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現在、中国では世界に名だたるジャンクフードFC(以下、JFFCと勝手に命名)が先を争って進出している。
価格的にはローカルフードより高価ではあるが、東南アジアの一部の国よりよっぽどこなれた値段になっており、地元っ子も比較的普通に利用しているようだ。
聞いた話ではあるが、中でも「背徳基(ケンダージー):ケンタッキーFC」はあの「麦当労(マイダンラオ):マクドナルド」より人気があるJFFCらしい。
なるほど確かに、北京や上海では「背徳基」の看板を多く見かける。地下鉄の出口や繁華街、ショッピングストアの中など、かなり手広く店舗を広げている模様である。客の入りもなかなかで、レジ前はいつも混雑しており、北京の地下鉄の切符売場並みに注文するのが困難な状況である。
流石に店員の接客態度は均質化されており、手際も悪くない。客席周りは常に掃除のおばちゃんがウロウロしており、クリンリネスも徹底されているようだ。
ただ、そこは中国。どうにも客のレベルが低いというか無秩序というか・・・やはり並ばない。並ばないことが逆に自分の番を遅くさせていることに気づかないらしい。やはり「あわよくば自分が・・・」、「自分こそが・・・」の感覚が根底にあるようだ。
また、やたらクーポンを使う人が多い。どうもそのクーポンは他の商品と併用ができるタイプらしく、あちこちで、注文時に10枚ぐらいちぎったそれをレジで広げている。どのレジも店員とお客でカウンターで広げたクーポンを前に「カルタ取り」の状態である。これでは埒があかない。
合理的なシステムといわれる「社会主義体制」だが、中国ほど「非合理的」で「無秩序」な社会体制はないなぁと、闇市のような人だかりのレジを遠目で見ていると感じてしまう。
中国人は本質的に「自由商人」であり、最も歴史の長い「資本主義市場」が染み付いた「人」であろう。それは行き過ぎると「無秩序」となり、まとまりがつかなくなる。「社会主義」でその本質を抑えようとしたのが今の中国の体制なのでは?というのが相方の弁である。
なるほど。でも、引いた弓は、引き続ければいつかはブチッと切れるよね。
・・・などと悠長に構えていると一生購入できないので、自分もその人ごみに突っ込んでいくのだが。
本題。
上海の「背徳基」で真っ先に惹かれたのが、背徳基版BigMac「天府」である(厳密にはダブルバーガーだが、位置付けがBigMacといいたい)。価格は単品で10元とかなり高価。チキンフィレが二段重ねになっている何とも豪快な逸品だ。
ご存知BigMacもパテが二段となっている豪勢な「漢堡包」であるが、それはパテの適度な厚さがその形を許しているのである。あのBigMacは包みを開いた時や、口に入れた時のことを考慮した結果、あのような形や高さになったと考えられる。又、バンズに挟む中身についても、味に飽きが来ないように、レタスやサウザンドレッシングやチーズを挟んで工夫を凝らしているのだと思う。それゆえのロングセラーなのだろう。
ところがどうだこの「天府」。見た目にもかなり危険な香りがする。
自分は「背徳基」のショウウインドウでこれを見かけたとき、ワイルド且つアバウトなそのフォルムから、すぐに打ちのめされた。滞在中に必ず試すべしと心に誓ったのである。
で後日、夕食まで少し時間があった時を見計らって、それを購入。無事、ありつくことができた。
「背徳基」では「天府」のみをテイクアウトしたかったのだが、レジ周りは相変わらず無法状態で一苦労。
宿に戻って早速いただくことに。
テイクアウトの袋を広げると、「天府」の包みがゴロっと石ころのように出てくる。かなりの大きさでしかも重い。
袋は既に「漢堡包」から出た得体の知れない汁でぐしょぐしょになっている。
「これは非常に危険です。」
「百事」で口を湿らせ、一息ついて袋を開ける。
ゴソッ。
グシャ。
既に廃棄物のようである。
上下のバンズが中身を受け止めきれず、「天府」は倒壊している。おまけにケチャップがはみ出しまくって更にビジュアル度を高めている。
急いで形を整えて口に運ぼうとするが、BigMacのパテと違い「天府」の中身はチキンフィレ故、潰せない。モスチーズバーガーのように大きくてもバンズとパテが柔らかいために、「デミグラスソースをすすりながらソフトに噛り付く」こともできない。
「顎が外れんばかりに口を開け、バンズもろとも削り取る」。そんな作業が必要なのである。
商品企画部の方、ちゃんと試食されたのでしょうか?
それとも豪快だからOKと思ったのでしょうか?
ファストフードになってないよ。
気軽に食えないよコレ。
とe−mailしたい気分である。
やはりコイツは危険だったようだ。
しかも、かなりホットチリーな汁がべっちょり。
食べてる途中に飽きてしまう「漢堡包」は初めてかもしれない。
そんなわけで日本ケンタッキーフライドチキン(株)は断念したのだろう。
「ダブル・チキン・フィレサンド」を。
左上:台湾国(省)台北市西門にある「背徳基」ビル
中上:北京市王府井新東安市場にある「背徳基」。
右上:万国共通のテイクアウト袋
左中:ジャンクフード最高の組み合わせ「炭酸飲料」と「漢堡包」(「百事」&「天府」)。
中中:背徳基版BigMac「天府」。10元
右中:「天府」包み。オリジナルの包装だ。
左下:OPEN時の「天府」。正に惨劇。倒壊しかかっている。
中下:OPEN時の「天府」ZOOM。構造上問題があると思われる重ね方。
右下:立て直した「天府」。ビジュアル的には「食い物」と呼べず。
(了)
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