取が興味深い。

第四 源氏物語千年記念 源氏物語(げんじものがたり) 夕顔

光の君:海老蔵
夕顔:扇雀
惟光:猿弥
六條御息所:玉三郎

前の幕とかぶるかぶる。海老蔵・玉三郎共に同じような配役で。
六條御息所が「生霊」という設定のためか
ライティングが薄暗く動きも能仕立てで盛り上がりに欠ける。
第三・第四と連続で同じ顔ぶれ同じ設定ではもったいない。

せっかくの顔見世なのになにか尻すぼみの印象でした。

顔見世昼の部

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第一 正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)

曽我五郎時致:愛之助
小林妹舞鶴:孝太郎

逸る五郎を留める舞鶴。愛之助は初役、孝太郎は四度目。
孝太郎は慣れのせいか、品が無さすぎる。舞鶴ではなく、「土手のお六」
動きに癖があり、おばちゃんっぽい。

第二 八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)

佐藤清正:我當
雛衣:秀太郎
斑鳩平次:進之介
正木大介:愛之助
轟軍次:松三郎改め仁三郎
鞠川玄蕃:由次郎
鬼鹿毛藤内:當十郎

先代仁左衛門の最期の舞台とか。
秀太郎が可愛らしく、我當が大きい。
進之介は台詞廻しのクセが少なく、いつもより聞きやすい。
松嶋屋一門で固め、バランスは良い。
舞台全体の船が壮大。舳先を正面に向けた幕切れは迫力がある。

第三 藤娘(ふじむすめ)

藤の精:藤十郎

良い意味で若い。クドキも青さが残る感じで「憧れ」が見える。

第四 梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)

梶原平三:吉右衛門
大庭三郎:我當
俣野五郎:歌昇
青貝師六郎太夫:歌六
娘梢:芝雀
飛脚谷山早助:錦之助

大庭・俣野の兄弟が悪役に見えない。
演出なのか、二人の持ち味なのか、豪ではあるがストレートな印象。
歌六が良い。坂東吉弥さんの亡くなった今、この人の負う役が大きい。
見せ場が「目利き」で、石切は写実と言うものの期待外れ。
吉右衛門は夜の大石の方が見応えがある。

第五 ぢいさんばあさん


美濃部伊織:仁左衛門
妻るん:玉三郎
弟宮重久右衛門:翫雀
下嶋甚右衛門:海老蔵
宮重久弥:愛之助
久弥妻きく:孝太郎

仁左衛門・玉三郎のぢいさんばあさんを観るのは二度目だが、
作品が完成していて観終わったあとの余韻が心地よい。
悪人が出てこないのも良い。
下嶋も、イヤなヤツではあるが決して悪人ではない。
翫雀・愛之助・孝太郎もニンに合った役で、安心して観ていられる。


夜の部の感想は後日…

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