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チェリンは、一人で宮殿の中庭の散策をしていました。
チェリン :「ふふふ、ダーリンはどこかしら〜」 チェリンは、あたりをキョロキョロ見回しました。 〜東宮見学会初日〜 宿舎に帰ったチェリンは、シンと廊下でぶつかりそうになった話を友達のチョンアに自慢していました。 チェリン :「お花を受け取った後、シン皇太弟様が歩いてくるのが 見えたのよ〜。 だから、歩数を合わせて〜」 チョンア :「ぶつかったんでしょ」 チェリン :「ちょっと、何よ!」 チョンア :「もう、何万回も聞いたわ」 チョンアはあきれて言いました。 チェリン :「そうだっけ? はぁ、それにしても、素敵な方だわ〜」 チョンア :「はい、はい。 もう、明日も早いんだから、部屋に戻るわ」 チェリン :「ふふふ、うらやましいなら、そう言ったら? よし! 明日も皇太弟様に会えるように、頑張ろう!」 チョンアははいはいというと、部屋に戻っていきました。 チェリンは部屋に入ると、早速鞄を取ってきました。 チェリン :「皇太弟様に覚えてもらうには・・・」 チェリンは小箱を取り出しました。 小箱の中には、コロンの小瓶がたくさん入っていました。 チェリン :「これこれ。 このコロンで、香袋を作って〜」 テヒ :「あら、お帰り」 チェリン :「テヒさん、ただいま、帰りました」 チェリンは嬉しそうにしていました。 テヒ :「ふふふ、いいことがあったみたいね」 チェリン :「えぇ、今日廊下で・・・」 チェリンは、今日の出来事を話しました。 テヒ :「ふふふ、あなたって、本当に皇太弟様が好きなのね」 チェリン :「う〜ん、ちょっと違うかな〜。 皇太弟様が、素敵な方でよかったっていう感じ」 テヒ :「ん?」 チェリン :「私、側室になりたいの。 安定した優雅な生活がしたいだけ。 それで、皇太弟様が素敵なら、なおさら、良いでしょ?」 テヒ :「そうなのね・・・。 まぁ、理由は不純でも、ちゃんと侍女の仕事はしなさいよ。 皇太弟様ばかり追いかけないで・・・」 チェリン :「追いかけるなんて、しませんよ。 追いかけさせますから!」 テヒ :「まったく、その自信はどこから来るの? そうそう、一人ずつ宮殿を見学できるんだけど、どこがいい?」 チェリン :「いつですか?!」 テヒ :「見学会が半ば過ぎたあたりかな・・・」 チェリン :「え〜、それまで自由見学はなしなの?」 テヒ :「ふふふ、残念でした〜」 チェリン :「はぁ・・・。 テヒさん、自由見学の返事はいつですか?」 テヒ :「明日には提出しないといけないみたいね」 チェリン :「明日?!」 テヒ :「そんなに宮殿の生活が望みなら、離宮にでもしておく?」 チェリン :「離宮・・・。 いいえ、今から考えます。 明日の朝まで、待ってもらえますか?」 テヒ :「いいわよ」 チェリンはよし!とガッツポーズすると、早速パソコンをあけました。 テヒ :「なに? ネット?」 チェリン :「はい、皇太弟様のファンサイトで、皇太弟様のお好きな場所を 教えてもらいます」 テヒ :「ふふふ、そうなのね。 が・ん・ば・って〜」 チェリンは、画面をにらんでいました。 テヒは、そんなチェリンを部屋に残して、談話室に向かいました。 |
..Ep74 誘惑
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人気のない談話室では、ソラが待っていました。
テヒ:「おまたせ」
ソラ:「ううん、私も今来たところ」
二人は向かいに座わると、書類を広げました。
ソラ:「この報告書でしょ」
テヒ:「そうそう、結構書かないといけないわ」
ソラ:「あの子、どう?」
テヒ:「チェリン?う〜ん、側室の話、本気みたいね」
ソラ:「そうなの?
そんなに殿下のことが?」
テヒ :「ううん、それは違うみたい。
宮殿に入って、優雅な暮らしがしたいんだって」
ソラ :「そうなの?
なんだか呆れちゃうわね」
テヒ :「そうなのよ。」
ソラ :「見学はどこって?」
テヒ :「今ネットで調べてるわ。
殿下のファンサイトがあるみたい」
ソラ :「へ〜。でも宮殿の中なんて極秘事項のはずなのに、
何を調べる気なのかしら」 テヒ :「殿下のよくいく場所って言ってたけど・・・」
ソラ :「そうなの?
それって、誰かが公表してるってこと?」
テヒはわからないと頭を振りました。
テヒ :「ガンヒョンって子はどうだった?」
ソラ :「宮殿にいい印象がないようだけど、まじめにお仕えしてくれそうよ」
テヒ :「それはよかったわ。
じゃぁ、見学の場所は?」
ソラ :「東宮から勧めるように言われた「図書署」の話をしたら、そこでいいって。」
テヒ :「そうなのね」
ソラ :「今回、常識試験の結果が優先されているのかしら・・・」
テヒ :「どうして?」
ソラ :「だって、側室になりたいなんて言っている子や、宮殿をよく思っていない子なんて、今までいた?」
テヒ :「確かにね・・・」
ソラ :「チェリンの友達って言うチョンアも、侍女志望っていうより、チェリンについてきたって感じだし・・・」
テヒ :「なんにせよ、無事に終わればいいわ」
ソラ :「そうね」
二人は見合ってため息をつきました。
ソラ :「さぁ報告書さっさと書いて、休もう」
テヒ :「そうね」
二人は鉛筆を持ちました。 |
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翌朝、チェギョンはぐずるジュンと寝室にいました。
シンはひとり朝の挨拶を終えると、東宮へ戻ってきました。 シン :「ん?」
シンは、あたりを見回しました。
シン :「あぁ、今日の花はランでしたか・・・」
コン内官:「殿下、なにか?」
シン :「いえ、香りがしたので・・・」
シンは書斎へ入って行きました。
チェリン :「ふふふ、やったわ」
チェリンは香り袋を指でつつきました。
パン女官:「チェリンさん、シーツをこちらに・・・」
チェリン :「あっ、はい」
チェリンはシーツを抱えて寝室に入って行きました。
♪♪♪ チェリンは昼食後、ヨンアと一緒に休んでいました。
チェリン :「ふふふ、これ、なんだと思う?」
チョンア :「ん?香り袋?」
チェリン :「そう、私の特製よ」
チェリンはチョンアの目の前で香り袋を振りました。
チョンア :「へー、いい香りね。でも、ちょっと薄くない?」
チェリン :「注意事項にあったでしょ、殿下は香りに敏感だから、香水などはつけてはいけないって。
だからちょっと薄めにしたの」 チョンア :「そうだっけ・・・」
チェリン :「香りに敏感っていう話は、本当ね。
今日ね、早速お気づきになったのよ。 この香りに」 チョンア :「そうなの?」
チェリン :「東宮のお花と間違えていらしたけどね」
チェリンはふふふと笑いました。
チョンア :「なんだ、お花と間違えているなら、だめじゃない」
チェリン :「これだから、あなたはだめなのよ。
こうやって、香りが気になれば、その香りの主は私だと気づいたとき、どうなると思う?」
チョンア :「どうって?」
チェリン :「恋が始まるのよ!」
チョンア :「・・・そうだといいわね」
チェリン :「何よ、その言い方!」
チェリンはチョンアの頭をつつきました。 チェリン :「そうそう、個人見学の場所、どこにした?」 チョンア :「女官のお姉さんの勧めで、舞踊見学にしたわ」 チェリン :「ふーん、私は宮殿の中庭」 チョンア :「中庭?!
どうして?」 チェリン :「ネットで調べたら、皇太弟殿下は中庭がお好きで、よく散策されるらしいの。 掲示板に詳しく知りたいって書き込みしておいたから、その情報を元に作戦を練らなきゃ! 」 チョンア :「あなたって、ある意味凄いわ」 チェリン :「ある意味って、どの意味よ」 二人は、ふふふと見合って笑いました。 ガンヒョンはそんな二人の話を聞いて、ため息をつきました。
ガンヒョン :「低俗すぎるわ。何を考えているのやら・・・」
ガンヒョンは呆れていました。
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見学会も一週間が過ぎ、A班は寝室から中庭と廊下の担当に変わりました。
チェリンは相変わらず、香り袋を身に着けていました。
パン女官 :「では、廊下の掃除をどなたかお願いします」
チェリン :「はい、私が・・・」
チェリンはそういうと、ほうきを手にしました。
パン女官 :「では、チェリンさん、私についてきてください。
ほかの皆さんは、中庭の落ち葉ひろいと、
掃き掃除をお願いします。 パン女官とチェリンは東宮を出ると、正面入り口に向かっていきました。
同じころ、シンは宮殿から戻ってくるところでした。
廊下を曲がったところで、シンの姿を見つけたパン女官は廊下の端に控えました。
チェリンもあわてて、パン女官の隣に控えました。
シンは微笑んで通り過ぎると、ふと立ち止まりました。
コン内官 :「殿下?」
シンはチェリンの方に歩いて行きました。
シン :「この香・・・、あなたでしたか?」
パン女官 :「香り?
チェリン、あなた、もしや・・・」 パン女官はチェリンに聞きました。
チェリンはパン女官に香り袋を渡しました。
パン女官 :「これは、香袋・・・、殿下、申し訳ありません」
パン女官は深々と頭を下げました。 チェリンも慌てて、同じように頭を下げました。 シン :「頭をあげなさい。
強い香りではありませんし、先日まで寝室の花の香りと 思っていました」 シンは微笑むと、東宮へ歩いていきました。
シンの姿を見送ったパン女官は、チェリンの目の前に香袋を突き付けました。 パン女官 :「殿下は香りに敏感なのです。
このようなものを身に着けないよう、注意事項にあったでしょう」
チェリン :「申し訳ありません。
これは母からのお守りで、必ず身に着けるように言われていたので・・・」
パン女官 :「・・・では、貴重品と一緒に、守衛に預けておきなさい。
なくしてしまったはいけないでしょう」
チェリン :「はい、明日から気を付けます」
チェリンはうつむきながら、ニヤッと笑いました。
♪♪♪
宿舎に帰ったチェリンは、談話室にいました。
チェリン :「やったわ!ね!私が言ったとおりでしょ」
チョンア :「すごい!殿下がお気づきになるなんて」
チェリン :「ふふふ、予定通りだわ」
チョンア :「予定?」
チェリン :「ふふふ、来週の個人見学までに、気に留めてもう予定だったの」
チェリンは得意げに微笑みました。
チョンア :「なんか、ドキドキするわね」
チェリン :「よーし!がんばるぞ!」
二人は見合ってガッツポーズをしました。
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♪♪♪
シンはベッドで本を読んでいるふりをしながら、チェギョンをちらちら見ていました。
チェギョンは、お風呂上りに乾かした髪をゆるく束ねると、鏡台の前に座りました。
チェギョン :「ふんふんふーん」
チェギョンは鼻歌を歌いながら、小瓶を手にしました。
シン :「チェギョン、それ・・・」
チェギョン :「何?これ?これは香水よ」
シン :「香水?いつもつけてるのか?」
チェギョン :「ふふふ、気が付かなった?
記念日とか特別な日には、いろいろつけるけど、これは普段使いなの。 シン君は鼻炎があるから、淡い香りにしてもらっているからね〜」
チェギョンは首筋に香水をつけました。
チェギョン :「母上の香りよりバラの香りを多めにしてもらったのよ」
シン :「母上の香?」
チェギョンはシンの手に小瓶をのせました。
チェギョン :「ふふふ、シン君は、マザコンだから、ママの香りが恋しいでしょう」
シン :「そんなことない」
チェギョンは鏡台の戸棚から瓶を取り出しました。
チェギョン:「この瓶に入って届くから、小瓶に分けて使っているの」
シンは小瓶のふたを開けるとくんくんとかいでいました。
チェギョン :「女性は香りに敏感だから・・・。
宮殿に嫁いだ妃は、代々違う香りを身に着けているんですって。 残り香で、お互いがわかるように・・・。
いま皇后さまがおられるとか、わかるように・・・。 って、ちょっと、シン君、聞いてる?」 シン :「え?!あぁ聞いてるよ」
チェギョンはシンの手から小瓶を取ると、鏡台に片付けました。
チェギョン :「でも、急にどうしたの?」
シン :「なっなにが?」
チェギョン :「今まで、香水のことなんて気にしてなかったのに・・・」
シン :「今、ほら、たまたま、見たから・・・」
シンは小鼻をかきながら、布団に入りました。
シン :「準備ができたなら、寝るぞ」
チェギョン :「うん・・・」
チェギョンは不思議そうにシンを見つめました。
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