サッカー批評
南アフリカW杯 予選リーグ回顧<予選グループ 日本成績>
○日本 1−0 カメルーン
×日本 0−1 オランダ
○日本 3−1 デンマーク
2勝1敗で予選2位
いったい誰がこの結果を予想できたのか。外国は当然のことながら、日本の人でもこの快進撃を予想できた人はいたとして数えるほどしかいなかっただろう。かくいう私も全くこの結果は予想できなかった。それにしても、日本のマスコミの手のひらを返したような報道には唖然としたものだが。。。某辛口評論家は「期待がまったくない」から「このチームでどこまでいけるか楽しみになってきた」と180度評価が変わっていた。まあ私もこれでもかというぐらい批判はしていたが。
さて、1試合毎の回顧はもうだいぶ時間が経ったのでやめておいて、予選グループ全体を通しての個人的な感想を書いておきたい。まずこの日本の快進撃について。個人的には以下のの要因があると思われる。
①大会前の連敗により、より守備的にシフトチェンジできた
②阿部のアンカー起用
③本田のFW起用
④駒野の右サイドバック起用
⑤中村俊輔を外したこと
⑥相手が日本を過小評価してくれたこと
①についてはヨーロッパ勢のみならず、アジア勢にも負け続けたことで岡田監督はより現実的な布陣、つまり守備的な布陣を採択することができたのではないだろうか。転機はイングランド戦。自殺点で負けはしたが、相手を十分に苦しめることができた。あの試合で岡田監督は手ごたえをつかんだのだろう。
②は①に関連するが、阿部のアンカー起用により守備が安定したことだ。日本のセンターバックの弱点は空中戦以外はあまりうまくないことだ。たとえば2列目から飛び出してくる選手にはほとんど対応できない。デンマーク戦も最初のほうはそうだった。ここで阿部のアンカー起用が活きてくる。守備ラインの前に一人守備の選手がいるだけで、センターバックがカバーできないところを見事にカバーすることができるようになった。また、阿部の起用は攻撃にも影響を与えている。阿部の前にいる遠藤と長谷部は攻撃に移ったとき、どんどん前に行くことができるようになった。とくに長谷部は前線に飛び出す動きが持ち味の選手なので、自分のカバーをしてくれる選手がいるのは心強いだろう。
③は正直、あまり褒められたものではない。というのも、本田は攻撃的なMFが本職であり、FWは本職ではないからだ。ヨーロッパでプレーしていることもありキープ力があったのがFW起用の一番の要因だろうが、前線でキープするのは本来FWの選手の役目である。しかし、今回選出されたFWではそれができない。もし本田が怪我や出場停止で出れなくなったら、おそらく日本はFK以外では点が取ることができなくなるだろう。それほど本田への依存度が高いのだ。ここは選手選考を誤ったとしかいいようがないのかも知れない。
④は個人的には大きな要因の一つとも思っている。あれほど内田に固執していた岡田監督が直前になって駒野に切り替えたのはやはり守備力だと思われる。内田の守備力ではアジアでは通じても世界では通じないとようやくわかったのだろう。点をとらないといけないときに内田を起用するのはいいかもしれないが、そういった場面でサイドバックを交代させるような采配は普通とらない。内田が出場できる機会はもしかしたらこの大会ではないのかも知れない。
⑤は追いつめられた結果での岡田監督の英断だと思う。はっきりいって今の日本の戦術に中村俊輔ははまらない。中村の守備力では頼りないのだ。ボールをキープすることもできないのでは起用するポジションがない。オランダ戦のように点を取りにいくことになったときぐらいか。中村のかわりに大久保、松井が出ているが彼らの評価が上昇しているのは中村にはない運動量で動き回っているからだ。中村にキープ力があれば、起用できたのかもしれないが、あのテクニックをうまく使えないのは残念な話である。
⑥についてはカメルーン戦のみ当てはまるのかも知れない。カメルーンはベストメンバーで出てこなかった。ソングという選手が入るだけでチームは別のチームに変わるのだが、その選手が出てこなかったのである。ソングが出たカメルーン−デンマークの試合でのカメルーンは日本戦とは全く別チームだった。チームの内紛などもあったのかもしれないが、日本を甘く見すぎていてくれたことが結果として日本に勢いを与えることになった。
以上、6点ほどを挙げてみたが、人によってはいろんな意見もあるだろうし、どれが正しいのかもわからない。ただ、どのような理由があるにせよ、こうして決勝トーナメントに進出できたことは快進撃といってもよく、日本代表の活躍は日本人の自分にとってはうれしいものだ。次のパラグアイ戦も頑張ってほしいものである。
最後に、岡田監督について。大会前、散々批判してきたが、今のような結果を残したことに関しては素直に賛辞を贈りたい。だが、これまで批判してきたことに関して謝る必要はまったくないと思う。批判されても仕方がないことをしてきたのだから。ネットでは岡田監督に謝れというコメントもあったみたいだが、大会前のあのような戦い方で誰が「W杯は大丈夫」と言えるのだろうか。現に布陣や選手が大会前と大きく変わっているのだ。
あと、成績によっては監督続投という話も出ているみたいだが、個人的にはやめたほうがいいと思う。今の快進撃は守備が安定していることが一番の要因で、まずアジアで勝つには岡田監督では役不足なのである。それは大会前のアジア勢との試合で判明している。だから、W杯がどういう結果で終わったとしても、岡田監督には自身のためにも辞めたほうがいいと思う。結果次第ではあるが「勇退」で辞めれるなんて、監督としては最高ではないか。
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