旅のおもちゃ箱(アジア旅行中心)

歓迎光臨でございます。謹賀新年。今年もよろしくお願いいたします。

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表題通り。台湾もここ一年でずいぶん変わりました。
緑たる民進党から青たる国民党へ政権がバトンタッチされ、政治経済、あらゆる仕組みが一新されました。台湾では米国の大統領と同じく、総統及び総統府に指揮系統が集中しています。
トップが変わるだけで行政の仕組みまで容易にメスが入ってしまうのは、色々な部分でコンフリクトが起こるような気もするのですが・・・。
大陸との連携強化を政策の根幹に置く馬英九政権は、大陸旅行者の受け入れ(先日も数千人単位で受け入れてましたね)、金門島、台湾本島を結ぶ橋の建設(まだ検討段階)等、色々模索しているようです。
一方目立たないところでも、日本と台湾の関係に距離を置きたがっているかのような施策を多く打ち出しています。
台湾から日本に向けたラジオ情報番組「RTI日本語放送」の突然の放送枠の縮小(3月30日に4月1日からの変更を発表)、東京にある台湾資料センターの閉鎖等、経済的に実が取りにくい日台の文化交流的なコストは積極的に削られているようです。この辺はやはり大使館たる台北駐日経済文化代表処の代表だった許世楷氏の更迭(実質)、辞任が大きかったと言われています。
反面、日本人旅行者という経済的インパクトは見逃せないため、台湾観光協会などには多くの予算が回されている気がします。
馬総統が就任直後、尖閣諸島海域で漁船が日本の巡視艇と衝突した事件を発端に強硬路線をとったのも、内外に対日路線を示すためだったといえます。
因みに漁船の船長が台湾TVで色々主張されていた際にいっしょに映っていた方々は、有名な台湾の政治運動家達だそうです。事件が偶然か必然のものだったのかはわかりませんが、明らかにストーリーがあったということは間違いないと思います。
尖閣諸島の領有権は清朝以来、大陸が領有するものだというのが中国の言い分ならば、台湾も現与党が「国民党」であれば、まったく同じ言い分となります。つまり中華民国の領海でもあるからです。
馬総統はアメリカ留学時代に尖閣諸島に関するロビー活動を行っていましたから、この問題の解決はライフワークと言っていいかもしれません。
馬総統ならびに国民党が親大陸路線をとるのは今後も当り前のことでしょう。中華民国の首都は南京であり、台湾はただの一省にすぎません。中国共産党は国民党と未だに対立する対等の政党であり、現状の大陸における支配権は向こうにあるという認識にすぎませんからね。
我々日本人が考える親中路線とは全く違うものであると思います。万が一、共産党が倒れることがあれば、それを引き継ぐのは対抗政党である国民党である位の認識だと思います。
従って本質的には民進党の存在などは認めていないのではないかと思ったりするのです。
ワタシは台湾が好きですが、日本にとって都合が良い台湾が好きというわけではありません。台湾に住む方達が本当に望む台湾の道を歩んでもらうことを望んでいます。
それがもし、日本に背を向けるようなことであるとしても・・・。ワタシが背中を追いかけるので大丈夫です。問題ありません。

少し長くなりましたが、台湾の最高意思決定機関ならびに象徴とも言える総統府を見学するには、現与党・総統がどのような舵を取る方針なのかを知っていると、より興味深いものになるはずです。

総統府の見学は通常1Fのみで、写真撮影禁止なのですが、月に1度だけ上層階を解放し、写真撮影もOKになる日があります。
なかなか旅行日程がこの日に当たる事はないかと思いますが、特別開放日の総統府見学はかなり面白いです。
お勧めです。
今回は特別開放日に見学に行ってまいりました。



イメージ 1

まずは朝食をいつもの三明治屋さんで買ってきます。
もちもち、ふかふかのパンがおいしいです。1人当り50元(150円程度)の朝食です。

イメージ 2

威風堂々とした総統府です。
当然ですが昨年の今頃はあった「国連加盟」のスローガンはすっかり取り外されています。
普段の見学は建物の裏側から入るのですが、本日は正面から堂々と入館できます。

イメージ 3

警備も厳重です。勿論銃には実弾が入っているんでしょうね。
こんな記念撮影も今日だからできるのでしょう。真面目な話、後ろに立っている警備兵、笑いをこらえてました。
ポージングに面食らった模様です。朋友はガンマニアでもあります。ワタシはこの辺りはぜんぜん疎いのですが昔友人に「でさ、ピストルがばきゅーん、ばきゅーんって・・・」と話していたら一言「今時、ばきゅーんはねーだろ。どんだけ疎いんだよ」と呆れられたことがあります。

イメージ 4

さあ、今回は正面から入館します。この体験は貴重ですね。レッドカーペット、レッドカーペット。

イメージ 5

入口奥のメインホールは吹き抜けになっています。息を呑んでしまうような素晴らしい建物です。規模はそう大きくないのですが、戦前に造られたものですからね。
1Fでも普段の見学ではココには立ち入れません。

イメージ 6

正面には中華民国初代総統の孫文の胸像が。さすが国民党政権です。

イメージ 7

階段を上って階上へ。
迎賓室や執務室など色々な部屋を見学できます。青天白日旗があちこちに飾ってあるのが目につきます。

イメージ 8

孫文先生の肖像画もあちこちに飾ってありますね。
右画像の台湾山脈の絵はなかなか迫力があってよかったです。

イメージ 9

中庭も美しく手入れされていました。マーチングバンドが待機してました。イベントがあるんでしょうね。

イメージ 10

ここがメインホールでしょうか。がらんとした広間で待つ孫文先生と青天白日旗、そして現総統と副総統。
見学者は記念撮影を楽しんでました。
お子様は興味なさそうですね。

イメージ 11

まあ、やっとかないとね。
孫文先生が見守る中、両者は固い握手を交わしました。

イメージ 12

ワタシも台湾の未来を信じる一人として。
新しい歴史の幕明けです・・・なんてね。
孫文先生がなんとなく不機嫌な気がするのですが気のせいでしょうか(笑)。

イメージ 13

総統府の中の男子小便器の前に立つと・・・何かHIPHOPっぽくないですか(笑)
日本でいえば総理官邸あたりのトイレにこれが貼られているわけですよ。



1Fに移動します。
ここは普通の見学でも入れるところです。
台湾史を紐解くための資料館って感じです。
ただ、さすがは総統府。かなり政治色が強い展示物になってます。政権が代わり、以前のものは全部と言っていいほど撤去されて、全て新しいものに変わっています。そして以前いた日本語ガイドさん達もほぼ全員レイオフされてました。今、一部の方は228公園の記念館に移られたようです。

イメージ 14

まずは一番スペースが割かれている馬英九総統コーナーです。
馬総統の総統までの歩みがパネルになっていたり、私物等が飾られています。彼はメディア(情報)を使うのが得意(アメリカ留学中は国民党系冊子編集社に勤務。その実は国民党出張機関)なので、昔から表に出た活動をしていました。

イメージ 15

こんなものまで・・・。
馬総統の愛車です。これを使って良く行脚してましたね。
台湾の現在の自転車ブーム(過熱しすぎ)の先駆けになったわけです。

イメージ 16

こちらは総統選挙の時に使っていたベストと総統の任命書(みたいなもの)です。サインには就任日の5月20日とあります。

イメージ 17

こちらは国民党(当時)総統の李登輝さんの展示物です。今は袂を分かちましたが国民党内、台湾内での発言力はいまだ小さくない人物です。
李登輝さんほど台湾を愛し、また同じように日本人のことを理解し、愛してくれている方はいないと思います。彼の談話や著書を拝見し、自分が如何に日本人というものを理解してこなかったかを素直に恥じました。日本人が日本のこと、日本人を理解しにくい現代の環境において、台湾人である李登輝さんは貴重な語り部だと思います。

イメージ 18

思いっきり簡素化された陳水扁前総統のコーナーです。不正で失脚したとはいえ、任期は務めましたし2期8年という台湾の歴史を刻んだ人物の扱いとしては・・・(笑)。

イメージ 19

李登輝さんが中東に行った時の写真なのですが、EVA使ってますね。この辺は結構深いなぁ。
そういえば、またCIやっちゃったみたいですね。燃料切れで中部行きの機材が関西にダイバート・・・。燃料切れって、どういうことなんですかね。
ホント毎度想像を超えたインシデントを起こしてくれます。

イメージ 20

101のこけら落としの画像ですが、これスゴク上手いショットですよね。
民進党政権下で出来た101ですが、パネルでは馬総統(当時は台北市長だったかな)だけがそっぽ向いてる感じなんですよね。

イメージ 21

イメージ 22

これも印象的なパネルでした。民進党時代にはなかったパネルです。
要は台湾は清朝から続く大陸の一部であり、国民党が台湾に来たのには正当性があるということに結び付けたいわけです。
確かに多くの台湾人は清朝以前に大陸から渡って来たルーツを持っていますが、それと戦後入島した国民党、いわゆる外省人とは、多くの台湾人(ここでは本省人)は分けて考えているはずです。

イメージ 23

日治時代のパネルはかなり減りました。日治時代を肯定するものではありませんが、台湾史において戦前約50年を刻んだ長さと重みは外せないものです。そもそも総統府自体が日治時代に建てられたものですから。
鉄道にしろ水道にしろインフラの基礎、仕組みは日治時代に造られたものですし、米などの農作物、食べ物も日本と関わるものが少なくありません。良かれ悪かれ日治時代も台湾史の一部なのです。台湾と日本が共に歩み、様々なものを共有した歴史は、国民党にとって都合の良いものではありませんからね。日中戦争以来の仇敵ですから。
この総統府で台湾史を語るに、政治色が強く見えているのは少し残念です。まあ、日本も言えたことではありませんけどね。

出口の記念スタンプ台で列をなす台湾人観光客に目をやりながら、総統府を後にしたのでした。

特別開放日の総統府は非常にオススメです。今も続く日台の深い関わりを肌で感じさせてくれることと思います。

閉じる コメント(17)

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う〜ん、深いなぁ。。。。今回の記事。
台湾は好きだけど、きちんとその国の背景も知らなくっちゃねぇ。勉強になりました。

2009/4/17(金) 午後 1:09 ashmama

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おおおおー。すごい立派な建物ですねー。
おかげで私も中に入った気分^^ありがとうございました♪

2009/4/17(金) 午後 1:20 [ puyomalu ]

これは珍しいものを見せていただきました。
訪台した時に上手く見れる日に当るとは限らないし・・・。

台湾って好きなんですが、総統選挙でトップが替わる度に国勢も変わってしまうので、住んでる人も大変だなぁ、と思うのですが、今の馬さんは…どうなんでしょう???微妙…。
どっちにしろ、誰が総統になるにしろ、台湾にとってプラスになる人になって欲しいものです。
ついでに、日本と良い関係を築いてくれれば尚良いのですけどね♪

2009/4/17(金) 午後 4:24 OSO♪

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私の会社の社長、今、手伝っている会社の社長、そして、その周辺の人達は、所謂「台湾人」で「外省人」は嫌いなようです。
「大陸批判」など始めると、もう、最悪の状態に!!!
現政権批判も同じように展開しますね、「馬」は操り人形で、その後ろには「大陸勢力が・・・」となります。
私が初めて台湾に来た20年程前は「中華民国」に地図、大陸は勿論、モンゴルまでも「中華民国」になっていました。
1970年発行の地図では、尖閣諸島は日本領だったのにな?
周囲の台湾人との食事の時に「尖閣」の話すると「馬は大陸人」となり終わってしまいます。
反日傾向の強い現政権ですが、生活者には影響していないように思うのですが・・・

2009/4/17(金) 午後 4:27 [ jsamm001 ]

総統府の前は何度も通りましたが、入ったことがなく、大変参考になりました。私も出来れば入館して、自分の目で確かめたいです。
そういえば、夜 総統府の前を通った時は昼間と違い幻想的でした。

2009/4/17(金) 午後 8:21 [ Nin Nin ]

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総統府でボランティアしてるじいちゃんが来日して講演するっていう案内をもらったんで行ってきましたよ。
kuroさんがおっしゃるようにボランティアが何人も辞めてるって。
展示も変わったらしいし。
今、大陸の人も見学できるんでしたっけ・・・

2009/4/17(金) 午後 9:38 sally

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国民党の洗脳教育が怖いですね・・・
総統選挙以来、台湾のニュース番組って見なくなりました(苦笑)
おまけに、NHKまで、中共や国民党の宣伝部かと思うような偏向番組作ってるし・・・
政治的コメは・・・パス

2009/4/19(日) 午前 8:57 ぴんいえ

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おはようございます、ashmamaさん!自由を得た分、複雑化するんですよね。ジャッキーチェンはそれを混乱と表現しましたが。台湾を立体的に色々な側面から見つめると目の前の景色も結構変わってくるかもしれませんよね。

2009/4/22(水) 午前 10:55 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、ぷよまるさん!お元気ですか〜?イも盛り上がってそうですね。イにもオランダのコロニアル建築はたくさん残っているのでしょうかね。

2009/4/22(水) 午前 10:58 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、viajar999さん!月1回ですからね。なかなかあたらないかと思うのですが・・・こういう限定公開って台湾では結構多いですよね。自分が訪台する際に、事前に細かくチェックするのが吉でしょうね。そうですね、政権が変わると行政の部分まで大きく影響しちゃいますからね。停滞や混乱もあるわけでしょうね。何より我々が混乱するわけです(笑)。

2009/4/22(水) 午前 11:02 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、jsamm001さん!特に南部では、蚊帳の外感があるようですね。いまや中華民国=台北ってイメージが強いですね。馬総統は出身である香港の現状をどう思っているのでしょうね。大陸は50年は香港の自治性は侵さないと宣言してますが、50年しかありませんからね。大陸の時間的感覚は雄大ですからね。50年なんてあっという間の考えなんでしょうね。

2009/4/22(水) 午前 11:06 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、Nin Ninさん!台湾人、日本人、国民党、民進党、あらゆる立場の考えや歴史がぎゅぎゅっとつまってますから、面白いと思います。我々にとっても近代史を学ぶ一端になるのではないでしょうか。

2009/4/22(水) 午前 11:09 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、Sallyさん!そうなんですか。大阪に?東京でもやってくれないかな。ご健勝のうちに色々お話を聞いてみたいものです。まあ、あのボランティアの方達も過激でしたからね(笑)。ボランティアの方の話に、40後半ぐらいの日本人の方が、露骨にいやな顔をされていたのを覚えています。

2009/4/22(水) 午前 11:12 [ Kurocelestar ]

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おはようございます、ぴんいえさん!与えられたソースを鵜呑みにするのではなく、自分で咀嚼する力が必要ですよね。ワタシも政治的発言は控えますわ。

2009/4/22(水) 午前 11:14 [ Kurocelestar ]

はじめまして!
とても詳しく綴られた記事ですね〜
以前、仕事の関係で知人が台湾で生活していましたが
食生活のことしか聞いた事がないなぁ・・・^^;
勉強になりました^0^/

ポチ☆

2009/4/30(木) 午前 11:14 wakuwakuさん

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こんばんは、わくわくママさん!レス遅くなりました。ようこそいらっしゃいました。日本と台湾は国交が無いので情報もあまり入らず、色々なバイアスがかかる事が多いのですが、行ってみるとわかる事がたくさんありますね。食生活についても「日式」という台湾文化を伝えるメディアはほとんどありませんしね。知人の方はどんな食生活のお話をされていたのでしょうか?!

2009/5/13(水) 午前 0:53 [ Kurocelestar ]

警備兵の笑いをこらえる顔が見たかったです!
この人は動いたり笑ってもいい人なんですか?

HIPHOP風に読んじゃいましたよ〜。・゚・(。つ∀≦。)・゚・。
そう言われちゃうとそのリズムでしかよめなーーーーい!!!
私も握手の記念撮影したいです^0^

2009/5/14(木) 午後 3:41 (ね゚◇゚こ)


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