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音楽とは縁がない人でも‘ジャジャジャ・ジャーン`くらいは知っている人は多いはず。おそらくクラシック音楽の中でも、部分としては最も有名な曲であることは間違いない。
ベートーヴェンの交響曲の中でも特異な構造様式を持つこの第5番は、主題のめくるめく様な展開といい、たたみかけるようなクライマックスの後のクライマックスなどにもかかわらず、全曲の建築的な構成の統一性を不思議なまでの簡潔さで実現している。
そう、偉大なものは単純であるということを実証しているのです。
とかく腕力で押し通すだけの演奏だと聞えはいいかもしれないがつまらない。しかし、他の曲に比べ、どんな演奏をしてもそれほどひどくはならない。どんな解釈をしても通用するのではないだろうか。
これはひとえにこの曲自体の持つ、確かな構成によるもの。どんな解釈が来てもビクともしない。
そんなわけで一番最近聴いたものがベスト演奏ともなりかねないのだが(他の8曲も例外ではないが)
今回は、‘正規盤`の中から今日の時点での私のお気に入りの演奏をご紹介。
皆さんが挙げそうな演奏は外そうかとも思ったが、どうも頭に浮かぶのはありふれたものばかり。
全部聴いた後のお勧めに期待?してください。
まずは、誰に文句言われようがこれだけは外せないのがフルトヴェングラーの演奏。
7種類も持っていると言いたいのだが、現在残っているフルトヴェングラーの録音は12種ある。
※フルトヴェングラー/ウイーンフィル (1954.2) スタジオ録音
※フルトヴェングラー/ベルリンフィル (1947.5.27) ライブ録音
晩年のスタジオ録音。フルトヴェングラーはスタジオでの録音の時は、演奏スタイルを変えている。
後世に残す音楽として、テンポをあまり動かさず自分の感情を抑えている。フルトヴェングラーがすごいのは、この様なスタイルでもすごい演奏ができるということだ。
ライブの方は、この2日前の25日にフルトヴェングラーはベルリンフィルと、大戦後の復帰演奏会を迎えた。この歴史的初日のライブの5番も存在しているが悔しいことにまだ未聴。
さて、この演奏は良くも悪くもフルトヴェングラーのすべてが出ている演奏。
今は楽譜の臨界を越えた恐るべき演奏、とだけ言っておきましょう。
※クレンペラー/フィルハーモニア管 (1959.10) スタジオ録音
※クレンペラー/ウイーンフィル (1968.5.2) ライブ録音
晩年のクレンペラーはあくまで、曲の構成を表現した演奏を行った。よって、スタジオとライブではスタイルは、ほとんど変わらない。非常にゆっくりとしたテンポで巨大な音楽が創り上げられる。ウイーンフィルとのライブは、緊張感がものすごい。しかし、何度も聴けるのはスタジオ録音の方。
※セル/クリーブランド管 (1963.10) スタジオ録音
※セル/ウイーンフィル (1969.8.24) ライブ録音
クリーブランドとの演奏は非常に完成度が高い。もしかすると、この曲の一番完成された演奏かもしれない。ウイーンフィルとのライブは微妙なズレがあるのだが(セルとウイーンフィルとの関係のせい?)
これもまた、ピーンと張りつめた演奏。
と、スタジオ録音もすごいが、ライブはもっといい、という3組の演奏を紹介したが、もう少し。
※チェリビダッケ/ミュンヘンフィル (1992.5) ライブ録音
例えば、一楽章の例の‘ジャジャジャ・ジャーン`の音形がどこに、どのようになっているかが、スコアなしでもチェリビダッケがちゃんと教えてくれている。
※ライナー/シカゴ交 (1955?) スタジオ録音
聴こうと思って、LPを取り出したのだが、なぜかすごい傷が入っていて聞くことができなかった。
記憶ではトスカニーニよりも印象に残っている。ライナーももっともっと聴かれて良い指揮者です。
※クナーッパーツブッシュ/フランクフルト放送管 (19623.1) ライブ録音
クナはまじめにベートーヴェンを振れば凄いのです。
※ティーレマン/フィルハーモニア管 (1996.7) スタジオ録音
デビューから何か持っていましたね。次のベートーヴェン、是非全曲を録音してほしい。
※カルロス・クライバー/ウイーンフィル (1974.5) スタジオ録音
多分、一番人気もあるだろう演奏。2枚目のCDにはこれが良いかも。
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