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宮 〜Love in Palace〜 に魅せられて
ドラマ「宮」の二次小説を書いています。書庫Top」に注意事項があります。必ずお読みくださいね。小説は書庫一覧からご覧くださいね〜

書庫..Ep78 おもてなし

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Ep.78 おもてなし 1

シンは皇太后の部屋へ朝の挨拶のため向かっていました。
 
シン   :「コン内官、お願いがあります」
 
コン内官 :「はい、殿下」
 
シン   :「トカゲを用意してください」
 
コン内官 :「トカゲですか?」
 
シン   :「ジュンに見せたいので」
 
コン内官 :「ジュン様に?」
 
シン   :「陛下の驚いた声をきいて、怪獣は怖いと言っていますが、
       もともと怪獣は好きだったはずなのです。
       砂場で遊ぶときは、怪獣になりきっていました。
       ですから、近くで見れば大丈夫でしょう。
       このままでは、怖さで散歩に行きたがらくなりそうです」
 
コン内官 :「わかりました」
 
ジュン  :「ぱぱ」
 
シンはジュンの声に振り返りました。
 
ジュン  :「ぱぱ、てって」
 
シン   :「ほら」
 
シンは立ち止まるとジュンの手を握りました。
 
シン    :「コン内官、朝の挨拶のあと、皇太后様の部屋でお話があると
        聞きましたが、ジュンもですか?」
 
チェギョン :「皇太后様のお話?」
 
ジュンと後から歩いてきたチェギョンはチェ尚宮の方を見ました。
チェ尚宮はうなずきました。
 
コン内官  :「はい、皇太弟殿下と妃宮様にお話があるということでした」
 
シン    :「わかりました」
 
ジュンは庭の方を見ていました。
 
ジュン    :「ぱぱ かじゅ いない?」
 
シン     :「いないから安心しなさい」
 
チェギョン  :「イリさんがやっつけてくれるわ」
 
ジュン    :「いー」
 
イリ     :「はい、こちらに」
 
イリは後ろから声を返事をしました。
 
シン     :「皇太后様への挨拶が終わったら先に東宮へ帰って食事を
          していなさい」
 
ジュン    :「はーい」
 
チェギョン  :「ふふふ、わかっているのかしらね」
 
シンは笑顔で見上げるジュンの頭を優しくなでました。
 
♪♪♪
 
皇太后の部屋で、シンとチェギョンの間にジュンはちょこんと座っていました。
 
皇太后    :「ジュン、こちらへ」
 
ジュンはソファから降りると、皇太后のそばにかけていきました。
 
皇太后    :「ジュン、父上と、母鵜へがお帰りになっても、私のお部屋に
         遊びに来てくれますか?」
ジュン    :「はーい。ぱぱ、まま、ね」

ジュンは机を指差して言いました。
 
皇太后   :「ほほほ、そうね。
        ジュン様の父上が作ってくださった本を一緒に読みましょう」
 
シン    :「あの本ですか?」
 
皇太后   :「はい、あの本です。
        文字も、挿絵もジュン様が学びやすいように選んであって、
        大変良い物でした。
        とりわけ、妃宮の表情がとてもかわいらしい・・・ふふふ」
 
チェギョン :「表情?」
 
皇太后   :「あら、妃宮は見ていないの?」
 
チェギョン :「絵を描いたのは私ですが、写真はシン君が・・・」
 
シンは笑いをこらえてすまし顔をしました。
 
チェギョン :「まさか!?」
 
皇太后   :「ほほほ、とてもかわいらしい写真ばかりでしたよ」
 
ジュン   :「ぷーなまま」
 
ジュンは頬をふくらました。
 
皇太后   :「そうね、怒ったママね」
 
チェギョン :「もう、ジュン・・・」
 
チェギョンは恥ずかしそうにうつむきました。

Ep.78 おもてなし 2

コン内官 :「殿下、ジュン様の退席の時間です」

シン   :「わかりました。
        ジュン、イリと東宮へ」

ジュン  :「は〜い」

ジュンはイリの方へかけて行こうとしました。

チェギョン:「ジュン、ご挨拶は?」

ジュンはくるっと振り返ると、皇太后に向かってちょこんと頭を下げました。

皇太后  :「はい、また後でいらっしゃいね」

ジュン  :「はーい」

ジュンはイリと手をつなぐと、東宮へ戻っていきました。

♪♪♪

皇太后の部屋には、シンとチェギョンがいました。
 
皇太后 :「皇太弟、妃宮、改めて、公務が無事終わり、なによりでした」
 
シン  :「はい、パク夫人との面会はかないましたが、国宝の返却までは話が
      進まず、残念です」
 
皇太后 :「そのことですが、陛下宛の書面に、返却の意思があると書いてあった
      そうです」
 
チェギョン:「え?そうですか・・・」
 
チェギョンは少し顔を曇らせました。
シンは咳払いをすると、シンのほうを向くチェギョンを睨みました。
 
皇太后  :「妃宮、何かパク夫人から聞いたのですか?」
 
チェギョンは困った顔でシンを見ました。
 
シン   :「はい、皇太后様。 
       国宝である笛が、パク夫人の手元に渡ったいきさつを聞きました」
 
皇太后  :「そうですか。 
       あの笛は聖祖陛下のお心遣いであることを、聞いたのですね」
 
チェギョン:「はい・・・」
 
皇太后  :「あの笛をお渡しになった時、陛下はもちろん、わたくしも幼くて
       その行為がどういう意味を持っているのかまで、知らなかったのです」
 
チェギョン :「意味・・・ですか?」
 
皇太后   :「あの笛には、古(いにしえ)に定められた「意味」があるのです」
 
シン    :「「意味」・・・。
        それは、パク夫人もご存じではないということですか?」
 
皇太后   :「今は存じていると思います」
 
皇太后は聖祖陛下の写真を手に取りました。
 
 

Ep.78 おもてなし 3

皇太后は聖祖陛下の写真を手に取りました。

皇太后  :「妃宮、宮殿と言うところは、時に理解のできないことが
        当たり前に行われるところなのです」
 
チェギョン :「・・・」
 
皇太后   :「古の宮殿では、正室と側室という制度がありました。
         知っていますか?」
 
チェギョン :「はい、聞いたことがあります
 
皇太后   :「側室は、正室が認めた女性であったことということは
         知っていますか?」
 
チェギョン :「え?!愛人を認める?!」
 
皇太后  :「皇后である正室は、この国を統括する世継ぎを産み育てなければ
        なりません。
        そして自分にお世継ぎが授からない場合には、側室の子供が世継ぎ
        になるのです。
        見知らぬ側室が陛下の寵愛を受け、その子が世継ぎになる、正室に
        とってこれ以上の裏切りはありません。
        しかし、正室が信頼できるものが側室となるなら、産まれた世継ぎにも
        わが子のように愛情をそそげることであろうということが、その側室
        制度の掟です」
 
チェギョン :「信頼できるって・・・」
 
皇太后   :「幼い側室は、正室が作法なども教育していたと聞いています」
 
チェギョン :「・・・」
 
シン     :「もしかして、あの笛は・・・」
 
皇太后   :「そうです。
         正室が、側室と認めたものに渡す笛です」
 
チェギョン :「そんな・・・」
 
皇太后   :「何のいわれもないものならば、聖祖陛下のお心仕えである贈り物を
         取り返すなど思いませんでした。
         しかし、悪縁は悪縁を呼ぶのです。
         そのようないわれのある以上、やはり、宮殿で保管するべきであると
         思うのです」
 
シン     :「パク夫人もいわれを知ったから、自分がなくなったら宮殿へ返すよう
         にと伝えていたのかもしれません」
 
皇太后   :「亡くなったら・・・」
 
シン     :「はい、あの笛を手元に置いているのは、陛下のお気持ちを思って
         のこと、それは、今も陛下をお慕いしているということではなく・・・。
         パク夫人はご主人をとても愛しているので、亡くなった後も、
         ご主人と過ごすため、陛下のお気持ちはこの世にと・・・」 
 
皇太后   :「そうですか」
 
皇太后は笛を手にすると、おもむろに吹き始めました。

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