旅のおもちゃ箱(アジア旅行中心)

歓迎光臨でございます。謹賀新年。今年もよろしくお願いいたします。

徒然日記

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閑話休題

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話題のレッドクリフを観てきました。

この映画、
1.呉宇森FAN
2.三国志FAN

というフラグに引っかかる日本人が多数いることから、大ヒット間違いなしかと思われていますが、どうなんでしょう?

ワタシは、John Wooに関しては、男たちの挽歌&ゴッドギャンブラーを観た世代。
三国志に関しては、相方曰く「まるでそこで見てきたかのように語る」レベルの(時代が時代なら講談師)「迷」っぷりなので、「わかっちゃ」いるのに楽しみでした。
John Wooのセンスやキャスト、スポンサー等々をみるに、コアな三国志FANを唸らせるものではないな、と「わかっちゃ」いたのですが、三国志を愛する者としては観ないわけにはいきません。

「う〜ん、う〜ん」と一人呟きながら相方と前篇を観てきたのでした。


・・・で、評価ですが、時代劇娯楽としてはなかなか面白かったかなというのが素直な感想です。
知人の三国志FAN、数人もそのような評価だったのですが、相方をはじめ三国志を読んだことがない数人は、×な評価だったのが興味深いです。
あの内容はどう考えても、John Wooなりに三国志を幅広い層の人に楽しんでもらいたいという狙いがあったはずなのに。
三国志FAN共通の感想は、細かいところはいろいろあるけれど(キャストや人物の設定、史実等々)、それぞれが持つ自分の中の「三国志の雰囲気、映像」をある程度再現しているんじゃないかなぁ、ということです。
夢をぶち壊されずに済んだ、ってことでしょうか。それか三国志愛で赦してしまったのか・・・。

独り言ですが感想を。主観なんでお叱りはご容赦ください。
三国志の世界に使っていない方は、ただのオタクの独り言です。流してください。
「三弟、青龍偃月刀をもてぃ」


1.この映画は現在だからできた。
CGが発達し、中国のマンパワー、場所を利用できる映画環境にある。

2.偶然か狙ったのかエキストラが河北省(恐らく。エンディングロールで確認)の人民解放軍。
史実でも兵士の多くは、曹操が河北を制した際に接収したものかと。

3.戦について
三国志と言うと華やかな武将同士の一騎打ちを中心に描かれることが多いのですが、今回は集団戦に主眼が置かれて映像となっていたのが印象的。
主人公の軍師達の眼というのがポイントだったのかなと。お互いに名乗りをあげて正々堂々と一騎打ち。周りの兵士は息をのんでそれを見守る・・・って感じではなくて、武将は軍の先頭に立ち現場監督として指揮をとり、集団戦の中で刀を振るうという目線だったのが新鮮だった。
集団戦の中で戦う猛将の姿はこんな感じだったのだろうと、John Wooなりの解釈と例の手法で生き生きと撮られていたが、「やっぱり武将ってのは指揮官であり、実際には一騎打ちとか以外はあんまり矢面に立たなかったのかなぁ」という考えを改めて持った。
だって、集団戦では一騎打ちの強さとは違う能力が必要だし、たった一撃でも致命傷になる攻撃を戦いの矢面に立って受け続けるなんて人間技じゃあありませんぜ(笑)。
John Wooなりに、武将たちが人間ぎりぎりの能力で(笑)、集団戦を戦ったらこんな感じでしょう、みたいな撮り方してます。
ただ張飛のパンチだけはね・・・(笑)。いくら虎髭でも素手で戦わないでしょう。蛇矛で睨むのが張飛かと。まあ、張飛さを誇張したんでしょうかね(実際に蛇矛はこの時代、無かった武器らしいですが)。

4.中村獅童氏の扱い
獅童氏は熱演されており、天晴なのですが、配役が甘興という架空の武将であったということ。字は興覇なんで組み合わせたのかな。
しかし劇中、彼が演じているのはどう考えても甘寧であり、その役を名乗らせないことに中国の思惑と、そこまでしても彼を出演させる政治的・経済的思惑を想像せざる得なかった。
ご存じの通り、甘寧は呉の中核武将であり、人気のある英傑。これを日本人が演ずる事は大陸的には許されなかったのかもしれません。この映画は党の全面協力があったわけだし、John Woo自身、アメリカで映画・南京大虐殺の制作に関わってますし。
考えすぎなのかもしれませんが、あの内容なら甘寧で良いと思うので裏があると思ってしまいます。曹操役も渡辺謙氏が検討されてたわけですしね。ヒールなら許されたわけです。興行的、スポンサー的(エイベックス)には、中・台・香、そして日本という体制で仕上げなければならなかったわけで、獅童氏の登用は必須だったわけですな。

5.曹操の扱い
まず、勧善懲悪のわかりやすい娯楽映画にする狙いがあったこと。また、中国人の曹操観が如実に表れたこと、からあまりにも彼が単純で分かりやすい極悪人に描かれていたことが印象的だった。
後者については、何人かの中国朋友と三国志について話す機会があったのだが、口をそろえて「曹操は悪人です。ドラマでそうでした」と言っていたので、そう描かれるのが自然だったのかな。
確かに、一般的な三国志演義では、主役はあくまでも劉備と孔明(後半)であり、曹操はそれに対する絶対的な悪である。
しかし、日本人がここまで三国志を愛するのは、劉備、孫権、曹操、それぞれがそれぞれの正義、価値観を持って国を統べようとしており、それに惹かれた英傑たちが全てを注いで主君を助ける姿に熱いモノを覚えるのだと思う。
したがって、三者それぞれの見方で、物語を咀嚼するから、三国志は楽しいのだと思う。

例えば演義的に、
劉備=民衆(民草)に愛される仁徳の人。漢の再興を目指す。
曹操=皇帝を傀儡化し、己の野望のために大陸を統べようとする魔王(←董卓かよ)。
でも、

正史&現代観でみれば、
劉備=何も秀でない英雄としては凡庸な人(いい意味でも)。義侠の親分。民衆が武将がついてくるのは、劉備の魅力では無くて、新しいもの(曹操)に対する恐れや不安に抗するため(企業経営においても、変革を拒む社員というのは多い)。つまり新しい仕組みを受け入れられない人が劉備のもとに集まった。それは孔明も例外ではない。
曹操=漢は既に威光がなく、既に群雄割拠する時代。力と能力があるものが中華を統べるのは当然で、それを中国は何千年も繰り返してきた。そもそも、曹操が整備した戸籍制度や厳罰な法治主義、屯田兵制、墾田私有制、はその後日本も取り入れた考え方で、国を治めるルールを何歩も進ませた功績がある。
魏志倭人伝が無ければ、日本も良くわからなかったかも(笑)。

で、経営者としてどちらが有能かと思えば、う〜んなのである。
この辺を日本人は自分なりに咀嚼して、彼はどうだ、いや彼はこれが良い、これがダメだと言う議論を交わすのである。
だから、劇中も曹操なりに大義や考え方があるのだ、というところを示してほしかったなぁ、というのが個人的な想いでもある。
・・・劇中後半、美人妻が欲しいから呉を攻めるんだ、的な説明があったし・・・。確かに曹操は敵の未亡人にいれあげたり、女性は大好きなのですが、これはないんじゃないかなぁ、とも思う。

6.キャスト
意外にこれでもいいかな、というのが正直な感想。
キャストについては賛否あるのは間違いないが(ワタシもあるけど)、主人公たる二人の英傑
「孔明」・・・金城武
「公瑾」・・・トニー・レオン

は、「公瑾老け過ぎ」なのと、「二人とも思いっきりアフレコ丸出し」以外はうんうんという評価。
金城氏は孔明を演じるに、常に少し顎を上に向けて、全てを見透かす体で演じてたのが良い感じ。
トニーは、34歳(程度)の役を演じるのに円熟味がありすぎるのではないかと思いましたし、実際もそうでしたが、神秘的に演じれば許されがちな孔明と違い、赤壁の主人公である周瑜を演じる俳優はかなり高度な演技力を持っていなければならないと思えるので良かったかなと。
そもそも、チョウユンファを予定してたけど、ギャラだかで折り合いがつかなかったとか。う〜ん、(ワタシ的)微笑みの貴公子・ユンファですから知力、武略、そして何より魅力に優れる周瑜は合っていたのかもしれません(歳以外)。
三国志の人物の魅力ってすごく大事なんですよね。皆、それぞれが心の中に温めているもの。好きな武将・軍師・文官の話は勿論のこと、「お前は三国志の武将で言ったら、××だな」みたいな人物評をしあったり・・・因みにワタシは昔「お前は陳宮だ」と言われました。
キャスト選びは非常に重要だったでしょうね。評価も三者三様かと思う。


7.字幕(人物テロップ)
これは苦言を呈したいのだが、武将・軍師を紹介する字幕(テロップ)をあまりにも簡略しすぎ。
観てほしい人物のみに絞って、中核人物だけに字幕を当ててるのはわかるのですが、三国志の魅力は何と言っても英雄の脇を固める武将・軍師ですから。
特に曹操側の武将・軍師の説明がないのは(中国語を解せって?済みません)モドカシイ。

8.それでも
三国志を映像化して、ワタシ達を楽しませてくれたのには素直に感謝したいな。
自分の信ずる英雄に全身全霊、全能力を捧げて中華の大地を駆け巡り命を燃やす英傑達の姿は、本当に心揺さぶられます。
武将なんて人を殺めるのが仕事となっているわけですが、それはその時代の常識ということで。
置き換えてみて自分も頑張らなければ、と思います。まあ、ワタシなんてその時代にいたら「民草」に過ぎないんでしょうけど。

あ、言い忘れましたがワタシが一番ぴったりだなぁと思った配役は

「魯粛(ホウ・ヨン)」です。
劉備陣中(孔明)と孫権陣中(周瑜)の緊迫したやり取りを、魯粛の目線で表していたのはとても上手いなぁと思いました。
魯粛って演義ではそういう役柄でしたものね。

でも来年4月、一人で観にいくことになりそうだなぁ〜。

イメージ 2

以上、独り言でした。
文中、丁寧語等の表現が入り混じってしまいました。すみません。

閉じる コメント(12)

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中国人の三国志ファン的にはこの作品の評価は低いみたいですね〜
全然三国志を知らない私ですが、私的には結構おもしろかったです。
kurocelestarさんのご意見「なるほど〜〜」と拝見しました。

2008/12/1(月) 午前 6:38 sally

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この映画って三国志だったんだ・・・と言う位三国志には興味がないです(笑)
本年度の台湾映画界では、海角七号が話題独占ですな・・・
で、赤壁の話ですが・・・
キャストは豪華ですね。
小喬役の林志玲(りんずーりん)は台湾でもかなり賛否両論ありましたね・・・まあ、本職はモデルさんなんで、かわいけりゃいいです(爆)
個人的には孫権役の張震が好きですね・・・『臥虎藏龍』でチョウユンファとかジャンツィーと出てましたね。
・・・って、台湾人キャストしか興味がないってか?

2008/12/1(月) 午後 2:46 ぴんいえ

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ご存知かと思いますが「赤壁」は台湾では夏に公開されていました。
もうDVDが販売されてます〜。
kurocelestarさんは、すごく三國演義ツウなのですね〜♪

2008/12/1(月) 午後 11:45 [ 翠鳳 ]

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こんにちは。僕も夏に台湾で見ました。「海角七号」が大行列だったので。確かに「中村獅童」の扱いには?なところがありますが、獅童ぎらいのあっしは、「没有問題」でして。市場が限られている金庸の武侠物と比べ、三国志は欧米でもファンは多いですから、世界戦略的にはこっちが儲かるでしょうね。でも歴史が有って,内容もこなれているので,めちゃくちゃなキャラクターが出て来にくいのが欠点かも。

2008/12/2(火) 午前 11:00 [ あぶらぼうず ]

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こんばんは、Sallyさん!賛否両論があるのがまたよいのかもしれませんね。屁理屈こねるより楽しめたか?ってことなんでしょうね。ワタシは・・・楽しめたと思います。DVDは買わないですけどね(笑)。そこが微妙なんだろうなぁ・・・男達の挽歌はもってますから。

2008/12/3(水) 午前 0:55 [ Kurocelestar ]

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こんばんは、ぴんいえさん!あらっ(笑)。大陸でドラマやってませんでした?丁度、いらっしゃる時期ぐらいに大きな予算を掛けたドラマがやってたような・・・。海角はじっくり観たいですね。背伸びせずに字幕付きで鑑賞しようかなと思っています。日本できっちりやってほしいですねぇ。スポンサーがつかないのかな?ASUSとか日本でも稼いでるんだから、スポンサーに、と勝手に思います。りんちーりんは綺麗ですが演技と声質が・・・でした。CIのポスターの方が萌えるかも(笑)。張震は周りで評価高かったですよ。若き君主の苦悩と野望を上手く表してました。

2008/12/3(水) 午前 1:04 [ Kurocelestar ]

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こんばんは、翠鳳さん!↑でDVDは要らないと申し上げたワタシですが・・・ちょっと揺れます(笑)。ワタシは三国志でライス3杯はいけますよ。

2008/12/3(水) 午前 1:08 [ Kurocelestar ]

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こんばんは、padva2002さん!海角が行列だから(笑)。渋すぎます。獅童氏は歌舞伎役者ですからああいう動きが中国映画(武侠系)には受け入れられやすいのかな?金庸のように仙人、魔術なんでもござれなわけにはいかない、確かに・・・。

2008/12/3(水) 午前 1:12 [ Kurocelestar ]

kuroさんの三国志の漢(おとこ)たちへのあつい思い、最後まで読ませていただきましたっ!!!私はまだ見に行ってないですが、ますます期待がわきました。私もこの映画に対しての違和感などはありましたが、楽しく見に行ってこようと思います(^O^)
ぽちっと☆

2008/12/3(水) 午後 5:00 cantiknesia

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こんばんは、cantiknesiaさん!ありがとうございます。漢字の漢と書いてオトコと読む、これをさらっと使うcantiknesiaさんもただならぬ人とお見受けいたしました☆ 読む人それぞれが解釈する三国志ですから観る人それぞれが解釈する三国志MOVIEでも良いのかもしれませんね。楽しんできてくださいね〜。ぽちっありがとうございます。

2008/12/4(木) 午前 1:37 [ Kurocelestar ]

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中村獅童のキャスティングについては、??が多いのですが,(「なぜ架空の人物なんだ?」を含めて。)大いにスポンサーサイドのエーベックスの意向が働いているのでしょうね。監督自身、「エーベックスの金がなければ,映画はできなかった」っていうくらいですから。歌舞伎役者がキャストの中に入っている,その事に意味が有ったのかも,と思っています。

2008/12/4(木) 午前 11:04 [ あぶらぼうず ]

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おはようございます、padva2002さん!やっぱりそうなんでしょうかね。頭文字の時も、JAYの主題歌無理やり差し替えて訳わからん歌になってましたよね。映画もスポンサー無しでは作れないのはわかってますが、あまりにも商業的な思惑が見えすぎて映画そのものに興ざめです。映画という娯楽もね、もはや斜陽なんでしょうね。

2008/12/5(金) 午前 10:00 [ Kurocelestar ]


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