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『SQ.RISE』の連載漫画「D.Gray-man」ファンブログ。2012年よりFC2に移転、「ティムのしっぽ」名で活動中です。

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絆。

マリが先月第207夜でリナリーに言っていたこと。
「どんなに離れても我々は繋がっている」
 
と、あえて大きな字で示されたこの台詞は、Dグレ全編を貫くテーマでもあると思います。
 
 
 
第208夜の前半感想(10/10 UP記事)で「神田は自分の過去をすべてアルマの墓に置いてきた」等という表現で済ませてしまい いささか乱暴だったかなー?という反省も込めまして(-_-;)
アルマ編、振り返ってみました。
 
 
 
 
 
9年前。アルマの方は不幸にも過去の自分の記憶がはっきり戻ってしまい、研究者達があれほど恐れた“狂った”状態になってしまっていたとは思います。
親友としてかけがえのない存在であるユウが、過去の記憶では恋愛対象の人だった。そしてその頃抱いていた想いまでが 共に鮮明に蘇ってしまった。
混乱と怒りと。
 
興奮が収まってみれば数え切れない程の人たちを殺してしまっていた。
もう手遅れ。もうこれでは過去は過去として 何食わぬ顔でユウと一緒にその先を生きていくことすら無理。
 
それに黙っていてもいずれは自分の過去が知れ、ユウは永久に離れていってしまうかも。
だから自分の正体はひた隠しにして とにかくユウの親友のアルマのまま 急いで人生を終えたかった。
ユウ自身の気持ちにまでは到底思い至らず。
 
そして、思いがけないユウの拒絶に遭う。
 
絶望。
この時点で、ユウの親友・アルマでいることが人生の全てだった彼の存在価値は吹き飛んでしまったため、目覚めたアルマの自己認識はすべて「あの人」時代の自分にすり代わってしまったのだと想像します。
 
しかし今度はアルマとしての自分を拭い去れない。
ユウにとって、この自分はアルマのまま。
どんなに願っても「あの人」時代のまっさらな過去には戻れない。
 
9年前アルマとユウの関係の絆は切れてしまったものと思い込んでいたから、せめて心から彼と愛し合った「あの人」時代の自分だけは守りたかった。
恋人時代の自分とユウとの絆だけは永遠に。
 
そして今の自分なんて“化物”のまま捨て去りたいから、再びユウを襲った。
 
でも、アレンに自分の正体を見抜かれた時 アルマは一瞬 我に返ったかと思います。
 
今まで自分のしてきた事は何だったんだろう。
 
けれど、切羽詰ったなか暴走を止めることはかなわなかった。苦しげな笑顔。
 
自爆した後にカケラから再生したアルマは なおもユウを求める衝動を抑えられない。
そこで抱えていた気持ちをアレンに吐露する。
 
本当は分かっていた。美化されたあの人だけが本当の自分なんてことはない。
当時も、9年前も、そして現在までも 余さずひっくるめて自分の姿。
何と愚かだったのか。誰か自分を罰して。
 
ダークマターが魂ごと自分を消し去ってくれるのなら、願ってもない ふさわしい末路だ・・・
 
 
 
一方で神田
彼にとって結局アルマは何だったんでしょうか?
 
私だけの勝手な見方なのかも知れませんが、“親友”としての想いが全てだったのではと思います。
 
前の人生がどういうものだったかなんて思いもよらず、唯一無二のセカンド仲間として友情を育んだ頃も。
 
ずっと後になってアルマの前身が「あの人」だったと知った後も。
 
 
9年前、アルマを斬った時のユウの行動は、凍結処分を自分で解いて六幻を呼んだ時と同じように 過去の自分の想いに引きずられるようにして衝動的に出てきたものです。
 
決してユウの意志が アルマとあの人を天秤にかけて選び取ったものなどではなく
 
だから成長してからの彼にとっても、アルマが忘れ得ぬ親友であることは変わらなかったし、
だからこそ「あの人」のために自分がアルマを裏切ったという罪悪感は心に深く沈殿していたことでしょう。
(ロード人形にそこをえぐられた時の表情は マトモではなかったですからね)
 
 
アルマが意識を取り戻して神田と再会した時、既にその体はアクマ化されてしまっていた。その後の言動もすっかりダークマターに支配されてしまったとしか思えないもので。
こうなったらもはや、中で苦しんでいるに違いないアルマの魂を解放してやるしか手立てはないと思い切り、心を鬼にしてアルマに斬りかかったのだと思います。
 
そして暴走。
 
止めに入るアレンにまで斬りかかり、彼を倒してようやく我に返った神田は、やっと間違いに気付きます。
 
アクマのものでは有り得ない、アルマの心の真実を映したまなざし。
それでも自分に襲い掛かるアルマ
困惑。 「なんでなんだよ」・・・
 
 
気がついた時、まだ動けぬものの 神田の聴力だけはアルマの告白を捉えていた。
初めて目の前に突き出された真実。
 
あの人の為に犠牲にしたアルマがあの人。なんという皮肉か。
 
そしてそんな自分を、なおも求め続けていたアルマ。
 
自分の方こそ とうに見限られたと思っていたのに。 済まなかった。 ありがとう・・・
 
 
まだ目の前にアルマがいる。 今しか想いを伝えられない。 そのまま逝くな。
 
 
神田はすっかりアルマの過去を知ってしまいましたが、同じセカンドとして そういう前身を持つ過去は認めても、アルマへの親友としての見方に変化はなかったと思います。
 
何故なら神田ユウには、本体があの人への恋愛感情を育むに至ったような背景が無いですから。
 
 
彼はアルマを抱きしめ、第一声でこう呼びかけました。
 
「一緒にここから逃げよう・・・・・・・今度こそ一緒に。」
 
これは、30年前でなく 9年前の再現。 
 
あの時救ってやれなかった“親友のアルマ”へ。
 
(後から思えば、21巻カバー裏側の ユウがアルマの手を引っぱって駆けていく姿がそのものですね)
 
 
 
絆は断たれていなかった。
 
ユウの想いを受け止めた心はほぐれ、“あの人”化していた口調も魂の姿も すっかりアルマに還る。
それからの二人は原作のとおり。
 
 
最期にユウから離れていった姿は、アルマとあの人との二人になってました。
アルマがどちらも本当の自分と認め、これまでの全てを負って裁きを受けに行く覚悟の現れに見えました。
 
振り返らなかった訳は。
やはり もうユウを解放してあげようという思いやりからだと思います。
 
 
 
二人は絆を確かめ合った。そしてそれは「どんなに離れても」繋がっている。
ただ、神田の前身の人生と今生とでは、はっきり線引きが必要だと思うんです。
 
神田の人生はまだ残っている。いやむしろ正体の知れない過去に引きずられていたところから脱却し、ようやくこれからだと思います。残りの分量があと何日かは知れませんが。
普通の人生を送っている人よりはるかに短いものの、彼もこれまでの9年間で培ってきた沢山の絆がある。
今度こそ、そちらと正面きって向き合わねばと。
 
 
 
そうして、初めて今回、神田が本心から六幻を呼べたのだと思います。
 
 
 
 
 
なんか、柄にもない長広舌になってしまいました。せめて普段の舌足らずの解消にと。
これがまた勝手な妄想になってるかも知れないと思うと かなり痛いですが(^_^;)
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます<m(__)m>

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