このごろ妙に仕事がつまっていて、いったんとりかかると夜中を過ぎるというぐあいで、なかなか運動というものができないでいました。
なにせ仕事というやつは、きた時にしっかりこなしておきませんと、当方のような零細な職人は、すぐに忘れられて、日干しになってしまうので、いたしかたありません。
仕事さえしていれば、気は滅入りはしないのですが、さすがに身体のほうが滅入ってきていたようで、仕事が一段落したとたん、ボールを打ちたくてたまらなくなり、先日、突然練習場に車を飛ばしてしまいました。貧乏職人御用達の、100ヤードもない鳥カゴ練習場です。
 
手袋には、またしてもカビが生えてましたので、新しいのを買い、さてクラブはどうかとバッグを開けようとしましたが、これがクセ者で、ファスナーがさびついて動きません。
「あはは、しばらく相手してやんなかったら、ヘソ曲げてやがる」
苦笑いしていたら、気の利いたフロント係、
「だいじょぶですかあ?よろしかったら、これどうぞ、お使いください」
とオイルを渡してくれた。
ありがたくそいつをお借りして、たっぷり塗りこんでから思いきり引っぱると、あちこち引っかかりながら、ようやっとのご開陳・・
やれやれ、やっとボールが打てるかと、打席に行ってクラブを引っぱり出してみたら、なんとこれまたグリップがカビだらけ。
「・・・・」
青カビ、黒カビ、白カビと、いろんなのが入り混じってまだらになっており、もとの色が何色だったのやら、判別できません。
しかたないので、今度は手洗い場に行き、タワシでごしごし・・
「あーあ、10分もかかっちゃったよ。もったいない、もったいない」
ぼやきながら、打席へ大急ぎでリターン。
なにしろ時間貸し練習場なので、10分は確かにもったいないのです。
まあ、ざっとそんなよけいなイントロは入りましたが、なんとか打ちはじめることができました。
ひさしぶりに振ったクラブは重く、思わずドッコイショとかけ声をかけつつ持ち上げなければならないほどでした。そして、どうせまたクセ球ばかりだろうとあきらめながら打ったわけです。なにせ、知る人ぞ知るクセ球打ちの名手でありますから・・
 
ところがところが、打席に立っての一発め、これがなんと、クセのないシャープなストレートではありませんか!
おかしなことがあるもんだと、頭をひねりながらもう一発・・
ところが、これまたとんでもないいい当たり!
と、自慢げにこう説明すると、
「コノヤロ、見てないと思っていいかげんなことばかり書いてやがる!」
私のゴルフを知ってる人がこれを読んだら、絶対そう言うでしょう。
私だっておかしいと思ったんですから。
 
しかし、何度打っても、ボールは実にいい弧を描いて飛んで行きました。
おかしいなおかしいなと、くり返し頭をひねったものですから、あやうく首のスジを痛めるところでした。
「どしたんだろ、不可解な・・。なんか悪いことでも起きなきゃいいけど・・」
思わずそんなことをつぶやきながら帰宅しましたが、その私の心配はやはり的中。その日日経平均が1000円以上も暴落してしまいました。
申しわけありません・・
 
あれ以来、この先自分がどれだけ日本経済にダメージを与えてしまうのか、どれだけ多くの企業を倒産させてしまうのか、さらにはどれだけおおくの投資家が首をくくるようになってしまうのか、見当もつかず、不安な日々を送っております。
はやいとこクセ球打ちにもどさないと、タイヘンなことになってしまいます。
どうかすると、大恐慌を引き起こし、第三次世界大戦まで呼びこんでしまいそうです。
 
変調の原因はだいたい見当がついております。
広大な穴掘り場(ゴルフ場ともいう)では、飛ばさねば!と思うあまり、つい力が入ってしまうのですが、そこからあまりに長いこと遠ざかって、せいぜい自宅前練習場や狭い鳥カゴでの練習ばかり、おまけにそれすらもひさしぶりのため、どうせ飛ばないだろうと、たぶんリキみが消えてなくなっていたせいでしょう。
こうなったら、世界を救うため、一日もはやく穴掘り場へ出かけていき、再びリキみを覚えてこなければと、強く決意している次第です。

開く コメント(0)

[ すべて表示 ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事