2007年、ロンドン。パルナサス博士(クリストファー・プラマー)率いる旅芸人一座がやって来る。出し物は、心の中の欲望を鏡の向こうの世界に創り出す摩訶不思議な装置“イマジナリウム”。しかし、怪しげな装置に誰も興味を示さない。そんな中、何かに怯えているパルナサス博士。彼は、かつて悪魔のMr.ニック(トム・ウェイツ)と契約を交わし、不死と若さを得る代わりに生まれてくる娘が16歳になったらMr.ニックに差し出すと約束してしまったのだ。そして、その期限である娘ヴァレンティナ(リリー・コール)の16歳の誕生日が目前に迫っていた。一方、何も知らないヴァレンティナは、偶然救い出した記憶喪失の男トニー(ヒース・レジャー)に心奪われる。トニーは一座に加わり、彼の魅力で女性客が増え始めるが…。
原題:The Imaginarium of Doctor Parnassus
監督:テリー・ギリアム
製作:エイミー・ギリアム、サミュエル・ハディダ、ウィリアム・ビンス
製作総指揮:ディブ・バロウ、ビクター・ハディダ
脚本:テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン
製作国:2009年イギリス・カナダ合作映画
出演:ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール、アンドリュー・ガーフィールド、バーン・トロイヤー、トム・ウェイツ
予告を見た印象では「ファンタジー部分が多く、摩訶不思議なギリアムワールドで難解な作品かな?」と
思ったのですが、その世界にどっぷりはまり面白かったです。
その昔、永遠の命を得るかわりに娘を差し出すと悪魔のニックと約束を交わしたパルナサス博士。
「鏡の中に入った人間がどちらを選ぶか。博士が先に5人クリアしたら、昔の約束は忘れよう」と約束の日の3日前にニックが現れた。
ヴァレンティナに命を助けられたトニーは博士に協力し彼女を守ろうと鏡の中へ入っていく。
トニーが登場する前から“鏡の世界”=博士のイマジネーションの世界を見せて映像で引き込まれます。
そして、博士とニックの関係、トニーという人物への興味、ヴァレンティナはどうなるのかと飽きさせないストーリー展開です。
キャストは申し分ないですね。
クリストファー・プラマーははまりすぎ。パルナサス博士の恐怖心が直に感じられます。
一番最初に配役が決まったというのも納得ですね。この博士役がどっしりしてこそ他のキャストの演技が引き立つという感じです。
ヴァレンティナ役のリリー・コール はクリスティーナ・リッチやデヴォン・青木のような印象ですね。
初めて見たのですがスーパーモデルなんですね。今後も映画出るのかな?
悪魔のニックはトム・ウェイツ。私は勝手にもっと小汚い姿を想像していたのですが・・・
おびえる博士と表情を変えないニックとの2ショットはいいね。
そして、パーシー役は 『オースティン・パワーズ』の“ミニ・ミー”じゃないですか!最近は 『ラブ・グル』に出てましたね。
博士と行動を共にしているパーシーはけっこうポイント高い役どころです。
一座の一員のアントンにアンドリュー・ガーフィールド。「どっかで見たな」と思ったら 『大いなる陰謀』の大学生でした。
アントンの行動も要チェックですよ。
この作品の話題はなんと言っても“ヒース・レジャーの遺作”を3人の俳優が引き継いだことですね。
トニーは途中からの登場だったので見ている間は映画に集中しているので“遺作”という意識は消えていたのですが、ラストに出た控え目な「memory of・・・」でぐっときました。
家に帰ってすぐに HPを見たのですが、そこで「ヒース死亡の衝撃と友人達の深い愛による完成への道のり」を読んで涙が出そうになりました。
現実の世界のトニーをヒース・レジャー。
1番目の鏡の中トニーはジョニー・デップ。お金持ちの奥さまをエスコートするジゴロ風。
2番目の鏡の中トニーはジュード・ロウ。謎のロシア人に追われています。
3番目の鏡の中トニーはコリン・ファレル。ヴァレンティナのために鏡の中へ飛び込んだのですが・・・
4人ともそれぞれの持ち味が十分に出てるんですよね。
こんなこと言っては不謹慎ですが、鏡の中のトニーを3人で演じることによって映画的な面白さは増したと思いました。
トニーの謎もだんだん明らかになっていき、その性格も表現されてます。
社会風刺、人間のもっている“善と悪”の心などを描いているところは 『未来世紀ブラジル』で見たテリー・ギリアムの世界と通じるものがあります。
ジュードのパートでの“警官募集”は監督らしくて笑ってしまいました。
“鏡”という境界線で現実の世界とイマジネーションの世界を分けているので見ている側にもわかりやすくなっています。
“ギリアムワールド”全開で個性的な作品ですが万人に受け入れられる作品ではないでしょうか。
ラストはちょっと意外な展開でしたが・・・私は好きな結末でした。
ジョニーファンとして一言
「超かっこええ!!!」
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