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Ep.77 わがまま 目次
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..Ep77 わがまま
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詳細
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♪♪♪
チェギョンは庭にでると、夜空を見上げていました。
チェギョン :「星がきれい・・・」
チェギョンはため息をつくと、噴水の脇にあるベンチに座りました。
チェギョン :「気にしない、気にしないって・・・気になっちゃう」
チェギョンは手に持ったカクテルを一口飲みました。
♪♪♪
ユルは、戻ってこないチェギョンを気にして辺りを目で探していました。
ソヨン :「まぁ、おば様だわ」
ユルはソヨンが叔母のもとに歩いていくのを見て、そっと庭に向かいました。
ソヨン :「おば様、こちらが・・・あら?ユルさん?」
ソヨンは慌てて庭に向かうユルの後姿を見つけて、不愉快そうににらみました。
ソヨンのおば :「ソヨン、どうかしたの?」
ソヨンは慌てて微笑みました。
ソヨン :「いいえ、なんでもないわ。
おば様、ゆっくりしていらしてね。 今ユルさんを探してくるから・・・」 ソヨンはユルの後を追いかけました。
♪♪♪
ユルは庭に出ると、庭で歓談している招待客に挨拶しながらチェギョンを探しました。
ソヨン :「ユルさん、私ならここにいます」
ユル :「ソヨン・・・」
ソヨンはユルの手を握りました。
ソヨン :「ユルさん、今日は何のパーティー?」
ユル :「・・・」
ソヨン :「今からでも、白紙に戻せるわ」
ユル :「ソヨン、何を言うんだ?」
ソヨン :「ユルさんこそ、妃宮様を気にかけてばかりじゃない」
ユル :「特別気にかけているわけじゃない」
ソヨン :「そうかしら?」
ユル :「久しぶりに会った家族が、異国の土地で困っていたら、気にかけて当然だろう」
ソヨン :「家族?」 ユル :「チェギョンは従弟の妃だ。
家族だ」 ソヨン :「・・・そういえば、許されるとでも?」
ユル :「ソヨン?」
ソヨン :「家族なのに、特別な思いが・・・」
ユル :「ソヨン、いい加減にしないか」
ソヨン :「・・・」
ユル :「過去まで全部君にあげれるのなら、喜んでそうする。
でも、僕があげれるのは未来だけ・・・。 僕の未来に君しかいないのに・・・」 ソヨン :「わかってるけど・・・嫌なものは嫌なの!」
ソヨンはうつむいて屋敷に戻っていきました。
チェギョンは二人のやり取りを隠れてきいていました。 チェギョン :「ソヨンにとって私はヒョリンってことね。
きっとヒョリンも同じ気持ちよね。 『いつまでも、私を巻き込まないで・・・』」 チェギョンはため息をつくとユルに気づかれないように屋敷に戻っていきました。
♪♪♪
ユルは、ソヨンの後姿を見つめていました。
シン :「おい、俺の苦労がわかったか」
ユル :「シン・・・」
シン :「手強いぞ」
シンはユルの肩をたたきました。
ユル :「どうしたらいいのか・・・」
シン :「さぁな、他の女友達にはなんとも思わないくせに、何が違うのか・・・。
俺の気持ちが信じられない訳でもないだろうに・・・。 ソヨンが言うように、心が嫌って言ってるんだろうな」 ユル :「嫌だってわかってて、なんでヒョリンを呼んだんだ」
シン :「インが年明けには入隊するそうだ」
ユル :「インが?」
シン :「ヒョリンを帰国させてほしいと言われた」
ユル :「帰国?でも、入隊までインがフランスにいれば・・・」
シン :「ヒョリンの母に挨拶したいそうだ」
ユル :「そうか・・・」
シン :「ヒョリンは自由に帰国できる状態じゃない」
ユル :「そうなのか・・・」
シン :「インも承知なのにそれでも頼んできた」
シンとユルは近くのベンチに並んで座りました。
シン :「ヒョリンの帰国は、皇后の許可がいる。
でも、皇后不在の今、チェギョンの許可がいる」 ユル :「チェギョンならすぐに許可するだろう」
シン :「たぶんな」
ユル :「それなら、チェギョンにそのことを話すべきだろう」
シン :「俺も、陛下も考えが一緒だった」
ユル :「考え?」
シン :「チェギョンは、自分の気持ちを抑えて人を許す。
だから、きっとヒョリンのことも喜んで許可するだろう。 でも、帰国となれば、ヒョリンを監視するのはチェギョンだ。 宮殿に呼ぶことも、俺と話すところを見ることももちろんある。 晩餐会の余興でバレエを披露することもあるだろう」 ユル :「チェギョンなら喜んで・・・」
シン :「お前、今、見てなかったのか?
俺はチェギョンにたとえ心の中ででもあんな顔をさせたくない」 ユル :「心の中でも・・・」
シン :「やっぱり帰国は無理だな。
このことはヒョリンには言っていない。 がっかりするのはインだけだ」 ユル :「シンはやっぱり優しいな」
シン :「ははは、何だよ、それ」
ユル :「でも、今のチェギョンはひっかかれた傷で痛がってる。
深く傷つかないようにシンが守ってくれてることなんて気づかずに・・・」 シン :「いつものことだ、伝わらないのは・・・」
ユル :「結果が出たなら、わけを話してあげろよ。
チェギョンはシンが思うよりずっとシンお言葉を待ってる。 僕が散々シンはヒョリンを忘れないって言い聞かせた・・・」 シン :「ここから先は、俺とチェギョンで解決する問題だ。
お前は、ソヨンと解決する問題があるだろう?」 ユル :「そうだな」
ユルはうつむいてため息をつきました。
シン :「ったく、仕方ないな。
今日だけは俺が助けてやる。 婚約祝いだ」 ユル :「シン?」
シンはふふっと笑うと、屋敷に戻っていきました。
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♪♪♪
シンはパーティー会場に戻ると、ソヨンの前にスタスタっと歩いていきました。
ソヨン :「シン・・・」
シンはソヨンをにらみました。
シン :「ソヨン嬢、お待たせしたようだな」
ソヨン :「え?」
シンの後にきたユルは慌ててソヨンの隣に立ちました。
ユル :「皇太弟殿下にご挨拶は・・・」
シン :「私もこの会場に知り合いが多い。
私に挨拶する間がなかったのだろう?」 ソヨン :「はい・・・、皇太弟殿下、お越しいただき、ありがとうございます」
ソヨンは英国風にドレスの裾をあげて、礼をしました。
シン :「ユル、婚約披露からソヨンに弱くてどうする」
ユル :「え?」
シン :「俺を探しにわざわざ庭まで来たのなら、ソヨンを連れてくるべきだろう。
まったく、なんで俺が出向かなきゃいけないんだ」
ユル :「申し訳ありません」
ユルは、シンお顔を見ました。
シンは、ふふっと笑うと、話を合わせるように目くばせしました。
ソヨン :「ユルさん、さっき庭に行ったのは殿下を探しに?」
ユル :「え?あぁ、妃宮が殿下を探しているようだったから・・・。
あとを追えば、殿下に会えるかと・・・」 ソヨン :「私はてっきり妃宮様と二人きりになりたいのかと・・・」
シン :「何お話だ?」
ソヨンははっと慌ててうつむきました。
シン :「まぁ、今日の主役は二人だから、大目に見るが、ソヨン、これからはせめて公の場ではユルに
従うように、いいな」
ソヨン :「はい、殿下」
シン :「ユル、英国式の挨拶も非公式ならば許されるが、英国にいても、王族であるならば、皇族に対しては
韓国式であいさつするように」
ソヨンは、驚いてユルを見ました。
ユルは、大丈夫とソヨンに目で合図しました。
ユル :「はい、殿下」
ユルが一礼するのと合わせて、ソヨンも一礼しました。
コン内官 :「殿下そろそろお戻りの時間です」
シン :「ふふ、助け舟が絶妙だな。
コン内官、ユルを叱咤しているわけではありません。 ご心配なく」 コン内官 :「殿下・・・」
シン :「コン内官、妃宮は?」
コン内官 :「あちらに・・・」
コン内官が一礼する先には、ヒョリンと話すチェギョンがいました。
シン :「話が終わったら私のもとに」
コン内官 :「かしこまりました」
シンは二人の様子を見ていました。
♪♪♪
ひとりカクテルを飲むチェギョンのもとにヒョリンが現れました。
ヒョリン :「妃宮様、ご無沙汰しております」
ヒョリンは最高礼をしようとしました。
チェギョン :「ヒョリン、それはいいわ。
今日はユル君の家族っていうことだから」 ヒョリンは軽く一礼しました。
チェギョン :「元気そうで、安心したわ」
ヒョリン :「先ほど殿下にご挨拶した時、お見えにならなくて・・・」
チェギョン :「ヒョリン、敬語も今日はいいわ」
チェギョンは寂しそうに微笑みました。
ヒョリン :「・・・何かあったの?」
チェギョン :「何もないけど・・・」
ヒョリン :「今日実はチェギョンに聞きたいことがあったの」
チェギョン :「なに?」
ヒョリン :「インがね、もうすぐ入隊しるの」
チェギョン :「え?」
ヒョリン :「最近は会えないけど、いつもメールとか電話とかしてたのに・・・。
2年も会えなくなる・・・」 チェギョン :「そうね」
ヒョリン :「小さい時から、そばにいてくれたから・・・」
チェギョン :「寂しくなるわね」
ヒョリン :「チェギョンはどうやって過ごしていたの?」
チェギョン :「え?」
ヒョリン :「海外で、殿下にあえなかったでしょ?」
チェギョン :「会えないって言っても、結局1年も経たずに宮殿に戻れたから・・・」
ヒョリン :「でも、宮殿を出るときは、一生会えないかもって覚悟したんじゃないの?」
チェギョン :「・・・」
ヒョリン :「寂しくなかった?」
チェギョン :「まあね。
公務が忙しくて、電話とかもなかなかなかったし・・・」 チェギョンは視線を感じて、シンの方を見ました。
シンは「ん?」っという顔をしてチェギョンを見ていました。 ヒョリン :「そうなのね。
連絡がないと、心変わりしたのかと思ってしまいそう・・・」 チェギョン :「・・・心変わりなんて、思ってもなかったわ」
ヒョリン :「信じてたのね」
チェギョン :「信じてたっていうより、疑ってなかったって感じ・・・」
チェギョンは見つめるシンに優しく微笑みました。
チェギョン :「シン君を思っても、寂しいだけだから、海外にいる間は、たくさん学びたいと思ったわ。
夢を持って・・・」 ヒョリン :「夢・・・」
チェギョン :「ヒョリンの夢はプリマドンナでしょ?」
ヒョリン :「ううん、今は違うの・・・韓国でバレエの先生になりたくて・・・」
チェギョン :「そうなの?
ヒョリンなら、きっとなれるわ」 ヒョリン :でも、帰国できないかもしれなくて・・・それならフランスで通訳にもなってみたくて・・・」
チェギョン :「ふふふ、ヒョリンは欲張りね」
ヒョリン :「さっき殿下にも同じことを言われたわ」
チェギョン :「シン君に話したの?」
ヒョリン :「私、宮殿の許可がないと何もできないから・・・。
本当はチェギョンから殿下に話してほしかったんだけど、挨拶で忙しそうだったから・・・」 チェギョン :「そうだったのね、それでさっきシン君と・・・。
シン君はなんて?」 ヒョリン :「約束はできないって・・・」
チェギョン :「わかったわ。
私からもう一度お願いしてみるわ」 ヒョリン :「ありがとう。
でも、インが戻ってくるまでは、夢に向かって頑張るわ。
チェギョンがそうしたように・・・。
フランスで、もっとバレエの勉強をするわ。
インを待っているんじゃなくて、夢の実現のためにね」
ヒョリンは微笑みました。
チェギョン :「ふふふ、その調子、その調子」
チェギョンは優しく微笑みました。
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シンとチェギョンはユルのパーティーから宮殿に帰る車の中にいました。
チェギョン :「さすが元皇太子のパーティーだったわね。
俳優さんとかも来てたわ」 シン :「ソヨンの家は、孤児の施設を経営しているから、福祉団体とかの組合員もたくさんいた。
招待されていた俳優も、ボランティア活動に積極的な人ばかりだ」 チェギョン :「そうなのね」
シン :「疲れてないか?
明日は今回の渡英の目的になる公務だ」 シンはチェギョンの手を握りました。
チェギョン :「大丈夫よ」
シン :「そうか」
シンは優しく微笑むと、チェギョンの頬をなでました。
チェギョン :「シン君、ヒョリンの話だけど・・・。
もう自由に帰国とかしても・・・」
シンはキッとチェギョンを見ました。
シン :「帰国は許可できない」
チェギョン :「どうして?」
シン :「その件は、陛下と俺で決める。
お前には関係ない」 チェギョン :「関係ないって、ヒョリンに頼まれたのよ。
母国でバレエを教えたいっていうのが、今の夢だって・・・」 シン :「ヒョリンの夢を叶えるために、妃宮であるお前が俺に頼みごとか?」
チェギョン :「・・・」
シン :「わがままが言える立場じゃない」
チェギョン :「わがまま?!ひどいことを言うのね。
ヒョリンだけが悪いの? 確かにシン君を苦しめたけど、それだって、シン君をただ好きだっただけじゃない」 シン :「おい、俺が自分を苦しめたから仕返しでをしているとでもいうのか?!
そんなことで・・・」
チェギョンはシンをにらんでいました。
シンはため息をつきました。 シン :「とにかく、お前は気にするな」
チェギョンはシンの手を放しました。
チェギョン :「いつもそう・・・気にしたくないけど・・・」
チェギョンは寂しげにいうと、窓の外を見ました。
♪♪♪
宮殿につくと、チェギョンは着替えるためチェ尚宮とドレスルームに向かいました。
シンはコン内官と明日の打ち合わせのため書斎へ向かいました。 コン内官 :「殿下、妃宮様はお疲れのようですが・・・」
シン :「私に不満があるのでしょう。
いつものことです。 それよりも、明日の予定を」 コン内官 :「明日は、パク氏をご訪問の後、ロイヤル・オペラ・ハウスにてバレエのご鑑賞となっております」
シン :「わかりました」
コン内官 :「陛下より、妃宮様の体調により予定を変更するようにと・・・」
シン :「わかっています」
コン内官は一礼すると部屋を出て行きました。
シンはネクタイを緩め、ため息をつきました。 ♪♪♪
チェギョンは黙って着替えていました。
チェ尚宮 :「妃宮様、お疲れですか?」
チェギョン :「えっ?
いいえ・・・」 チェ尚宮 :「少しお話してもよろしいですか?」
チェギョン :「いいわよ。
チェ尚宮からお話なんて、なんだか怖いわ。 怒られそうで・・・」 チェギョンは椅子に座ると、チェ尚宮を見つめました。
チェ尚宮 :「先ほど、ファヨン様とお話になる妃宮様を見て、とても誇らしく思いました。
ファヨン様が宮殿におられた時、妃宮様はいつも弱弱しくしておられましたが、先ほどは 皇太弟妃という凛とした様子がうかがえました」
チェギョン :「そう?
そんなつもりはなかったけど・・・」 チェギョンは嬉しそうに微笑みました。
チェギョン :「チェ尚宮姉さんに褒められるなんて、嬉しいわ。
ちょっと嫌なことがあったけど、どっかに飛んで行ったみたい」
チェギョンはへへっと笑うと、鏡を見ながら、髪を直しました。
チェギョン :「ふ〜、パーティーって言ってもあらたまっているから、疲れちゃうわね」
チェ尚宮 :「妃宮様、お疲れにはホットココアがよろしいかと思いますが」
チェギョン :「そうね!
ふふふ、ココアがご褒美?」 チェ尚宮は優しく微笑みました。
チェギョン :「ココア・・・。
あの憎たらしいバカシンにも飲ませなきゃ」 チェ尚宮 :「妃宮様、そのような・・・」
シン :「誰が、バカだ」
チェギョン :「怒りん坊のわからず屋は、甘いココアでも飲むといいわ。
少しは優しくなるでしょ!」
シン :「なに!」
チェギョンはベーっと舌を出すと、チェ尚宮の手をひいてドレスルームを出て行きました。
シンはふふっと笑うと、上着を脱ぎました。 |
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♪♪♪
シンはチェギョンが用意したココアを飲みながら、資料を読んでいました。
シン :「そろそろ、休むか・・・」
シンはベッドに横になりました。
シン :「別々に休むのは久しぶりだな。
キングサイズのベッドだから広い・・・」 シンは手足を伸ばしました。
チェギョン :「シン君、もう寝てる?」
シン :「どうした?」
シンは起き上がると扉を開けました。
扉の前には枕を抱えたチェギョンがいました。 チェギョン :「ひとりじゃ怖くて・・・」
シン :「はははは、まったく・・・」
チェギョンはシンの部屋に入ると、ベッドにもぐりこみました。
チェギョン :「ふ〜、怖かった」
シン :「ゴーストでも出たか?」
チェギョン :「ハリーポッターのお化けみたいに、絵が動きそうなんだもん」
シンはチェギョンの隣に横になると、チェギョンを抱き寄せました。
シン :「ほら、こうしているから、目を閉じて」
チェギョン :「うん」
チェギョンは目を閉じました。
シンはチェギョンのおでこにKissすると、ゆっくり目を閉じました。 ♪♪♪
ジュンは目を覚ますと、むくっと起き上がりました。
ジュン :「まんまんまーー」
イリ :「おはようございます」
ジュン :「あいあいあー」
イリはジュンを抱き上げました。
イリ :「ジュン様、お着替えして、お食事をしたあと、皇太后様のお部屋に行きましょう」
ジュン :「はーい」
ジュンは手をあげました。
♪♪♪
ジュンは朝食の後、イリと手をつないで皇太后の部屋に向かっていました。
ジュン :「あ!いー」
ジュンは庭にいた蝶を指さしました。
イリ :「ちょうちょですね。
ひらひらと綺麗ですね」 ジュン :「こっちよ〜」
ジュンは手招きしました。
イリ :「ちょうちょは楽しくお散歩中です」
ジュンは立ち止まりました。
ジュン :「じゅんも〜」
イリ :「ジュン様は、皇太后様への朝の挨拶がございます。
昼食の後、お散歩の時間に」 イリはジュンの手をひきました。
ジュン :「いやー」
ジュンはイリの手をはらうとバイバイと手を振りました。
イリ :「ジュン様、どちらに行かれるのですか?」
ジュンはその場にしゃがむと回廊の手すりの隙間から庭をのぞきました。
イリ :「皇太后様がお待ちです」
ジュンはイリの顔を見ると、立ち上がって、皇太后の部屋の方に歩き出しました。
イリ :「ジュン様、お手を」
ジュンはいやいやと手を振って逃げるように小走りでかけて行きました。
イリは慌てて追いかけて行きました。 護衛 :「ジュン様、おはようございます」
ジュンは、廊下の曲りばなに声をかけられてびくっと驚くと、あとから追ってきたイリの後ろに隠れました。
イリ :「おはようございます」
ジュンはイリの手を握りました。
イリ :「ジュン様、ご挨拶を」
ジュン :「おはよーます」
護衛は一礼しました。
イリはジュンの手を握りなおしました。 イリ :「ジュン様、お手をつないでいないと、危ないですよ」
ジュン :「あーい」
イリ :「では、参りましょう」
ジュン :「こーままね」
ジュンは廊下の先を指さしました。
イリは優しく微笑みました。 ♪♪♪
ジュンはお昼ご飯を食べていました。
ジュン :「ふぁ〜」
ジュンはあくびをすると、目を閉じて口をもぐもぐしていました。
イリ :「ジュン様、少しお休みになりますか?」
ジュン :「まんま・・・」
ジュンはスプーンをくわえたまま、うっつらうっつらしていました。
イリ :「ジュン様!」
イリは、ジュンのおでこに手を当てて、スプーンをそっと取りました。
ジュン :「やー、まんま・・・」
イリは、ジュンを抱き上げると、ステレオの電源を入れました。
イリ :「父上の演奏ですよ」
ステレオからは、シンが奏でるピアノが流れていました。
ジュンは、スヤスヤと眠り始めました。 女官 :「ジュン様のお食事はまだ途中ですが・・・」
イリ :「皇太后様のご挨拶のあと、散歩に行きたいと言われて、庭で蝶を追いかけて遊んでおられた
ので、少しお疲れになったのでしょう。
おやつを少し多めに用意してください」 女官 :「かしこまりました」
イリはジュンを抱いたまま、遊び場に転がっているアルフレッドを手に取りました。
イリ :「ジュン様、アルフレッドですよ」
イリは、ジュンをベッドに寝かせると、アルフレッドを隣に置きました。
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